《立川テント村通信から》スペースF学習会 4月20日
☆ 「自衛隊のリクルート活動と軍学共同」
学習会に集まったのは15人ほど。講師は「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」の池田五律さんで、練馬での反基地運動に長く取り組んできた人だ。
練馬駐屯地には首都を守る普通科部隊があって、多摩地区の防災訓練で自衛隊が炊き出しをやったりすると、たいてい練馬から来ることになる。
そして実は朝霞基地の住所は練馬区大泉。隷下に中央即応連隊や水陸機動団空てい部隊をもつ陸上総隊司令部はここにある。立川の東部方面隊だって司令部は朝霞と、ついどや顔になるのは、反基地運動あるある、でもある。
☆ 自治体の募集協力
中3、高3の男子に自衛隊から募集のDMが来て、名簿はどこから流れたのかと問題にされることがある。もちろん出どころは自治体である。
隊員募集が機関委任事務から法定受託事務になって、自治体は住民基本台帳閲覧を拒否できなくなった。
かつては地方協力本部員が閲覧して書き写していたのだが、電子化に伴って、自治体が名簿を作成して提供することが増えている。ただしこの場合は、DMを受け取る側が拒否できるので、自治体に対して自分の情報を自衛隊に知らせるなと要求できる。しかし、そうするとそれ以外の情報提供を認めることになってしまうので、練馬ではそれはやつていないということだ。
もっとも、そのDMにあまり効果はない。一般曹候補生を対象にしたある調査では、ホームページで知ったというのが最多で18%、地本からの郵便物で知った人は1%のみだったそうだ。SNSで、というのも多いとのこと。
☆ 退職・退学者続出
任期制自衛隊員の充足率は70%台だ。「士」階級への応募者数は過去10年間で26%減った。
中途退職者数は2020年から21年に35%も増えた。
中でも現場の中核である「曹」や「尉」以上の幹部の退職が増えている。
いじめ、セクハラ、パワハラに加えて任務の激化がある。演習が増え、きつくなっている。中途退職を抑えるために、昨年度から民間会社の活用という方針を立て、機材の管理などを契約している。
防衛大、防衛医大も退学者が続出している。自衛隊は理系大学の就職先として、また転職サイトを活用するなどがんばっている。中学、高校の「総合」の時間に出前講座、防災講話、職業体験などあの手この手である。
池田さんの話はこのあと、最近の国会の動きに関連して重要経済安保情報漏洩処罰法、セキュリティクリアランス創設法、能動的サイバー防御関連法、そして重要土地等調査規制法と実に内容が盛りだくさんだった。
今年1月に練馬も立川も土地規制法で注視区域に指定され、個人の情報が自治体から国に提供されるようになった。
しかし住民はほとんどそれについて知らされていない。
練馬では交渉の末、区から国に住民説明会を要求させたとのこと。他の自治体でもぜひ取り組んでほしいと言われた。
『立川テント村通信』(2024年5月1日)