要請:2025年3月27日 四者卒業式・入学式対策本部
回答:2025年4月17日 東京都教育庁総務部広報統計課長 坂井良充
東京都教育委員会 教育長 坂本雅彦 殿
◎ 「10・23通達」の撒回と懲戒処分・再処分の取消しを求め、
新たな処分等を行わない再度の要請
2025年3月27日
四者卒業式・入学式対策本部
対策本部長 川村佐和
2003年10月23日、東京都教育委員会(以下都教委)が都立学校長に対して発した「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」(10・23通達)以後、「職務命令違反」を理由とする懲戒処分者は、これまでに延ぺ484名にものぼっています。
都教委は、20年以上にもわたって、職務命令と懲戒処分の連発を続けてきました。それだけでなく、確定判決で減給以上の処分が取り消された原告に対して、再度懲戒処分をするという暴挙に出ています。
10・23通達の廃止と懲戒処分の撤回を求めて、私たちは4次にわたる訴訟を提起してきました。現在も、15名の原告による第5次の訴訟が進行中です。私たちは今後も追及の手を決して緩めません。
都教委の頑迷な姿勢は改めてもらわなければなりません。去る1月22日に当本部は6項目にわたる要請書を提出しました。しかし、今回都教委の行った2月13日付けの「回答」は、従来の文言を機械的に反復しているのみで、まったく回答になっていません。
私たちは、教育行政の本来の道を逸脱し、かたくなな姿勢をとり続けている都教委に対して、10・23通達の撤回とそれに基づく懲戒処分・再処分の取消しを求め、以下、「回答」に対する再質問と再度の要請を行います。
《再質問》
1.回答1に関して。
10・23通達が旧教育基本法10条1項に言う「不当な支配」に該当しないということが、これまでに裁判所の判断に出されたと言うが、学校行事の内容について行政があれこれ干渉し、命令するのは学校の教育課程編成権の侵害であり、まさしく「不当な支配」そのものではないか。卒業式・入学式は学習指導要領に記載されている「学校行事」である。その編成・実施の権限は学校にあるのであって都教委にあるのではない。
この点に関しての都教委の見解を示されたい。昨年も同様の質問をしたが、全く回答になっていないので、同じ質問を再度行う。
(回答)
これまでに出された裁判所の判断において、都教育委員会が平成15年10月23日付けで発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」は、旧教育基本法第10条第1項にいう「不当な支配」には該当しないとされています。(所管 指導部指導企画課)
2.回答2の「職務命令を出させないこと」に関して。
「学習指導要領に基づき自校の入学式、卒業式等を適正に実施するため」とあるが、学習指導要領のどこに、「国旗に向かって、起立斉唱せよ」との趣旨の文言が書かれているのか。具体的に示されたい。昨年も同様の質問をしたが、全く回答になっていないので、同じ質問を再度行う。
(回答)
学習指導要領解説特別活動編では、「国旗及び国歌に対する正しい認識をもたせ、それらを尊重する態度を育てることが大切である。」と示されています。
また、最高裁判所の判決で、「学校の儀式的行事である卒業式等における国歌斉唱の起立斉唱行為は、一般的、客観的に見て式典における慣例上の儀礼的所作として外部から認識されるもの」であることが認められています。(所管 指導部指導企画課)
3.回答3に関して。
「当該各事案に係る判決の内容に応じて、必要な対応を行っています。」とあるが、これまでに行った「必要な対応」の例を示されたい。
また、「再処分」を行うことには、手続き上の暇疵があると指摘されており、不当なものである。加えて、当該本人に二重に精神的苦痛を与える重大な人権侵害である。
昨年も同様の質問をしたが、全く回答になっていないので、同じ質問を再度行う。
(回答)
判決が確定した事案については、当該各事案に係る判決の内容に応じて、必要な対応を行っています。謝罪する考えはありません。
なお、卒業式等における職務命令違反については、最高裁判決を踏まえて適切に対処します。(所管 人事部職員課)
4.回答4に関して。
「見解を述べる立場」にはない、と言うが、まさに都教委の発出した10・23通達に関わる是正勧告なのである。都教委には答える義務がある。都教委はこの勧告をどのように受け取ったのか。
(回答)
指摘のあった「勧告」は、都教育委員会に宛てられたものではないため、これについて見解を述べる立場にはありません。(所管 指導部指導企画課、人事部職員課)
5.回答5に関して。
まったく回答になっていない。ILOユネスコ合同専門家委員会の勧告は都教委に対してなされたことは明白である。都教委には答える義務がある。都教委はこの勧告をどのように受け止めているのか。誠意をもつて回答されたい。
(回答)
指摘のあった「勧告」は、都教育委員会に宛てられたものではないため、これについて見解を述べる立場にはありません(所管 指導部指導企画課、人事部職員課)
6.回答6に関して。
「懲戒処分歴のある者に対して、再任用の更新をしない」というが、「更新拒否」は実質的に解雇処分である。これはまさに二重処分であり、再度撤回を求める。
また「時間講師の任用に当たっては、東京都公立学校時間講師採用候補者選考募集要項に基づき、適切に実施しています」というが、それは、要項のどの部分に基づいたことなのか回答されたい。
また、時間講師の任用について、2022年9月30日付けで都教委のHPにアップされた「令和5年度採用東京都公立学校臨時的任用教員・時間講師採用候補者選考実施要項」による申込書に「刑罰・処分歴」という項目を新たに作ったのはどうしてなのか、理由の説明を求める。
(回答 「再任用の更新拒否」について)
撤回する考えはありません。(所管 人事部選考課)
(回答 「時間講師の申込書」について)
当該欄については、記載する内容を申込者が正確に把握できるよう変更したものです。(所管 人事部職員課)
以上の質問に対して誠意をもって再回答を求めます。また、前回の要請に対する回答はまったく回答になっていません。以下、再度要請します。
《要請》
1.10・23通達を撤回すること。
(回答)
これまでに出された裁判所の判断において、都教育委員会が平成15年10月23日付けで発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」は、旧教育基本法第10条第1項にいう「不当な支配」には該当しないとされています。よって、本通達を撤回する考えはありません。(所管 指導部指導企画課)
2.10・23通達に基づく職務命令を出させないこと、また職務命令違反を理由とした懲戒処分を行わないこと。
(回答 職務命令を出させないことについて)
これまでに出された裁判所の判断において、都教育委員会が平成15年10月23日付けで発出した、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」は、旧教育基本法第10条第1項にいう「不当な支配」には該当しないとされています。よって、本通達を撤回する考えはありません。(所管 指導部指導企画課)
(回答 職務命令違反を理由とした懲戒処分を行わないこと)
卒業式等の式典において国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であることは、最高裁判所の判決で繰り返し認められているところであり、職務命令違反があった場合には、個々の事案の状況に応じて厳正に対処します。(所管 人事部職員課)
3.裁判の結果処分が取り消された被処分者に対して、誠意をもって謝罪し再処分を撤回すること。
(回答)
判決が確定した事案については、当該各事案に係る判決の内容に応じて、必要な対応を行っています。謝罪する考えはありません。なお、卒業式等における職務命令違反を理由とした懲戒処分の取消しや撤回は、考えておりません。(所管 人事部職員課)
4.国連自由権規約委員会の勧告に従い、自由権規約の規定を遵守すること。
(回答)
指摘のあった「勧告」は、都教育委員会に宛てられたものではないため、これについて見解を述べる立場にはありません。(所管 指導部指導企画課、人事部職員課)
5.ILOユネスコ合同専門家委員会の勧告に従い、命令と処分の教育行政を改め、教員の代表と協議すること。
(回答)
指摘のあった「勧告」は、都教育委員会に宛てられたものではないため、これについて見解を述べる立場にはありません。(所管 指導部指導企画課、人事部職員課)
6.10・23通達に基づく職務命令違反を理由とする再任用の更新拒否及び時間講師の不合格を取り消すこと。
(回答 再任用の更新拒否について)
懲戒処分歴のある者に対して、再任用の更新をしないという考えを撤回することはありません。(所管 人事部選考課)
(回答 時間講師の不合格について)
時間講師の任用に当たっては、東京都公立学校時間講師採用候補者選考募集要項に基づき、適切に実施しています。(所管 人事部職員課)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます