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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 「8・6ヒロシマ大行動」を報じないメディア

2023年08月14日 | 平和憲法

  たんぽぽ舎です。【TMM:No4838】2023年8月10日「メディア改革」連載第133回
 ☆ 広島政治利用の大軍拡岸田首相の式典参列に抗議

浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

 同志社大学教授時代、8・6は広島の平和記念式典、8・15は京都にある在日朝鮮人の住むウトロ地区で取材をした。日本が1895年から1945年までにアジア太平洋の国々を侵略・強制占領した歴史を振り返るためだった。

 8月4日から7日まで広島で取材した。取材記はフェイスブックで発信した。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100022241222173
 4日夜、広島弁護士会館で「人権と報道・連絡会」主催の学習会を開いた。
 「サミット反対デモ・逮捕報道の犯罪」がテーマ。
 5月18日のサミット反対デモで21日間も逮捕・勾留された広島大学生の太田蒼真さんが顕名で講演した。
 太田氏は鳥取市出身で、部落解放運動から学生自治会活動に入った。
 「勾留中は緘黙(かんもく)を貫いた。取り調べ警察官が『なんでここに来たんだよ』と愚痴をこぼし、検察官は『米国は核を持っているからな。核兵器廃絶を言わないよな』と言った」
 「6月8日の不起訴・釈放後、記者会見を開いた。中国新聞、地元テレビなど取材に来たが報道しなかった」。
 また、森田寛隆さん(広大学生自治会)が「中国新聞に見る新聞の戦争加担」と題して報告した。
 私も、新聞社がアジア太平洋戦争の侵略戦争責任を取っていないことを振り返り、岸田文雄軍国主義政権を批判しないキシャクラブメディアの犯罪性を話した。
http://blog.livedoor.jp/asano_kenichi/archives/32912403.html
 大阪の倉田俊哉さん(プロボス倉田)が動画を配信してくれた。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=101305539732062&id=100000777208716

 今年の「8・6」は、岸田文雄自公野合政権が米国の「拡大抑止戦略」に沿って昨年末、軍事費倍増、敵攻撃能力保有を決め、5月には先進7カ国首脳会議(G7サミット)で米欧の核兵器保有と核抑止力を正当化し、ウクライナ戦争継続、対中戦争準備を推し進めた後に開催された。
 5日、平岡敬・元広島市長(元中国新聞社長)にインタビューした。7年ぶりの取材。1927年生まれで95歳の平岡さんは電気式人工喉頭で話す私の質問に約1時間、丁寧に答えてくれた。

「サミットは西側の核抑止力を正当化した。ゼレンスキー大統領の参加で、完全に西側の戦争推進会議になった」
「戦争が始まると被害を受けるのは、いつでも被支配者の民衆。戦争を起こさせないことが広島の義務だ」

☆ 「静穏」叫ぶ日本会議・広島県警の妨害排しデモ

 6日は午前5時過ぎに起きて、原爆ドーム前の「8・6ヒロシマ大行動’23」を取材した。日本会議系の活動家たち約20人が占拠していたが、8・6ヒロシマ大行動実行委員会の学生・労働者が会場を確保。
 午前7時から「原爆ドーム前反戦反核集会」を開いた。
 「広島ビジョン粉砕!岸田首相の式典出席を許すな!」と訴えた。道路側を極右反動グループと重装備の機動隊、私服警官が包囲して中が見えない。「静粛な式典を守ろう」という輩(日本会議・靖国派)が大声をあげていた。テレビは岸田首相の式典反対の取材・デモも報じなかった

 松井一實市長は「防衛目的ための核抑止論は破綻している。為政者には核抑止論から脱却を促すことがますます重要」と明言した。
 平和への誓いを子ども代表2人が読み上げた後、岸田氏が挨拶。

 原爆ドーム前の実行委の集会でのコールが響き渡った。NHKの中継ではこの音を消している

「岸田は帰れ」
「ウクライナ戦争からロシア、NATO、米国は手を引け」
「今すぐ核兵器廃絶」。

 岸田氏へ拍手は、子ども代表への拍手の半分以下だった。
 式典後、市内のホテルで被爆者7団体代表と岸田氏の「被爆者代表から要望を聞く会」があった。
 最初に、金鎮湖・広島県朝鮮人被爆者協議会理事長が、朝鮮民主主義人民共和国に住む被爆者への支援を要求した。同席していた林芳正外相が答えたが、メディアは一字も報道していない。

☆ 市が「拡声器」質問票配布で言論抑圧世論操作

 広島市議会は昨年6月に平和記念式典を「市民等の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」と定める平和推進基本条例が施行。市は式典参列者に対してアンケート調査を実施した。
 設問は「式典中に拡声器の声が聞こえたか」「拡声器の音量を下げるよう団体に要請することは適切か」などに関する内容だった。アンケートは、2019年から実施されている。

 式典に出た玉木雄一郎(国民民主党代表)はSNSで、<式典の最中、今年もシュプレヒコールが聞こえてきた。核抑止論の限界を訴える広島市長の演説の時も、平和を願う子どもたちの演説の時さえも叫んでいた。「戦争反対」と聞こえたが、まるで「平和反対」運動のよう。もうやめませんか>と発信した。
 岸田氏の軍国主義化に抗議する民衆の声を「雑音」と玉木氏は言うが、岸田氏のヒロシマ政治利用に違和感を持つ民衆は多い。
 人類史上最初の原爆被災地で、核抑止力の強化を謳い、同時に「核なき世界」を目指すという岸田氏の話なんか聞きたくないと思うのが普通だろう

 


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