オスプレイ２機が予定通り５月８日岩国基地に陸揚げ、６月には空路で木更津に強行配備

　　《立川テント村通信から》
　◆ コロナの陰に隠れて
　　　オスプレイ木更津配備を許すな！！

　「火事場泥棒」とは、まさにこのことではないか！
　緊急事態宣言が発令される中、木更津基地に配備予定の初の自衛隊オスプレイ２機が、米国から日本に海路で向かっている－。そんな衝撃的なニュースが入ってきた。
　陸自のオスプレイは、２０１５年に米国からの調達が開始された。しかし配備予定だった佐賀では、地元漁協の粘り強い反対などで配備を阻止しており、機体は米国で宙づりになったまま数年が経過していた。
　昨年１２月、木更津市長は、参加２千人を超えた市民集会の反対を押し切り、木更津基地への自衛隊オスプレイ「暫定配備」を容認。「５年間の暫定配備」は到底信じるに足る根拠はなく、地元には不安が渦巻いている。
　すでにコロナが広まっていた３月２６日、自衛隊は木更津基地にひっそりと４００名からなるオスプレイ専門部隊を発足。
　そして緊急事態宣言下にも関わらず、４月１５日にオスプレイ２機を載せた艦船が米国を出港。５月上旬に山口県の岩国基地に陸揚げし、整備を経て、６月には木更津に空路で移転、強行配備を行うという。
　オスプレイは高価で事故が多発し、「軍事合理性」も低い、まさに「米国からの武器爆買いの象徴」である。
　緊急事態宣言下で市民の活動も抑制を余儀なくされる中、許されることではないー！

　オスプレイの木更津配備は、立川基地にとっても対岸の火事ではまったくない。
　木更津と立川は同じ東部方面隊（関東地方を管轄する陸上自衛隊の航空部隊）であり、ヘリの行き来はひんぱんである。早晩、訓練や補給の名目で立川基地への飛来も行われるだろう。
　いよいよ現実味を帯びてきた立川基地へのオスプレイ飛来に反対しょう！

　◆ コロナが浮き彫りにする日本の問題

　コロナウイルスは、日本社会の問題を浮き彫りにしている。
　『東京新聞』４月２６日朝刊によれば、世田谷区の社員寮で死亡した男性は、発熱・重症化から検査まで６日かかり、結果が出る前に死亡したという。
　都内でもっとも確認感染者数の多い世田谷区であるが、保健所の電話担当はわずか６人、回線は３本だった。
　「感染拡大防止」以前に、感染・重症化した際の医療の圧倒的な不足は明らかである。
　また渋谷署の留置所では、数十人の留置者のうち、７人が感染。
　究極の「三密」であるマンモス留置所の雑居房での感染リスクは明らかにも関わらず、警察の対応は感染者が判明するまで何も行われなかった。
　「獄中者の人権」への意識の低さが生んだ悲劇である。獄中の待遇改善につなげる動きが必要だ。
　韓国政府は今年度の軍事費を８００億円減額し、コロナ対策にあてる決断をした。
　しかし日本ではまったくそんな議論は起きず、逆に政府は辺野古新基地建設にばく進し、軟弱地盤の「発見」（とうに指摘されていた）を受けて、工事費３倍の見積もりを臆面もなく提出した。
　「ステイホーム」だなんだと市民に命令しておいて、パチンコ屋が開いているだの、江ノ島が混んでいるだのどうでもいい話で人を批判し、本当に見直すべき日本社会の問題からは目をそらさせる「コロナ政治」が蔓延している。黙るわけにはいかない！
　◆ 「コロナ後」への想像力と戦略を

　運動のなかで起きていることを紹介しよう。
　施設閉鎖や自粛によって中止も多いが、それでも活動が続いているところもある。
　３月、４月は例年通り国立市の小中学校で卒入学式のビラまきが行われた。コロナ下で規模は縮小しても、「日の丸・君が代だけは実施せよ」という文科省の強い要請のなかでの卒入学式である。
　中学校では例年、配布したビラを回収するためのゴミ箱を学校が用意するが、内容を確認するように教師が集まって読んでいる姿も目撃されている。
　「自分で考え、判断する子どもを」という市民の主張は、一斉休校の中でどのように伝わるのだろうか。
　２２日のＣ１デモでは、人の少ない立川の街を「軍備で健康は守れない」のコールをあげてデモ。
　弁当営業を始めた沿道の飲み屋に「頑張ってー」と声をかけると、手を振の返してくれた。
　小さな変化でも見逃さないようにしたい。
　コロナ後の帯界を少しでも良い方向にできるような想像力と戦略が求められているのだと思う。
『立川　テント村通信』（2020年5月1日）