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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

全国学力テスト疑問再燃

2009年12月03日 | ノンジャンル
 ◇ 事業仕分けで大幅削減
  全国学力テスト疑問再燃


 来年度概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」で二十五日、全国学力テストが取り上げられた。文部科学省は全国の小学六年生と中学三年生のほぼ全員に毎年実施してきたテストを、40%の抽出方式にする方向で三十六億円を概算要求したが、仕分け人は「より縮小を」と、予算の大幅削減を求めた。この議論を、親や教師らはどうみたのか。(岩岡千景)
 全国学力テストは二〇〇七年、全国的な学力状況や課題を把握するため四十三年ぶりに再開された。三年目の本年度は約五十七億円の予算をかけ、国語と算数・数学の二教科で小学六年百十六万人と中学三年百十二万人に実施した。
 文科省担当者は、仕分け作業で「来年度から40%の抽出調査に切り替え、二十一億円の削減が見込まれる」と説明。「義務教育の水準を向上させる」「小中学校のニーズもある」などと継続を求めた。
 だが、仕分け人(有識者)の藤原和博東京学芸大客員教授は、これまでの調査で自治体の順位にあまり変化がない点などを挙げ「五年に一度、大きな流れをつかめばいい」「学力の変化をみるには毎年同じ問題でテストする必要がある。毎年違う問題を解く今のやり方では都道府県のランキングをみるだけだ」「統計上必要とされる6%のサンプル調査で済む」と指摘した。
 蓮舫参院議員も「もっと予算を削り、学力向上の施策に費やす方が税金の有効な使い方ではないか」と見直しを求めた。
 会場で議論を傍聴していた大学生(一九)は「学力テストは明確な目的があると思っていたが、話を聞いて意味がないと思った」とあきれた様子。
 自治体職員は「40%の抽出実施ではまだ無駄がある。仕分け人が指摘する6%の抽出でいい」。
 ◇ 親「子使われただけ」・教諭「指導離れた出題」
 実際に全国学力テストを経験した子どもを持つ親はこの議論をどうみたか。
 東京都の父親は「テストは後で問題と解答を見直すことに意味があるが、全国学力テストは答え合わせや解き直しもなく、学力を知りたい文科省に子どもたちが使われただけの印象だ」と話す。「学校別の結果は公表されないので、学校間格差をどう解消するかの議論もできない。縮小すべきだ」ときっぱり。
 また、神奈川県の母親(四三)も「中間と期末試験をどう乗り切るかに必死で、全国学力テストは記憶にもない。都道府県の学力の位置を知るためなのだろうが、何十億円も使うのはもったいない」と話す。
 千葉県内の小学校教諭も「導入された時は困惑した。普段の指導とかけ離れた問題が出るし、やればできなかったと子どもたちが落ち込む。そんな現場の声は届かずに実施されてきた」と嘆く。「子どもの学力低下が叫ばれ、成績は個人差が大きいのに、十把ひとからげで学力が低いというのは疑問だった」という。
 「五年に一度、児童・生徒の6%実施で十分という指摘はその通りだ」と話すのは、教育評論家の尾木直樹氏「テストをするだけでは学力は向上しない」と強調した上で、「探求心を刺激し、どうして、なぜ、と考える子に育て、自ら進路などの目標を定めて学力を付けるのが教育の本来の姿。今の日本では、学問の手段であるべき大学が目的そのものになり、大学受験で合格する学力が必要とされる。新政権にはこの悪循環からの脱却を目指してほしい」と提言する。
『東京新聞』(2009/11/26【ニュースの追跡】)

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