◆ 鬼泪山(きなだやま)署名のお願い
11月14日、この冬一番の寒さの中、鬼泪山現地見学会に参加した。10人が2台の車に分乗して、まず富津中央インターの脇、浅間神社。消滅した山の裾の部分がわずかにこんもりとした森として残り、立派な社殿がある。本殿の裏に「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿のかなり大きな石像がお堂の中に安置されている。巨大な権力や金が動いて、結果全く消滅してしまった「浅間山」神社に残る<三猿>の姿!!象徴的すぎてぞっとする思いがした。すぐ脇に「・・・工業、富士山事業所」とかの看板と、きれいに整備されたダンプトラックの列。旧浅間山の中心部に県営(?)のグラウンドがある。立派な観覧席の上から、すでにアクアライン建設のための特別許可で一部が削られた鬼泪山が見える。手前には山裾を通る館山自動車道まで広大な砂漠のような「浅間山跡」が広がっている。
鬼泪山の山を巻いて登る林道を走って、「マザー牧場」(鹿野山マザー牧場と言っているが、実は鬼泪山にあるそうだ)入口に至る。日曜日とあって、寒さにかかわらず、家族連れの車が駐車場に連なってやや華やいだ雰囲気があった。正門を背に小さな谷を挟んだ杉の植林の広がりが、今回問題の*「国有林」という。この伐採が許可されて、数十年後にか、山が消滅することになれば、「マザー牧場」は海を見遥かす、突風の吹きすさぶ遊園地となるのだろう。
マザー牧場から林道を少し下った杉林の中に「阿久留王」の八つ裂きにされた胴を埋めたと伝える「阿久留塚」がある。毎月13日午前9時半から祭事があり、地元の(?)製鉄関係者と神野寺住職が供養している、とのこと。神野寺(じんやじ)は4世紀に大和王権の侵略に抵抗して滅ぼされた先住・蝦夷の族長、阿久留王を祭神として、二百年後に聖徳太子によって創建された、と伝える寺である。荒唐無稽な伝説と思っていた(失礼しました!)阿久留王が、にわかに存在感を示して現れ、しかも、今また、山を滅ぼす権力・金力に立ちはだかろうとしているのだ!
帰途の林道、館山道の沿道に、大きく剥ぎ取られた山肌、山砂を洗浄し選別して積み出す施設、トラックの群れが散見された。富津付近の集落には、古い民家の庭先に不似合いなダンプの姿もあって、ダンプ1台で暮らす零細な業者の生活!ということも考えさせられた。
鬼泪山問題は来春の千葉県知事選ともからんで、きな臭く動いて行く様子です。当面、「県土石採取対策審議会」の開会阻止に向けて、署名を!! (S.S)
SAVE 鬼泪山(きなだやま)
◆ 鬼泪山国有林を山砂採取から守ろう
房総半島の山々は、けして高くそびえるものではないけれど、太古からの母なる地球の営みの結果として今ここに存在しています。その山々は、山砂採取のためにズタズタに切り刻まれ、無惨な姿を見せています。この40年間で、12億トンの山砂が採取され、東京湾の埋め立てや首都圏のビルの建設に使用されました。首都圏は千葉の山によって作られているのです。東京湾のそばにあった高さ204メートルの富津市浅間山は、2億立方メートルの山砂採取の結果、山の姿がすっかり消えて、今では213ヘクタールの砂漠のような跡地となってしまいました。
その富津市浅間山のとなりに鬼泪山(きなだやま)という山があります。「マザー牧場」がある山が、鬼泪山です。浅間山・鬼泪山・鹿野山と連なる山並みが、かつては鹿野山系として関東三霊山に数えられていました。また、一万年のサイクルで永続的な文明を築いてきた先住の蝦夷の長・阿久留王の最期の地として語り継がれてきました。鬼泪山の「鬼」とは、阿久留王のことにほかなりません。
この鬼泪山に広がる国有林が、今、危機にさらされています。山砂採取業者が、この国有林での山砂採取を県議会に申請し可決されました。これにより土石審(県土石採取対策審議会)が開かれ、そこで山砂採取の是非が問われることになりました。しかし、この土石審のメンバーの多くは、業者や業者が支持する県議らで構成されていて、開催されてしまったら100%山砂採取にゴーサインが出されてしまいます。土石審の開催を絶対に許してはいけません。
地球という惑星の大気が、ブラジルの熱帯雨林によって支えられているように、都心から僅か50キロの近さにある鬼泪山の森林が、首都圏に暮らす3000万の人々の健康や環境を支えてくれています。短期的な利益を追求することはもうやめて、子や孫、さらにその子どもや孫たちのためにも、一緒に鬼泪山の森林を守っていくことに力を貸してください。
「スギやヒノキであっても温室効果ガスを吸収する効果は高く、安易な伐採はすべきではない。」
「採取候補地の一角に伐採したら復元まで数百年かかる希少性の高い樹木が生息している可能性がある。」
千葉県知事..堂本暁子..様
鬼泪山国有林の山砂採取事業着手のための土石採取対策審議会の開催に関して、堂本知事の慎重なる判断を求める要望書
生物多様性戦略を推進するなど、日ごろより県民の視点に立った革新的な県政運営に敬意を表します。
さて、10月15日の県議会最終日、請願「富津市鬼泪山国有林104林班ほかの山砂採取事業の、早期着手に向けての土石採取対策審議会の早期開催を求めることについて」が自民・公明の賛成多数で可決されました。
新聞報道によりますと、知事は「国有林は国民の財産であり、審議会の多数決だけで決めるのではなく、広く県民の意見を聞いて判断したい」というご意見である一方、「県議会で採択された請願を無視できず、早ければ年内に土石採取対策審議会を開きたい」とのことです。しかし、これまでの審議会が、山砂採取事業に認可をおろすことを前提に開かれてきたことはご承知のとおりです。
鬼泪山国有林の山砂を採取することには次のような重大な問題点があります。
1.富津市民の生活用水の約36%をまかなっている地下水源に重大な影響をもたらす。
また、染川・湊川流域の灌漑用水にあたえる影響も看過できない。
2.山砂を洗う際に生ずる多量の泥土が海に流出し、富津市竹岡から大貫に至る沿岸の海底に堆積して、漁業に深刻な影響を及ぼす。
3.山を丸ごと削る土砂採取は山体浮上現象を引き起こし、周辺地域の地盤隆起、地下水位の低下など、修復不可能な被害が生じる。
4.現場はマザー牧場至近距離にあり、景観破壊による観光資源消失は、県及び地元自治体や住民に大きな経済的損失を与える。
5.生態系や生物の多様性が損なわれ、豊かな里山が受ける打撃は計り知れない。
6.土砂運搬用の車両が激増し、周辺住民の生活や交通安全に悪影響をもたらす。
堂本知事は2008年度アクションプランの施策20で「美しい千葉の森林(もり)づくり」を掲げ、「本県の森林は、今後増大する土砂採取等の開発に伴い環境や景観の悪化が見込まれる。緑の社会資本である千葉の森林を蘇らせ、次代に引き継ぐために、林業振興を柱とする施策を抜本的に見直し、森林の公益的機能の持続的な発揮を目指す施策へ転換を図る必要がある」と説かれています。今回の鬼泪山国有林の山砂採取は、堂本知事の目指す「美しい千葉の森林づくり」を真っ向から否定するものではないでしょうか。
以上、堂本知事におかれましては事前に現地視察をおこない、地元富津市の市民や自治体を始め、近隣住民、観光団体、自然保護団体等との意見交換のうえ、土石採取対策審議会の開催には慎重の上にも慎重なる態度を貫くことを強く要望いたします。
氏名 name
住所 address
安房・鬼泪山国有林を守る会 千葉県南房総市和田町和田447
TEL0470-47-5822..FAX0470-47-5823
Email kinadayama@tetrascroll.info
第一次署名締め切りは、12月23日のシンポジウムです。ご協力よろしくお願いします。
※Web署名の宛先は⇒ http://www.shomei.tv/project-519.html です。
11月14日、この冬一番の寒さの中、鬼泪山現地見学会に参加した。10人が2台の車に分乗して、まず富津中央インターの脇、浅間神社。消滅した山の裾の部分がわずかにこんもりとした森として残り、立派な社殿がある。本殿の裏に「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿のかなり大きな石像がお堂の中に安置されている。巨大な権力や金が動いて、結果全く消滅してしまった「浅間山」神社に残る<三猿>の姿!!象徴的すぎてぞっとする思いがした。すぐ脇に「・・・工業、富士山事業所」とかの看板と、きれいに整備されたダンプトラックの列。旧浅間山の中心部に県営(?)のグラウンドがある。立派な観覧席の上から、すでにアクアライン建設のための特別許可で一部が削られた鬼泪山が見える。手前には山裾を通る館山自動車道まで広大な砂漠のような「浅間山跡」が広がっている。
鬼泪山の山を巻いて登る林道を走って、「マザー牧場」(鹿野山マザー牧場と言っているが、実は鬼泪山にあるそうだ)入口に至る。日曜日とあって、寒さにかかわらず、家族連れの車が駐車場に連なってやや華やいだ雰囲気があった。正門を背に小さな谷を挟んだ杉の植林の広がりが、今回問題の*「国有林」という。この伐採が許可されて、数十年後にか、山が消滅することになれば、「マザー牧場」は海を見遥かす、突風の吹きすさぶ遊園地となるのだろう。
マザー牧場から林道を少し下った杉林の中に「阿久留王」の八つ裂きにされた胴を埋めたと伝える「阿久留塚」がある。毎月13日午前9時半から祭事があり、地元の(?)製鉄関係者と神野寺住職が供養している、とのこと。神野寺(じんやじ)は4世紀に大和王権の侵略に抵抗して滅ぼされた先住・蝦夷の族長、阿久留王を祭神として、二百年後に聖徳太子によって創建された、と伝える寺である。荒唐無稽な伝説と思っていた(失礼しました!)阿久留王が、にわかに存在感を示して現れ、しかも、今また、山を滅ぼす権力・金力に立ちはだかろうとしているのだ!
帰途の林道、館山道の沿道に、大きく剥ぎ取られた山肌、山砂を洗浄し選別して積み出す施設、トラックの群れが散見された。富津付近の集落には、古い民家の庭先に不似合いなダンプの姿もあって、ダンプ1台で暮らす零細な業者の生活!ということも考えさせられた。
鬼泪山問題は来春の千葉県知事選ともからんで、きな臭く動いて行く様子です。当面、「県土石採取対策審議会」の開会阻止に向けて、署名を!! (S.S)
SAVE 鬼泪山(きなだやま)
◆ 鬼泪山国有林を山砂採取から守ろう
房総半島の山々は、けして高くそびえるものではないけれど、太古からの母なる地球の営みの結果として今ここに存在しています。その山々は、山砂採取のためにズタズタに切り刻まれ、無惨な姿を見せています。この40年間で、12億トンの山砂が採取され、東京湾の埋め立てや首都圏のビルの建設に使用されました。首都圏は千葉の山によって作られているのです。東京湾のそばにあった高さ204メートルの富津市浅間山は、2億立方メートルの山砂採取の結果、山の姿がすっかり消えて、今では213ヘクタールの砂漠のような跡地となってしまいました。
その富津市浅間山のとなりに鬼泪山(きなだやま)という山があります。「マザー牧場」がある山が、鬼泪山です。浅間山・鬼泪山・鹿野山と連なる山並みが、かつては鹿野山系として関東三霊山に数えられていました。また、一万年のサイクルで永続的な文明を築いてきた先住の蝦夷の長・阿久留王の最期の地として語り継がれてきました。鬼泪山の「鬼」とは、阿久留王のことにほかなりません。
この鬼泪山に広がる国有林が、今、危機にさらされています。山砂採取業者が、この国有林での山砂採取を県議会に申請し可決されました。これにより土石審(県土石採取対策審議会)が開かれ、そこで山砂採取の是非が問われることになりました。しかし、この土石審のメンバーの多くは、業者や業者が支持する県議らで構成されていて、開催されてしまったら100%山砂採取にゴーサインが出されてしまいます。土石審の開催を絶対に許してはいけません。
地球という惑星の大気が、ブラジルの熱帯雨林によって支えられているように、都心から僅か50キロの近さにある鬼泪山の森林が、首都圏に暮らす3000万の人々の健康や環境を支えてくれています。短期的な利益を追求することはもうやめて、子や孫、さらにその子どもや孫たちのためにも、一緒に鬼泪山の森林を守っていくことに力を貸してください。
安房・鬼泪山国有林を守る会 代表・真魚長明
「スギやヒノキであっても温室効果ガスを吸収する効果は高く、安易な伐採はすべきではない。」
(山田利博・東大教授・林学)
「採取候補地の一角に伐採したら復元まで数百年かかる希少性の高い樹木が生息している可能性がある。」
(丸田恵美子・東邦大教授・植物学)
鬼泪山国有林を考えるシンポジウム開催決定!!
12月23日(祝)18時30分から 千葉県南総文化ホール・大会議室 参加無料
パネリスト/
藤原寿和(残土・産廃問題ネットワークちば代表 / 止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク事務局長)
山口マオ(イラストレーター) 平本紀久雄(千葉の海と漁業を考える会・代表)
飯田裕子(フォトグラファー) 真魚長明(アーティスト)
お問い合わせ / 安房・鬼泪山国有林を守る会 TEL 0470-47-5822 kinadayama@tetrascroll.info
千葉県知事..堂本暁子..様
鬼泪山国有林の山砂採取事業着手のための土石採取対策審議会の開催に関して、堂本知事の慎重なる判断を求める要望書
生物多様性戦略を推進するなど、日ごろより県民の視点に立った革新的な県政運営に敬意を表します。
さて、10月15日の県議会最終日、請願「富津市鬼泪山国有林104林班ほかの山砂採取事業の、早期着手に向けての土石採取対策審議会の早期開催を求めることについて」が自民・公明の賛成多数で可決されました。
新聞報道によりますと、知事は「国有林は国民の財産であり、審議会の多数決だけで決めるのではなく、広く県民の意見を聞いて判断したい」というご意見である一方、「県議会で採択された請願を無視できず、早ければ年内に土石採取対策審議会を開きたい」とのことです。しかし、これまでの審議会が、山砂採取事業に認可をおろすことを前提に開かれてきたことはご承知のとおりです。
鬼泪山国有林の山砂を採取することには次のような重大な問題点があります。
1.富津市民の生活用水の約36%をまかなっている地下水源に重大な影響をもたらす。
また、染川・湊川流域の灌漑用水にあたえる影響も看過できない。
2.山砂を洗う際に生ずる多量の泥土が海に流出し、富津市竹岡から大貫に至る沿岸の海底に堆積して、漁業に深刻な影響を及ぼす。
3.山を丸ごと削る土砂採取は山体浮上現象を引き起こし、周辺地域の地盤隆起、地下水位の低下など、修復不可能な被害が生じる。
4.現場はマザー牧場至近距離にあり、景観破壊による観光資源消失は、県及び地元自治体や住民に大きな経済的損失を与える。
5.生態系や生物の多様性が損なわれ、豊かな里山が受ける打撃は計り知れない。
6.土砂運搬用の車両が激増し、周辺住民の生活や交通安全に悪影響をもたらす。
堂本知事は2008年度アクションプランの施策20で「美しい千葉の森林(もり)づくり」を掲げ、「本県の森林は、今後増大する土砂採取等の開発に伴い環境や景観の悪化が見込まれる。緑の社会資本である千葉の森林を蘇らせ、次代に引き継ぐために、林業振興を柱とする施策を抜本的に見直し、森林の公益的機能の持続的な発揮を目指す施策へ転換を図る必要がある」と説かれています。今回の鬼泪山国有林の山砂採取は、堂本知事の目指す「美しい千葉の森林づくり」を真っ向から否定するものではないでしょうか。
以上、堂本知事におかれましては事前に現地視察をおこない、地元富津市の市民や自治体を始め、近隣住民、観光団体、自然保護団体等との意見交換のうえ、土石採取対策審議会の開催には慎重の上にも慎重なる態度を貫くことを強く要望いたします。
氏名 name
住所 address
安房・鬼泪山国有林を守る会 千葉県南房総市和田町和田447
TEL0470-47-5822..FAX0470-47-5823
Email kinadayama@tetrascroll.info
第一次署名締め切りは、12月23日のシンポジウムです。ご協力よろしくお願いします。
※Web署名の宛先は⇒ http://www.shomei.tv/project-519.html です。
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