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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

学校現場で広がる「スタンダード」、創意工夫が欠如した画一化

2017年11月26日 | こども危機
  =『朝日10/29号』の記事=
 ◆ 「授業・生活指導・・・『一律に』」雑感
   T.T.0557(ひょうたん島研究会)


 10月29日(日)の『朝日』教育面に、「授業・生活指導・・・『一律に』/学校現場で広がるスタンダード」という記事が載った。読んだらあんまり面白いんで思わず笑ってしまった-のではなく、不安になってしまった。
 実はこの記事、我が「ひょうたん島研究会」の機関紙『勝っ支部通信11/1号』で紹介したのだが、その時に付けた見出しは「『学校で目標を決める手間が省ける』って、何を考えているんだか・・・」。このことも含め、例によって評論などできないので、雑感を書くことにする。
 以下、ぼくの琴線に触れた記事本文は、□で表すことにする。
 「子どもの背筋がぴーん」「足裏がピタッ」「鉛筆の持ち方は親指より、人さし指が下になるように」・・・。岡山県教育委員会が「岡山型学習指導のスタンダード」で掲げる指導の基礎・基本だ。

 自慢ではないが、ぼく、鉛筆のみでなく、お箸だって「正しく」持つことができない。まあ、正しく持てるに越したことはないが、「基礎・基本」などと大仰に構えることではないと思う。
 「授業5(ファイブ)」として、「めあて(目標)を示す」「目標の達成度を確認する」など五つのポイントを掲げる。「聞き方、話し方の手本を示している」など24項目のチェックシートもつけた。
 ぼくも一応高校の数学の教員だけど、「今日は2次方程式の解の公式をやります」と最初に宣言することもあるし、何をやるのか説明などせずに授業を始めることもある。そんなの、その時々の授業で変わるに決まっている。こんなことをマニュアルにしてどうするの? しかも、24項目の(多い!)チェックシートまで作って。本当に、「何を考えているんだか・・・」。
 (岡山)県教委がスタンダードを作ったのは2014年。全国学力調査の成績がふるわなかったのが契機だ。
 これって、「学力調査」悪用の典型例だと思う。
 広島県東広島市は10年から教員と子どもに向け、「あいさつ」「へんじ」「ことばづかい」「はきものをそろえる」など規律のスタンダードを掲げ、標語コンクールも開いている。
 ぼく、けっこう「あいさつ」が好きで、廊下で生徒さんたちとすれ違う時、しっかりと「あいさつ」する教員だと思う。「コンチャ!」。生徒の多くは、元気に応えてくれる。別れる時は、「バイチャ!」。生徒の多くは、喜んでくれているようだ。
 同じく「ことばづかい」も大事だと、ぼくは思っている。廊下ですれ違う時、生徒たちは、「ティーティー」と声を掛けてくれる。最近はもう、「先生!」などとは呼ばれなくなってしまった。「それでいいじゃん!」と、ぼくは思う。
 教委のスタンダードには、若手を中心に歓迎する声が多い。「大阪の授業STANDARD」がある大阪府の新人の中学校教員(24)は「何が授業の要かがわかり、不安がなくなる」。「葛飾教師の授業スタンダード」をもつ東京都葛飾区の小学校教員(26)も「学校で目標を決める手間が省ける」という。
 最初に書いたように、「何を考えているんだか・・・」だよな~。ぼく、たかだか「二流の教員」に過ぎないと思うけど、初任の頃、隣の教員と同じことをやるの、嫌だったけどな~。「学校のことは学校が決めて、教育行政には介入させるな!」なんて考えは、21世紀の日本からは消えた?
 都内のある小学校は、教員版のスタンダードを作った。子どもたちに、授業のあいさつ後、先生の顔を2秒見るよう指導する▽「はい、~です」の話形を徹底させる、などを盛り込んだ。「指導がばらばらにならないように話し合ってつくった」と生活指導担当の教員は言う。
 ぼく、2秒も顔を見つめられたら、照れくさくってしょうがない。それに、毎日接している生徒さん(高校の場合)たちと、「はい、~です」なんて会話を交わすかな~? ぼく、「指導」なんて言葉を滅多に使わんけど、「指導がばらばら」には悪意を感じる。「指導に遊びがある」なら、いい感じだと思うけど・・・。
 「『○○先生はいいといったのに』と言われないためにも欠かせない」と教員。別の教員も「保護者から苦情が来たら、『学校で決めています』と言える」と話す。
 この教員たち、「ちゃんと自分で考えろ」くらい、授業で言ってるだろうに・・・。
(17/11/05午前)

『ひのきみ通信 第209号』(2017年11月11日)
http://hinokimitcb.web.fc2.com/html/17/209.htm#朝日
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