豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

The allegory of the charity チャリティーのアレゴリー

2014年06月17日 | 今日の美女
 光、燃える焔は神を表すとともに「神は愛なり」というごとく、「愛・チャリティー」をも表すことになる。
 特に「誠実」の象徴たる心臓が燃えているのを手にしている場合はチャリティーの絵ということになる。

  Andrea di Niccolo               Simon Vouet                     Carlo Dolci
    

 すでに日本語化している「チャリティー」ではあるが、その場合「哀れな恵まれない人に対して施しをしたり救済の手を差し伸べる」という「慈善」という意味合いで幾分限定された内容となっている。しかし元の「Carity」は「相手の状況の如何を問わずあまねく愛を注ぐ」というもっと広い強い意味合いのようである。 
  Bartolomeo Schedoni              作者不詳                          Pierre Puvis de Chavannes
    

 下の三点はいずれも「Charity」というタイトルになっているがそれぞれ違いを持っているように思う。
 まず左の作品は「Roman Charity ローマの慈愛」とみて間違いなかろう。因みに「ローマの慈善」という日本語訳はこの絵の場合不適切なのではないか。なぜなら「慈善」という語は、娘が父を助けるという場合には使用しないと思うが如何。
 中央の作品は、その「ローマの慈愛」と擬人化された「チャリテイー」を一つの作品に纏めたものではなかろうか。
 右の作品は画面が小さくて判別しにくいかもしれないが、特に上半分の天上を注視すると、キリストを抱いたマリアの下の三女性は左から「信仰・慈愛・希望」の三美徳であることが判る。したがって一人の母親に託して描いた「チャリティー」ではなく、場面全体として罪人に慈悲を垂れる聖母マリアの「愛の姿」を描いているようである。
  Charles Le Brun                        ean-Jacques Lagrenee               Paolo Veronese  
    

 乳飲み子を抱いた母親の絵がみな「チャリティー」というタイトルとは限らない。
 一枚目二枚目は「授乳」する母親の姿を描いたもののようだが、一枚目はデータがないので何とも言えない・
 最後の絵はもう一人の子供が十字架を手にしているので、マリアとキリストと聖ヨハネを描いたものである。
 作者不詳                              Alex Alemany                     Guido Reni
     

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