豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

Unicorn & Virgin ユニコーンの女性問題 3

2017年10月07日 | 今日の美女
 凶暴で狩人たちにも手に負えないユニコーンだが、唯一の弱点は女性、それも純潔無垢の処女が大好きなことである。猟師たちはそんな乙女を囮に使い森の中に置いておく。ユニコーンは乙女に魅せられて彼女の膝に抱かれつい眠り込んでしまう。そこを隠れていた猟師が襲いかかってとらえてしまう、とギリシャ神話では語られている。
 これまでの絵はこうした二コーンと少女の姿を描いているとみることも出来ようが、この話には無理なところがある。純情可憐な乙女が自分に甘えている動物が眼前で猟師たちにひどい目にあう様に平気でいられるだろうか、当然いやがるはずだ。少女を囮にしてユニコーンを捉えたりする不自然さは昔の人も感じていたようで、今日の絵を眺めてみると、不確かなものもあるが彼女の手が猟師たちを止めている様がうかがえる。これはユニコーンにしてみると乙女は我が身を滅ぼす悪女ではなく、救い主ということになる。
 つまりユニコーンを抱いた少女の絵には二通りの少女がいることになるがキリスト教の広まりから見れば後者の少女とみるのが自然だろう。
 しかしながらギリシャ神話の絵ということもあろうから 二者を区別することは困難なのである。
 
    


  

◎ ユニコーンを抱いた女性の絵には以下のような絵がある。
 最初の絵には「Holy Virgin」とあって、もはや普通の乙女ではなく、当然救い主である。以下は光輪によってユニコーンを救う聖女であることが分る。しかも下段中央は聖母マリアと特定出来よう。また下段右は光輪は無いが棕櫚の葉を手にしていて、聖ユスティナとタイトルにある。ただこの女性とユニコーンとの係わりは私にはわからない。

    

                                                       Moretto da Brescia
    

◎ 女性問題ではないが、ユニコーンとノアの箱舟の話がある。
  ノアが箱舟に乗せようとすると傲慢なユニコーン夫婦は自分たちは自力で泳ぐと後ずさりして降りてしまう。
  左はその場面であろう。そして右はそれを漫画的に描いたものでこのエピソードを知らないと面白みが分らない。
  


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