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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ヴィルヘルム・テル~帽子と日の丸

2004年12月30日 | ノンジャンル
岩波文庫で、昨年6月再販されて(1929年から26版)入手しておいたのだが、
最近ようやっと通勤電車に持ち込んで読み出した。

冒頭の方に、次のような一節がでてくる。

口上者:ウーリー州の人民、この帽子を見よ。(略)
 これについて、代官の意思と賢慮は、次の如し。
 この帽子を敬うこと、さながら代官を仰ぎ見る如く、
 すべからく膝を曲げ、帽を脱して、敬礼を尽くすべし。
 これによりて、国王は、人民帰順の如何を知らんと欲す。

 いやしくも、この制令を軽んずる者は、生命を失い、財産を没収せらるるものなり。
職人甲:代官め、何と前代未聞のけしからんことを考えやがったのだろう。
 帽子に敬礼するんだとよ。
 おいおい、こんな馬鹿らしいことを聞いたことがあるかい。
石工親方:膝を曲げて、帽子を拝むんだとよ。
 まじめな立派な人間を、おもちゃにするんじゃねえか。


もうお分かりだろう。なぜ、引用したのか。
19世紀初頭のスイスを舞台にしたシラー原作の独文学の傑作である。
それが、19世紀末に開国して西洋の仲間入りを目指したどこかのアジアの国の
統治方針とそっくりではないか。
西洋の前近代と同じことを、わが国古来の伝統であるともっともらしく粉飾し、
人民を赤子扱いするとは、冷静に見ればカルト宗教と変わらない。
そして、それを強制する、下手な役者と阿諛追従する者たち。

まだ、有名なリンゴの場面は出てこない。
それを読んだ頃、再び投稿するつもり。

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