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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

杉並・和田中の「夜スペ」に区民が仮差止めの申立て

2008年04月11日 | 平和憲法
 ◎ 杉並・和田中の「夜スペ」に区民が仮差止めの申立て
渡辺容子

 ◆ 報道と現場の実情に大きなギャップ

 東京・杉並区立和田中学校が大手進学塾「サピックス」と提携して1月から始めた有料授業、通称「夜スペシャル」に対し、3月24日、杉並区民49人が「公共用財産である学校施設を一営利企業の塾に利用させるのは違法」などとして、区などに対し、授業の本格実施の仮差止めを東京地裁に申し立てました。ちなみに、筆者は申立人の一人です。
 申立人ら5人は同日、東京地裁司法記者クラブで記者会見を行い、申し立ての理由、背景などについて発言しました。その概略を報告します。

 【なぜ仮の差止めを申し立てたか?】

T:皆さんは新聞報道などで、「夜スペ」はうまくいっていると思っていらっしゃることでしょう。しかし、和田中、藤原校長に関する報道と地元の不満と怒りには大きなギャップがあり、愕然としています。従って、こういう声があるのだということを表すために、これを一つのステップとして差止めを申し立てました。手続きを含め、非常にいい加減ではないかということで本日、区民58名で杉並区に住民監査請求も出しました。

 私たちには納税者として区に公共用財産を適正に管理させる権利があり、これを侵害されたため、学校施設の目的外使用許可の差止めを申し立てました。保全の必要性としては、これ(夜間塾)が4月から本格実施されると、公立学校施設で一企業による有料授業が既成事実化する、また「サピックス」という一企業の私権の設定になってしまう。このようなことが他の公立学校に波及していけば、学校は商業ベースに染まり、子どもたちは営利のターゲットとなってしまいます。従って緊急に差し止める必要があります。

 地方自治法第244条では「公の施設を設ける目的」を「住民の福祉を増進する」と定めています。同法第238条の四では「行政財産は・・・・これに私権を設定することはできない」と規定しています。公共用財産を営利企業に便宜供与することは禁じられているのです。学校施設確保に関する政令3条では「学校施設の目的外使用の禁止」を定めており、私的営利を目的としない等々、特例は厳しく設定されています。

 お手元にある「特別補習事業(夜スペ)実施に係る覚書」をご覧下さい。公共施設を使って行うのに、正式な書類はこれしかありません。これは和田中地域本部夜スペ実行委員長を「甲」とし、サピックス中学部代表者を「乙」として覚書を交わしていますが、最後の署名押印のところでは「甲」は和田中地域本部事務局長になっており、「乙」は「サピックス中高等部代表」となっており、書類の体裁をなしていません。しかも日付は平成20年1月24日付です。有料授業が始まったのが、この2日後の1月26日です。いかにも付け焼刃で、1月23日の教育委員会で追及されて、あわてて作ったということが分かります。当初、1月の初めから実施すると言っていた時はどうだったのか。手続きは何もやっていなかったのではないかと思われます。都教委が指摘するのが当たり前です。

 もう一つ「特別補習事業の実施要綱」というのを見てください。これも1月22日に急きょ、あせって作ったとしか思えません。2ページ目の付則の2を見てください。「この要綱が施行される前に行われた本事業に関連する手続き等は、本要綱に即して適正に行われたものとみなす」とあります。なんですか、これは。つまり、要綱がなかった時にやったことも正当だ、とこの付則に書いたわけです。こういうものも何も作っていなかったので、あせりまくって後付けし、強引に実施した。だから土台、無理があるのです。

 プロの先生方に言わせれば、この事業は単なる塾への丸投げで、おもしろいことでもなんでもないというのが現場の評価です。みなさん、その辺をぜひ見抜いて記事を書いていただきたいと思います。

 ◆ 和田中の保護者にもくすぶる不満

 【近隣中学校の保護者などの声】


O:お母さんたちも、藤原先生がお決めになったことを粛々と実施しているということだと思います。一般住民として思うのは夜、学校を使うということで、17名という限られたお子さんのために、お弁当を出してみたり、光熱費を使うという、そのお金がどういうふうに出ているのか、不思議です。中野養護学校というのが近くにあるのですが、その養護学校を出た子たちが、週1回相談コーナーということで、夜、学校に来ていたけれども、校長先生がもういけないということで、使用できなくなってしまいました。とても不公平だと感じます。

 私は個人的には塾が学校に参入するのもこの時代はアリかなと。それは持っていき方だと思うのですが、公の教育とはなんだろう、と今回のことですごく思うわけです。公にはいろんな子がいるわけですから。塾では、成績順にクラス分けするのもアリだし、私学だったらそういうこともあると思います。でもいろんなお子さんがいる中で、選んでやっていくのは、いくら地域本部がやっていると言っても、学校がやっていると子どもたちは思っています。子どもの中に特権意識を校内で作っていいのでしょうか。(略)

 [地域って何]
W:いま、杉並区も学校選択制になっていますが、他の中学は隣接地域しか選択できないのに、和田中だけが杉並区全域から選択できるようになっており、元の和田中の学区域からが3分の1、隣接地域からが3分の1、あとの3分の1は越境入学も含めた遠距離から通う生徒です。こんな状況で、地域を大切にと言われても、いったい何なのかと区民は疑問に思っています。

 [プール事故を隠蔽]
Y:和田中ではありませんが、孫が区立中学に通っています。近所では「夜スペ」は不公平だという人が多くいます。去年の7月に和田中の体育の授業で、1年生の子がプールで潜水中、25mの5m手前で無呼吸で意識不明になって救急車で運ばれました。直後には問題になったのですが、ご両親が問題にしないでくれと言ったとかで、このことはもう公にしない、と新聞にも報道されず、区民にも知らされず、教育委員会すら取り上げなかったんです。いま、そのお子さんがどうなっているかというと、意識不明のままです。和田中の籍は抜かれて、済美養護学校に移されてしまったということが分かっています。保護者の希望ということですが、実際はどうなのでしょうか。

 それから、さきほどの匿名の内部告発の手紙が、私たちの間でぐるぐる回って大騒ぎになっています。杉並区内の全校のPTA会長宛てに送られたのですが、藤原校長がすぐに回収しろという命令を出しました。藤原校長はこのことを警察に言い、指紋でも筆跡でも調べて犯人捜しをするというので、そこまでするかと驚きました。

 藤原校長には教員免許がなく、山田区長が特別に連れてきた人ですから、校長会に報告もしないし、独断でやっています。数日前に大きく報道された和田中のPTAがPTA協議会から脱退するというのも、PTAの意見ではなく、校長が突如言いだしたことです。これも「夜スペ」も、区民のニーズではなく、藤原校長の独断です。新聞はそこまで分かっていないようですが、私たち区民が要求したことではなく、上からどんどん来ているのです。いまに、小柴さんみたいに杉並から第二のノーベル賞受賞者を出すのだという。できる子に注目して特別扱いし、中学2年生127人中のたった17人が夕飯まで食べて校長先生も仲良く一緒に特別に授業を受ける。他の子どもたちはもちろん、彼ら自身も含め子どもたち全体に複雑に影を落としていると思います。新聞社にはそういうことも知ってほしいし、私たちはこんな授業はやめてほしいと思っています。

 [和田中の学区は?]
K:私も、区内の中学校に通う2年生の子どもを持つ父親です。地域が藤原校長と協力して一生懸命やっているんだからいいじゃないかという論調で全国紙が報道していますが、みなさん御存じのように、杉並区立の中学校は今統廃合問題が大変な話題になっているわけです。私の息子が行っている学校も統廃合の対象になって、住民が統廃合しないでほしいということで延期になった経緯があります。

 その一方で、和田中の「地域」って何かというと、先ほどWさんがおっしゃったように、和田中にだけ学区がないのです。全杉並区対象、いや近隣の区からも来れる。バスに乗って来れるのは和田中だけ。そんな中で、しかも和田中の近隣にあるわけでもない「サピックス」という進学塾が突然入札もなしに選ばれて、塾の教育をやる。全くインチキな仕方で、生徒を集めているとしか思えない。そのあおりを食っているのは、和田中周辺の杉並区で言えば東側の地域で、生徒が減少しています。みんな和田中に生徒を吸い上げられていて、杉並の教育は非常にアンバランスな生徒の配置になっているわけです。

 夜に塾をやることで一番心配なのは、かなり遠距離から和田中に通っている子どもたちの中でもし事故があった時に、対応してくれるのかということです。プールの事故一つ見ても、その後どういう対応をしたのか、どういうフォローをしたのか、全部緘口令を敷いてうわさでしか聞いていない。ますます不安になるわけです。そういう実態の中で地域とは何かが疑問ですし、校長が協力して一生懸命やっているというのとは全然違うのだ、ということを肌身で感じています。PTAの間には噂で流れてくるのです。それをこわがって、おそらく藤原校長はPTA協議会も脱退して、校長会にも顔を出さない。鎖国みたいなことを始めて、校長がやると言えばなんでも通るのか。教科書採択もそういう面があると思いますが、そういうトップダウンのやり方で、本当に地域が盛り上がる学校教育ができるのか、非常に疑問に思っています。しかも、藤原校長が辞めるわずか1ヵ月、2ヵ月前にバタバタと始められているわけです。

 ◆ 教師から聞かれない評価する声

 (以下略)

『JANJAN』 2008/03/27
URL:http://www.news.janjan.jp/area/0803/0803253576/1.php
URL:http://www.news.janjan.jp/area/0803/0803253576/2.php

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