◆ 廃炉産業 (東京新聞【本音のコラム】)
本気なのか、と目を疑ったのが、日本原子力発電(原電)東海第二原発の運転延長申請報道である。運転開始から来年で40年、廃炉の年限が来ているのに、さらに20年も運転するという。
茨城県にある東海原発は、首都圏に最も近いポンコツ原発である。30キロ圏内には、14市町村96万人が暮らしている。事故が発生したとき、およそ100万人の人間がどこに逃げるのか。
まともな神経があるなら、踏み込めない恐怖の再稼働である。
フクシマでは、避難の逃避行で多くの入院患者が死亡した。
故郷と生業を失って自殺者が出た。
子どもたちに甲状腺がんがふえ、避難者の経済的困窮は深まり、地域の放射能汚染は消えず、汚染水は止まらない。
安倍首相の「アンダーコントロール」などまっ赤なウソだったことが、時間とともに証明されている。
それでも、再稼働の号令をかけている官邸は、原爆が落とされてもまだ聖戦をあおっていた「大本営」の無責任な頑迷さだ。
原発敗戦をみとめ、復興にむかうべきだ。
1基5千億円以上と見込む廃炉作業で、地域経済を立て直せばいい。
再稼働のための安全対策費千八百億円は、無駄な投資だ。
廃炉費用に回した方がはるかに経済効果が高い。電力会社もち合いの原電は「日本原子力廃電」として、安全な廃炉の技術確立に役立ってほしい。
『東京新聞』(2017年11月28日【本音のコラム】)
鎌田 慧(ルポライター)
本気なのか、と目を疑ったのが、日本原子力発電(原電)東海第二原発の運転延長申請報道である。運転開始から来年で40年、廃炉の年限が来ているのに、さらに20年も運転するという。
茨城県にある東海原発は、首都圏に最も近いポンコツ原発である。30キロ圏内には、14市町村96万人が暮らしている。事故が発生したとき、およそ100万人の人間がどこに逃げるのか。
まともな神経があるなら、踏み込めない恐怖の再稼働である。
フクシマでは、避難の逃避行で多くの入院患者が死亡した。
故郷と生業を失って自殺者が出た。
子どもたちに甲状腺がんがふえ、避難者の経済的困窮は深まり、地域の放射能汚染は消えず、汚染水は止まらない。
安倍首相の「アンダーコントロール」などまっ赤なウソだったことが、時間とともに証明されている。
それでも、再稼働の号令をかけている官邸は、原爆が落とされてもまだ聖戦をあおっていた「大本営」の無責任な頑迷さだ。
原発敗戦をみとめ、復興にむかうべきだ。
1基5千億円以上と見込む廃炉作業で、地域経済を立て直せばいい。
再稼働のための安全対策費千八百億円は、無駄な投資だ。
廃炉費用に回した方がはるかに経済効果が高い。電力会社もち合いの原電は「日本原子力廃電」として、安全な廃炉の技術確立に役立ってほしい。
『東京新聞』(2017年11月28日【本音のコラム】)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます