・赤い人 吉村昭 (講談社文庫)
ル~ル~ルル~ルルル~ル~♪
ここ北海道にも凄まじい歴史があったわけで…、そんな歴史も知らずに北海道旅行を楽しんできた自分が悲しいわけで…、北海道の広大な大地の見方が変わったわけで…、そんなわけで自分にとって『赤い人』は素晴らしい作品だったのです。
表紙の絵も強烈だが、内容はもっと強烈―。
未開拓地―北海道で、赤い人―囚人たちは原野を切り開き道路を造り、開墾、採炭、開拓のために過酷な強制労働に課せられる。その残酷さは想像を絶する―北海道は多くの囚人たちの犠牲の上に開拓されたことを実感。また、囚人の命を賭けた脱走と看守の追跡のドラマは壮大。極限状態にあったのは囚人だけではなく看守も同じだったようである。
クライマックスの「集治監の囚人の労務なしに村の存在はなかったのだが、村人たちには、監獄そのものがいまわしい無用のものとなっていた」という文は、なにか切なさを感じる。
時の経過により不要なものは消える―、しかし、その存在意義まで消してはならない。自分の周りの幸せは、多くの犠牲の上にあるものかもしれない
ル~ル~ルル~ルルル~ル~♪
ここ北海道にも凄まじい歴史があったわけで…、そんな歴史も知らずに北海道旅行を楽しんできた自分が悲しいわけで…、北海道の広大な大地の見方が変わったわけで…、そんなわけで自分にとって『赤い人』は素晴らしい作品だったのです。
表紙の絵も強烈だが、内容はもっと強烈―。
未開拓地―北海道で、赤い人―囚人たちは原野を切り開き道路を造り、開墾、採炭、開拓のために過酷な強制労働に課せられる。その残酷さは想像を絶する―北海道は多くの囚人たちの犠牲の上に開拓されたことを実感。また、囚人の命を賭けた脱走と看守の追跡のドラマは壮大。極限状態にあったのは囚人だけではなく看守も同じだったようである。
クライマックスの「集治監の囚人の労務なしに村の存在はなかったのだが、村人たちには、監獄そのものがいまわしい無用のものとなっていた」という文は、なにか切なさを感じる。
時の経過により不要なものは消える―、しかし、その存在意義まで消してはならない。自分の周りの幸せは、多くの犠牲の上にあるものかもしれない