=たんぽぽ舎です。【TMM:No4302】「メディア改革」連載第76回=
◆ 自民党と電通・博報堂が共謀、メディアジャックして進む総裁選
◎ 自民党と電通・博報堂が共謀してメディアジャックして進む総裁選で、世論調査の自民党支持が50%を超え、11月に行われる予定の衆院選で比例区は自民党に投票するという回答が10ポイントアップしている。
現職の閣僚を含む候補者4人が、国会ではなくテレビなどで「政策論争」するのは民主政治の冒涜だ。
◆ 「無声ジャーナリスト」として初めての講演
9月26日(日)午後、千葉県流山市の生涯学習センターで、安倍晋三前首相・菅義偉首相親子らを東京地検に告発してきた「税金私物化を許さない市民の会」は、総裁選報道を批判し、次期総選挙での市民と政権反対党の連携強化を求める緊急集会を開いた。
私が第一部で、総裁選とキシャクラブについて「講演」した。「無声ジャーナリスト」としては初めての講演だった。
この集会は、昨年4月に下咽頭がんの手術で声帯を失った私の事情を考慮して流山市で開かれた。たんぽぽ舎の仲間の日下部信雄さん(元流山市議、「原発止めよう!東葛の会」)が会場を手配してくれた。
音楽家のつんく♂さんが喉頭がん手術で声帯を摘出した後に行っているパソコンを使用した“筆談”の形での報告だった。
仲間の支援で、質疑応答を含め、何とか1時間の講演を行った。
1年半、在宅だった私にとってうれしい再スタートだった。
UPLAN(三輪祐児さん)が近く、集会の動画をネットにアップしてくれる。
講演の内容はフェイスブックに投稿した。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173
◆ 自民党総裁選候補者の1人・高市早苗氏の経歴詐称
◎ 9月29日に投開票される総裁選には、河野太郎(行政改革担当相)、岸田文雄(前政調会長)、高市早苗(前総務相)、野田聖子(幹事長代行)の4氏が出ているが、安倍晋三前首相が異常な執念で推す高市氏がテレビ番組や討論会で、中国を念頭に「強い電磁パルスで相手基地を無力化する」などと極右発言を繰り返している。その高市氏が岸田氏と2位争いをしているという。
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49503#idx-4
高市氏はテレビで、敵基地の無力化のための無人機の導入、長距離のミサイルの国産化を大学で進めるべきだと述べ、「首相就任後も靖国神社参拝を続ける」と宣言している。安倍前首相が靖国参拝を1回で止めたのは、米国が「失望した」と強く警告したためで、「高市首相」が参拝できるはずがない。
高市氏(奈良県2区)は93年の初当選時、米議会で「議会立法調査官」だったという経歴詐称の過去がある。
しかし、2016年に、米議会には立法調査官というポストがないことがバレ、公式HP(https://www.sanae.gr.jp/)の」プロフィールでは「米国連邦議会Congressional Fellow(金融・ビジネス)」だったと書き換えている。
高市氏が8日に出馬表明した際、各局は「米議会勤務」と伝えたが、その後、この経歴に触れていない。高市氏が米留学時代の話題を自ら封印しているのではないか。
高市氏が87年から2年間、米留学した際、高市氏と会ったことのある霍見芳浩ニューヨーク大学名誉教授によると、高市氏は民主党のパトリシア・シュローダー議員の事務所で無給のインターンをしただけだ。
霍見氏は私のメールでの取材に17日、
「ワシントン在住の日本人ビジネス関係者と留学生の勉強会を主催していた時、高市さんと会った。その後、便りをもらい、返事もした。
彼女の仕事は、主に、シュローダー議員が選挙区へ出す通信の宛名書きと封筒張りとの記憶がある。
『コングレシヨナル?フェロー』とは、議会の各委員会の『有給インターン』のことだから、今も、高市さんは経歴詐称に問われても仕方がない」と述べた。
「彼女は国粋右翼の日本会議に参加し、『靖国神社に参拝する議員会』の幹事と公言しているとのことだが、バイデン大統領としては、これだけでも日本の首相失格だ。帝国日本軍隊の慰安婦を根拠もなしに否定する日本人は、ナチス独のホロコースト否定者と同じように見られている」
「総裁選に立候補の記者会見をユーチューブで拝聴したが、彼女が政策として羅列したのは、空疎なスローガンであり、とても、もし、今の日本のかじ取りを任せることになるのかと思えば、寒気がした」
私の娘は学生時代、共同通信で名簿作成などのアルバイトをしたが、彼女が就活で「共同通信勤務」と書いたとしたら、経歴詐称になる。高市氏は米議会から1セントも賃金を得ていないことを認めている。「米国連邦議会Congressional Fellow」というプロフィールは経歴詐称だ。
総裁選で候補4人を生出演させているテレビ局は、高市氏が総務相だった2016年2月8日の衆院予算委員会以降、「(放送番組の編集は)『政治的に公平であること』などと定めた放送法4条違反を理由に電波法76条を根拠にして電波の停止があり得る」と繰り返し発言して、放送界を脅したことを忘却している。
高市氏は放送局にとって死刑宣告に等しい「電波停止」(停波)の可能性を繰り返し発言し、いまだに撤回していない。
高市氏は、「1つの番組でも、選挙期間中に特定候補のみを取り上げて公平性に支障を及ぼす場合や、国論を二分する政治課題で一方の見解だけを取り上げて繰り返すなど、不偏不党の立場から明らかに逸脱している極端な場合は、政治的に公平を確保しているとは認められない」と述べた。
高市発言は、2014年10月の安倍首相のTBS番組での批判発言、自民党による選挙での公正を求めるテレビ各局への文書に始まる言論統制の延長線上にあった。
自民党は2015年4月には、NHKとテレビ朝日の幹部を事情聴取。
これに対し、放送倫理・番組向上機構(BPO)は、「放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのもの」と批判した。
◎ 4人は全員が衆議院議員で、任期は10月21日に切れる。
本来、10月21日までに総選挙が実施されなければならない。自民党は次の総選挙の「選挙の顔」を掛け替えるだけの総裁選びを連日大々的に報じている。
これは自民党による電波ジャックであり、「特定候補のみを取り上げ、国論を二分する政治課題で一方の見解だけを取り上げる」偏向報道ではないか。
候補者4人は全員、衆院選の出馬予定者だ。一政党の党首選びで、テレビと新聞が特定候補を連日宣伝するのは公選法違反でもある。
詳しくは9月25日付の人民新聞の記事を読んでほしい。
テレビ各局の「電波を停めろ」とまでは言わないが、BPOや各放送局の番組審議委員会などで、不偏不党、公平の原則から逸脱していないか調査し、警告を出すべきだ。
また、メディア労組団体も何か言うべきだろう。
◆ 自民党と電通・博報堂が共謀、メディアジャックして進む総裁選
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)
◎ 自民党と電通・博報堂が共謀してメディアジャックして進む総裁選で、世論調査の自民党支持が50%を超え、11月に行われる予定の衆院選で比例区は自民党に投票するという回答が10ポイントアップしている。
現職の閣僚を含む候補者4人が、国会ではなくテレビなどで「政策論争」するのは民主政治の冒涜だ。
◆ 「無声ジャーナリスト」として初めての講演
9月26日(日)午後、千葉県流山市の生涯学習センターで、安倍晋三前首相・菅義偉首相親子らを東京地検に告発してきた「税金私物化を許さない市民の会」は、総裁選報道を批判し、次期総選挙での市民と政権反対党の連携強化を求める緊急集会を開いた。
私が第一部で、総裁選とキシャクラブについて「講演」した。「無声ジャーナリスト」としては初めての講演だった。
この集会は、昨年4月に下咽頭がんの手術で声帯を失った私の事情を考慮して流山市で開かれた。たんぽぽ舎の仲間の日下部信雄さん(元流山市議、「原発止めよう!東葛の会」)が会場を手配してくれた。
音楽家のつんく♂さんが喉頭がん手術で声帯を摘出した後に行っているパソコンを使用した“筆談”の形での報告だった。
仲間の支援で、質疑応答を含め、何とか1時間の講演を行った。
1年半、在宅だった私にとってうれしい再スタートだった。
UPLAN(三輪祐児さん)が近く、集会の動画をネットにアップしてくれる。
講演の内容はフェイスブックに投稿した。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173
◆ 自民党総裁選候補者の1人・高市早苗氏の経歴詐称
◎ 9月29日に投開票される総裁選には、河野太郎(行政改革担当相)、岸田文雄(前政調会長)、高市早苗(前総務相)、野田聖子(幹事長代行)の4氏が出ているが、安倍晋三前首相が異常な執念で推す高市氏がテレビ番組や討論会で、中国を念頭に「強い電磁パルスで相手基地を無力化する」などと極右発言を繰り返している。その高市氏が岸田氏と2位争いをしているという。
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49503#idx-4
高市氏はテレビで、敵基地の無力化のための無人機の導入、長距離のミサイルの国産化を大学で進めるべきだと述べ、「首相就任後も靖国神社参拝を続ける」と宣言している。安倍前首相が靖国参拝を1回で止めたのは、米国が「失望した」と強く警告したためで、「高市首相」が参拝できるはずがない。
高市氏(奈良県2区)は93年の初当選時、米議会で「議会立法調査官」だったという経歴詐称の過去がある。
しかし、2016年に、米議会には立法調査官というポストがないことがバレ、公式HP(https://www.sanae.gr.jp/)の」プロフィールでは「米国連邦議会Congressional Fellow(金融・ビジネス)」だったと書き換えている。
高市氏が8日に出馬表明した際、各局は「米議会勤務」と伝えたが、その後、この経歴に触れていない。高市氏が米留学時代の話題を自ら封印しているのではないか。
高市氏が87年から2年間、米留学した際、高市氏と会ったことのある霍見芳浩ニューヨーク大学名誉教授によると、高市氏は民主党のパトリシア・シュローダー議員の事務所で無給のインターンをしただけだ。
霍見氏は私のメールでの取材に17日、
「ワシントン在住の日本人ビジネス関係者と留学生の勉強会を主催していた時、高市さんと会った。その後、便りをもらい、返事もした。
彼女の仕事は、主に、シュローダー議員が選挙区へ出す通信の宛名書きと封筒張りとの記憶がある。
『コングレシヨナル?フェロー』とは、議会の各委員会の『有給インターン』のことだから、今も、高市さんは経歴詐称に問われても仕方がない」と述べた。
「彼女は国粋右翼の日本会議に参加し、『靖国神社に参拝する議員会』の幹事と公言しているとのことだが、バイデン大統領としては、これだけでも日本の首相失格だ。帝国日本軍隊の慰安婦を根拠もなしに否定する日本人は、ナチス独のホロコースト否定者と同じように見られている」
「総裁選に立候補の記者会見をユーチューブで拝聴したが、彼女が政策として羅列したのは、空疎なスローガンであり、とても、もし、今の日本のかじ取りを任せることになるのかと思えば、寒気がした」
私の娘は学生時代、共同通信で名簿作成などのアルバイトをしたが、彼女が就活で「共同通信勤務」と書いたとしたら、経歴詐称になる。高市氏は米議会から1セントも賃金を得ていないことを認めている。「米国連邦議会Congressional Fellow」というプロフィールは経歴詐称だ。
総裁選で候補4人を生出演させているテレビ局は、高市氏が総務相だった2016年2月8日の衆院予算委員会以降、「(放送番組の編集は)『政治的に公平であること』などと定めた放送法4条違反を理由に電波法76条を根拠にして電波の停止があり得る」と繰り返し発言して、放送界を脅したことを忘却している。
高市氏は放送局にとって死刑宣告に等しい「電波停止」(停波)の可能性を繰り返し発言し、いまだに撤回していない。
高市氏は、「1つの番組でも、選挙期間中に特定候補のみを取り上げて公平性に支障を及ぼす場合や、国論を二分する政治課題で一方の見解だけを取り上げて繰り返すなど、不偏不党の立場から明らかに逸脱している極端な場合は、政治的に公平を確保しているとは認められない」と述べた。
高市発言は、2014年10月の安倍首相のTBS番組での批判発言、自民党による選挙での公正を求めるテレビ各局への文書に始まる言論統制の延長線上にあった。
自民党は2015年4月には、NHKとテレビ朝日の幹部を事情聴取。
これに対し、放送倫理・番組向上機構(BPO)は、「放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのもの」と批判した。
◎ 4人は全員が衆議院議員で、任期は10月21日に切れる。
本来、10月21日までに総選挙が実施されなければならない。自民党は次の総選挙の「選挙の顔」を掛け替えるだけの総裁選びを連日大々的に報じている。
これは自民党による電波ジャックであり、「特定候補のみを取り上げ、国論を二分する政治課題で一方の見解だけを取り上げる」偏向報道ではないか。
候補者4人は全員、衆院選の出馬予定者だ。一政党の党首選びで、テレビと新聞が特定候補を連日宣伝するのは公選法違反でもある。
詳しくは9月25日付の人民新聞の記事を読んでほしい。
テレビ各局の「電波を停めろ」とまでは言わないが、BPOや各放送局の番組審議委員会などで、不偏不党、公平の原則から逸脱していないか調査し、警告を出すべきだ。
また、メディア労組団体も何か言うべきだろう。
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