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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「経産省前テントひろば」の排除は許さない

2013年03月23日 | フクシマ原発震災
 ▼ 3月14日仮処分公示について (声明書に変えて)
淵上太郎(経産省前テントひろば)

 もとよりこのテントの存在は、国・経産省の原発推進に対する抗議の意志表明そのものであり、原発問題に関する国民的討議の場として「使用させよ」と正式に要求してきたものであって、また不許可に対しての再審査の申請中でもあります。
 その相手先(国・経産省)が、裁判所に一方的に仮処分を申請し、それを裁判所が認めたわけですが、片方の当事者である私たちには事実上秘密(敢えてお知らせには及ばないということかも知れませんが)にして事態が進行したということです。
 国は2月18日に仮処分の申請(申立)を行いましたが、そんなことはテントは全く知らないでいたのです。どのような仮処分が何時、誰によって出されたかについては、当人たちが敢えて公表しないかぎり第3者或いは係争相手が知るよしもない、ということになっているらしいです。
 その申請に対して3月6日に東京地裁の決定が出され、執行官によって14日に公示されたということです。
 国・経産省は、テントが経産省の管轄にある敷地に立てられていることに対して「不法占拠である」と言っていますが、私たちは全くそのようには思ってはいません
 なぜなら、福島の原発事故は史上まれに見る大事故でであったのですが、何よりもこのことに関する責任を問い、抗議をするということでテントが立てられたのです。のみならず、この事故の深刻さ、被害の甚大さからみて原発について根本的な議論を国民的に行うことが極めて重要であることから、その国民的討議の場として「経産省が管理する国有地の一角を使用したい」という申請をしていました。もちろん法的にこの土地が国有地であることは承知しておりましたが、この福島の大事故の重要性・緊急性からみて、またわが国の民主主義の実現という意味からしても、経産省前テントはどうしても必要なものであると判断したのでした。
 もちろん、かような私たちの見解や意見は、全ての人々を納得させるものであると申し上げるつもりはありません。右翼の方もおりますし、法律大好き(それ以外は嫌い)という方もおられますし、これほど極端ではなくとも「国法に違反するのはいかがか」と問う方もおられることは承知しておりま す。
 けれども改めて、福島第一原発の事故の深厚さを思い浮かべて頂きたいと思うのです。
 原発立地の多くの人々は、国の政策で安全であると言うならやむを得ない、過疎と財政難に悩まされている地方自治体としては少々の危険の疑いには目をつぶろうということで、原発を容認してきたのです。国・経産省、電力事業者そして原子力村と言われる人々は挙げて「原発は安全である」ということを唱和してきたのです。しかし安全ではなかった訳で、その事実上の虚偽について、またその後も続く隠蔽体質や無責任さについて、国民の多くは不信を持ち、怒りを爆発させつつあるのです。国が嘘をつくという事態はまさに異常な事態と言うべきでしょう。
 つまり国や電力事業者が一蓮托生で自らの利益のために圧倒的に大きな力をもって有無を言わせず原発を強行推進してきたということです。国民一人一人の力は分断されつつ、あまりに無力でした。
 しかし福島第一の事故を契機に人々は声を挙げ行動すること、そして原発問題で連携して進むべきことを学んできたのです。
 その大きな流れの中に「経産省前テントひろば」はあるのです。原発事故、それも容易に収束しがたい事故を目の当たりにして、このテントは脱原発の1つの象徴ですが、同時に脱原発から生まれ、霞ヶ関に根っこをはやしつつある緊急避難的な民主主義の実践の場でもあります。人々はテントに集まりいろいろと発言をし行動の拠点として利用し、人々の交歓の場となっています。民主主義は代議制議会への投票行動だけでよいはずはないのです。
 まるで反省をしないかに見える国や経産省はこのようなテントを抱え込んでしまい、自らの政治的・道義的責任を棚にあげて、テントの排除だけを願っているようです。そのための「明渡請求訴訟」であり、そのための今回の仮処分です。仮処分では「債務者に上記物件の使用を許した」とありますが、明渡請求訴訟がどのように展開して、裁判所がどのような結論を出すのかは、今後の問題です。手早く進行するかも知れないし、意外と悠長な進行になるかも知れません。
 いずれにしても、こうした動きを受けて、堂々と闘いたいと思います。この闘いは脱原発と民主主義をかけた、全国・全世界ののあらゆる人々の闘いだと確信できるものです。
 共に闘いましょう!

  2013年3月15日(金曜日)

経産省前テントひろば  淵 上 太 郎


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