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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 「10・23通達」から20年、様変わりした都立高の現場

2023年06月19日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 ★ 教育現場の状況 (予防ひきつぐ会総会議案書から)

<卒入学式の様子>
 10.23通達発出から20年。2018年の入学式以降、不起立による処分は途絶えているが、学校現場への締め付けは留まるところを知らない。
 コロナ禍で昨年度まで派遣されていなかった都教委職員が卒業式に参加した。入学式は、コロナ前とほぼ同じ形に戻り、国歌の斉唱が行われた。
 2021年3月に提訴した東京「君が代」裁判五次訴訟は、すでに10回口頭弁論が行われた。今秋からは、いよいよ証人調べなどが行われる予定だ。
 処分手続きの不備という行政法上の問題点の追及や昨年出された二つの国際的な勧告を力に今後裁判が進んでいくことになる。

<学校のIT化>
 コロナ禍を利用して学校のIT化は加速している。昨年の入学生から、都立学校は、高校も特別支援学校も一人一台端末購入が義務付けられている。購入させたからには授業で使用しなければならないという圧力も教員にかけられている。
 今年度から、都立高校では年1日「オンライン授業の日」を設けなければならなくなった。「オンライン授業の日」には、教員は基本的に自宅から授業を配信することになるようだ。

<都立学校版コンディション レポート>
 NTTテクノクロスとミライト・ワン・システムズが提供する「都立学校版コンディション レポート」が、今年3月から全都立学校で導入され、5月2日から本格運用が始まった。
 生徒に、毎朝スマホ等からアンケートに回答させるもので、体温・目覚め・気分・相談希望等がアンケート項目に並ぶ。
 それをシステムが自動集計・分析し、教員はTAIMS端末で確認して必要に応じて面談等を実施するという。
 ICT活用で、教員の負担を軽減しつつ、支援が必要な生徒を早期に発見し、生徒自身が心身の状況について自己理解を深め、自ら健康をコントロールし改善することが目的だというが、そんなごとが可能だとはとても思えない。
 そもそも自分の気持ちや精神状態を誰かに報告する必要などない。心身の健康状態という極めてデジケートな個人情報を、一般企業が開発したシステムで一括管理しようとするなど危険極まりないことだ。

<教員不足の問題>
 教員不足の問題は、もはや待ったなしの状況で、児童生徒の学習環境に悪影響が出ている。東京都内の公立小学校では、2023年4月7日時点で約80人の教員が欠員している(都教育委員会調べ)。
 都立高校では教員の欠員はないが、心を病むなどで病休する教員が多く、その代替を見つけることが困難な状況にある。
 産育休代替の教員も不足しており、專任の教員の負担が増えている。

<英語スピーキングテスト>
 反対の声を無視して強行された英語スピーキングテストだが、高校入試での取り扱いには問題があり、今後しっかりとした検証が必要である。

<多忙化>
 昨年の1学年から高校でも実施された新学習指導要領により、多忙化にさらに拍車がかかっている。
 教育現場の課題は山積している。しかし、過酷な労働環境の中、教員は目の前の仕事に忙殺されて、じっくり考えたり、情勢を分析したりすることができなくなっている。
 教員を孤立させず、教育現場の問題点をあぶりだして、問題解決の方策を考える学習討論集会の取り組みが、今後ますます重要である。(川村)

『予防訴訟をひきつぐ会総会 議案書』(2023年6月17日)


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