じいじのひとりごと

高齢者の悲哀と愚痴を綴っています
唯一の相棒、mシュナウザーのベルが残り人生を伴走してくれます

肝を冷やした

2009年04月13日 | 急性骨髄性白血病

突然、病棟看護師から電話が掛かってきた。

「奥様がトイレへ行く途中で転倒して、頭を打ったようです。すぐ来てください。

今のところ意識はしっかりしていますが。膨れてきているので冷やしています」

 

冷静に冷静に・・・と気持ちを落ちつかせ、なぜか干していた布団と洗濯物を取り入れ、娘にも知らせて、深呼吸して出かけた。

最悪のことが脳裏をかすめる。道路がいつもより渋滞しているように感じた。

 

一足先に着いていた娘に安堵の表情が見えた。

妻は頭部をアイスノンで冷やしながら眠っていた。

呼びかけると返事をする。朦朧とながら会話もでき少し安心した。

「倒れたときのことを覚えていないのよ」と言う。

後頭部に大きなタンコブが出来ている。脳内出血ではなかったようだ。

だが予断は出来ないとのこと。

 

 

準無菌室にはトイレが無い。水洗式のポータブルトイレを備えているが、妻は看護師さんに事後処理してもらうことに気を使って、いつも廊下を通り病棟のトイレまで行っていた。

 

やめるようにと何度も言ってきたが、今日もよろける足取りで歩いていたらしい。

運よく近くに看護師さんがいてくれたので良かった。

弱った足だけでなく、立ちくらみで意識も薄かったのかもしれない。

 

例によってスイカとメロンとプチトマトの夕食も摂れた。あ~よかった。

肝を冷やしたが、とりあえずホッとしたところ。

 

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スイカが主食

2009年04月09日 | 急性骨髄性白血病

病院食を全く口に出来なくなっていた妻は、

先月末に美味しい西瓜を口にしてからというもの、

飽きもせず、このところ朝昼夕の主食が西瓜とメロンになっている。

 

品種改良でどちらも糖度が高く、比較的安価でスーパーに豊富に出回るようになった。

メロンも小ぶりで甘いものが出回っている。

高級マスクメロンは、むしろ食べごろが難しいので(実は高価すぎて)敬遠する。

 

果肉だけカットしてパックされたものが食べやすくて良い。

一時は生野菜や果物もダメと言われ、カットされた果物などとんでもない、

と神経質になっていた時期もあった。

今となっては好きなもの、食べられるものなら何でも食べさせたい。

   

0904072_2 優しかった若い担当看護師さんが四月の移動で他部署に替わり、代わって今度は今までも性格的に合わなかった看護師さんが担当になった。

本来は従わなくてはいけないことだろうと思う。

だがこんな些細なことも今の時期にはストレスになっているようだ。

  

  

妻は「いいよ いいよ」と言うが、思い切って看護師長さんに相談したら、理解してくれた。

配慮してくれるらしい。

出来るだけ穏やかな心境と環境を作ってやりたい。

 

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ヒメコブシ

2009年04月07日 | 急性骨髄性白血病

妻の白血球数は10万を超えた。

10万を超えると血の色が白っぽくなってきて、皮膚が白くなる、

それが白血病の名前の由来といわれる。

  

感染予防のため、発病以来お化粧の類は一切出来ないが、

病院で隔日のシャワーと、土日には自宅での入浴を欠かしていない。

清潔保持のためもあるが、女のたしなみと思っているのだろう。

  

肩関節や手足の痛みは疼痛治療で何とか抑えられているが、

お腹の膨張による痛み苦痛が増してきた。

ガスや腹水と内臓器の腫脹によるものと思われる。

  

苦痛に耐えながらも携帯で話し メールの返答をし、

毎日のように来てくれるお見舞いの人たちに会える事を望み喜んでいる。

一時、少しでも苦痛を忘れ、気晴らしになるという。

平然としているようだが、実はかなり苦しくきつい状態なのです。

 

 

そんな妻から、今夜はさすがに苦しく眠れそうにないわ」と電話がかかってきた。

眠れなければ夜中でも何時でも電話してくるがいい、と言った。

明日は出来るだけ朝から病院へ行くようにしよう。

 

 

毎年びっしりと花をつけていたが、昨秋の剪定で蕾をなくした庭のヒメコブシ

ほんの2つ3つ、花を咲かせていた。

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桜に包まれて

2009年04月05日 | 急性骨髄性白血病

日曜日、午後からはすっきりと晴れ上がった。

まるで妻のために晴れてくれたようにさえ思えた。

  

風も無く陽ざしが温かい。

「写真を撮ってよ、 でもパジャマではねえ」

娘に着替えさせてもらって、妻は桜の花の中に包まれた。

  

「見納めかもしれないね・・・」

「そうだねえ、来週は葉桜だもの・・・」

  

存分に桜を満喫でき、妻はとても穏やかで幸せな面差しであった。

 

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今日の桜と煙突山-3

2009年04月02日 | 急性骨髄性白血病

今朝、ふと見ると煙突山の背後の銅山峰に薄っすらと雪がかかっていた。

赤石山系も霧氷に覆われている。

昨日の明け方 春雷があったが山は雪が降ったようだ。

  

寒さ続きで桜の満開はまた先延ばし、今年は本当に長い。

これで5~7分咲き

  

我が家のテラスは桜と煙突山のビューポイントとしてはこの上ない。(下)

年に一度のこの時期、妻も毎年心待ちにしてきたこの季節である・・

独り占めするのは惜しいので例年友人を呼んで、ここで花見をしていた。

今年は無理である。

  

  

妻の白血球(芽球様)はじわじわと上がり6万を超えた。

輸血にもかかわらず血小板は限界の2を切っている・・・

 

それでも妻は健気で、今日も何人か来てくれた友人と歓談していた。

「話しているうちに眠ってしまったらしくてね、私がうとうとしている間中、一時間も手を擦ってくれていたのよ。いろいろうわ言を言っていたらしいわ・・・」

夕食時に嬉しそうに話していた。

   

先日の西瓜が美味しかった、と聞いていたので、

また西瓜を買って行くと「贅沢ね、でも美味しい」といいながら喜んで食べた。

 

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春は名のみの

2009年03月26日 | 急性骨髄性白血病

風の寒さよ・・・陽ざしはあるものの西風が冷たい。

この2,3日の寒さ続きで一旦咲き始めた桜が、

一分咲きで踏み止まったままである(下)。  

  

  

爆発的に増えだした妻の白血球(芽球様)、幸いにも何故か一旦踏み止まって落ち着いている。

主治医も感染症が発症しないのが不思議なくらいだといわれているから、

予断は許されない状態に変わりはない。

気が抜けない日々が続く。

  

週末には外泊できるだろうか・・・、

この天候だと桜はまだ満開にならないだろう。

  

0903255 明日は私の3ヶ月検診で岡山通院、一日がかりとなる。

カソデックスを止めた後のPSAがちょっと気がかり・・・

こんなときに娘が居てくれるのが心強い。

  

やっとシュンランが咲いた(左)。

  

  

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桜開花

2009年03月22日 | 急性骨髄性白血病

0903221 日曜日、朝から花冷えの雨がそぼ降って、開花し始めた桜が足止めを食っています。

今朝は痛みがぶり返し、痛み止めのレスキューを立て続けに飲んで横になったままです。熱が無いのがせめて・・

  

  

  

昨日の土曜日は春本番の暖かさでした。

我が家の桜の開花宣言を出しましたよ。? (右写真) 

  

0903212_2 その土曜日の穏やかな午後、妻は痛みも和らぎ気分もよくて上着を羽織って庭に出ました。

今を盛りのクリスマスローズに囲まれて幸せ顔でありました。

  

隣の娘達の居宅にも足を運んで、しばらくソファに座って騒がしく遊ぶ孫達を楽しそうに眺めていました。

四六時中ベッドに横になっている身にとって久しぶりのことです。

  

かわるがわる孫達に腕や肩をさすってもらって痛みも薄らいだと嬉しそうでした。

  

ラブは当分家には入れてもらえません。

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桜ほころぶ

2009年03月20日 | 急性骨髄性白血病

待ちかねた桜がほころんだ。

明日には間違いなく開花するだろう。

 

満開の桜を見るまでは元気でいたいと 言っていた妻はよく頑張っている。

白血球(芽球)は増え続け、好中球、リンパ球や単球は測定値が空白になった。

「頑張れ」と言うのは酷だと思っていたが、今は「一緒に頑張ろう」と声をかけている。

 

毎日のように多くの方のお見舞い訪問を喜んで受け入れながら、

皆んなから、免疫力と元気を分けてもらっているのよ、と感謝している。

 

時おり微熱があるが、Dr.の許可で明日も帰宅外泊する予定。

  

福岡からまた息子がとんぼ返りで帰ってくれるらしい。

咲き始めの桜と煙突山を後ろに入れて写真を撮ろうと思っている。

 

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黄砂

2009年03月16日 | 急性骨髄性白血病

朝から強い西風とともに黄砂がひどい。

煙突山の背後の峰が霞んで見えなくなった。

昨日の写真と比べてみよう。(下)

 

 

朝8時半、「今日も無事目覚めたよ」妻からの携帯電話

でも食事はあまり摂れなかった、リンゴ一切れ

1人だけでは食欲も萎えてくるようだ

「また今からお昼まで眠るわ・・・」睡魔が襲うらしい。

  

昼食と夕食時は、娘か私が一緒なので、吐き気止めを飲んで、

ゆっくりと好きなものを少しだけでも食べさせらられる。

それでも胸がつかえて、食後に吐き気をもよおすことが多い。

 

 

疼痛緩和は割りとうまくいっている様子。

オキシコンチン 40mg/日、12時間おきに

痛みが出るたびにレスキューの「オキノーム散」5mgを3~6回/日

副作用でひどいのは催眠、そして吐き気と便秘がある。

吐き気止め(ナウゼリン)と下剤(ラキソベロンとカマグ)は必須

「ラキソベロン」28滴、この滴下は力の弱った病人には無理なので私の役目。

 

 

そのほかに食後に数種類(抗菌剤ブイフェンド、アビリット、スローケー、パリエット、クラビットなど)、食間にもいくつかの薬、それに夜には睡眠剤も服用している。

これだけ飲んでいればどんな健康な人でも、副作用で参るだろうと思われる。

 

 

殆ど毎日、誰か彼か、多いときは入れ替わり10人も来てくれる日もあった。

睡魔の中、お見舞いに訪れてくれる人たちには精一杯応対している。

ありがたいことよ、私は幸せ者だわ、と感謝を口癖にしている。

 

もしも私だったら・・・出来ないことだと思う。

というよりも、私には見舞い客も殆ど居ないだろうね・・・

 

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春めいてきた

2009年03月09日 | 急性骨髄性白血病

妻が急性転化期と言われ、海外から娘と孫達が急遽帰ってきてから1ヶ月近くが経った。

白血球数は信じ難いほどに増加し、足の浮腫みや腹水にもかかわらず、妻は頑張っている。

   

主治医から、

「週末だけでなくずっと自宅に帰って過ごしてもいいですよ」と言われた。

輸血の時や、急変があれば往診にも応じられますから、と

「もちろんこれは退院勧告ではなく、入院を続けられてもいいのですよ」

患者と家族の希望を尊重しての言葉である。

 

 

妻は暫く考えてから「やっぱり病院においてもらいたい・・・・・」

私にかかる負担や体調のこと を慮っての答えだと思われた。

私は「本当にどちらがいいか、正直に思い通りにすればいい」

・・・もう少し状況をみ 相談して返事をすることにした。

 

この週末も自宅で過ごし、安堵の表情を浮かべ眠っていた。

本当はずっと自宅で過ごしたいに違いないのだろうな。

 

 

09030714 3月に入り、すっかり春めいてきた。

rikuyuuも次第に寒さに慣れて、ラヴと共にこちらの生活を楽しんでいる。

09030711_3

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