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現在、日本では、震災の復興支援の義援金を募っている。
そして、多額の義援金が集まっているが、この震災以前にすでにあった多くの悲劇を忘れてはならない。
たとえば、サハラ以南のアフリカではエイズ孤児が千九百万人存在し、また、世界中で死んでいく子供達は一日三万人以上で、その一番の死亡原因は下痢性の脱水症状である。
彼らに一パック十円ぐらいの経口補水塩を与えれば、一日間、命をつなぐことができるという。
こうした実情をユニセフはかなりの広告費をかけて訴えてきたが、今回の震災のような共感は日本では得られなかった。
世界のことよりも国内のことが優先されるのは当然だが、義援金を惜しまない我々日本人が、死にゆく最貧国の子供達をこれまで見殺しにしてきたことも確かだ。
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現在、予備校や高校の授業で、今回の震災に関する感想を記すことをを生徒に求めているが、上記はその1つである。
日本人は我々の生命というもの自体が、最貧国の人々の犠牲に成り立っていることを忘れている、忘れたうえで、自分たちのQOL(生きがい)を追求し、国内の被災者にのみ同情を寄せている、そうした欺瞞を鋭く指摘した文章だと思う。
また、過去の悲惨な歴史に比べて、今回の震災とそれに伴う原発事故報道が少し騒ぎすぎだという意見も聞かれる。
たとえば、敗戦で満州や樺太から引き上げざるを得なかった人々の苦労は、今回の福島の被災者の苦労に匹敵する、あるいはそれを凌駕するかもしれないというのだ。
他にも、メディアに大して騒がれることなく、歴史の闇に葬り去られた無名の人々の悲劇も数多くあるだろう。
(かくいう小生にとっても、中学時代に炭鉱が閉山になり、同級生が次々に転校していくのを見送った、そうした悲しい記憶をもっている。)
いずれにせよ、震災-原発報道に関して、少し斜めから読む読み方も必要なようだ。
そんな読み方を教えてくれている1つとして、河野敏鑑「原発事故の悪影響は放射線だけか」(http://synodos.livedoor.biz/archives/1738986.html)が見つかった。
少し引用すれば、筆者はチェルノブイリ事故について
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チェルノブイリ・フォーラム(IAEAやWHO等から構成)が作成した報告書によると、皮肉なことに事故後に自ら村に戻った住民の方が、より放射能の影響を受けていない地域に移住した住民よりも心理的な状態が良かったという。
(ただし、肉体的な状態についてはこの報告書では触れられていないので、元の場所に戻る方が総合的にみて健康を損ねる可能性は否定されていない。)
その理由について報告書では触れられていないが、おそらくは知らない土地で過ごすストレスが健康に悪影響を与えたのではないだろうか。
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と述べている。
健康被害を防ぐための警戒区域の立ち入り規制という今回の政府の対策も、どこか一面的でステレオタイプな反応に過ぎないようにも思われてくる。
現在、日本では、震災の復興支援の義援金を募っている。
そして、多額の義援金が集まっているが、この震災以前にすでにあった多くの悲劇を忘れてはならない。
たとえば、サハラ以南のアフリカではエイズ孤児が千九百万人存在し、また、世界中で死んでいく子供達は一日三万人以上で、その一番の死亡原因は下痢性の脱水症状である。
彼らに一パック十円ぐらいの経口補水塩を与えれば、一日間、命をつなぐことができるという。
こうした実情をユニセフはかなりの広告費をかけて訴えてきたが、今回の震災のような共感は日本では得られなかった。
世界のことよりも国内のことが優先されるのは当然だが、義援金を惜しまない我々日本人が、死にゆく最貧国の子供達をこれまで見殺しにしてきたことも確かだ。
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現在、予備校や高校の授業で、今回の震災に関する感想を記すことをを生徒に求めているが、上記はその1つである。
日本人は我々の生命というもの自体が、最貧国の人々の犠牲に成り立っていることを忘れている、忘れたうえで、自分たちのQOL(生きがい)を追求し、国内の被災者にのみ同情を寄せている、そうした欺瞞を鋭く指摘した文章だと思う。
また、過去の悲惨な歴史に比べて、今回の震災とそれに伴う原発事故報道が少し騒ぎすぎだという意見も聞かれる。
たとえば、敗戦で満州や樺太から引き上げざるを得なかった人々の苦労は、今回の福島の被災者の苦労に匹敵する、あるいはそれを凌駕するかもしれないというのだ。
他にも、メディアに大して騒がれることなく、歴史の闇に葬り去られた無名の人々の悲劇も数多くあるだろう。
(かくいう小生にとっても、中学時代に炭鉱が閉山になり、同級生が次々に転校していくのを見送った、そうした悲しい記憶をもっている。)
いずれにせよ、震災-原発報道に関して、少し斜めから読む読み方も必要なようだ。
そんな読み方を教えてくれている1つとして、河野敏鑑「原発事故の悪影響は放射線だけか」(http://synodos.livedoor.biz/archives/1738986.html)が見つかった。
少し引用すれば、筆者はチェルノブイリ事故について
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チェルノブイリ・フォーラム(IAEAやWHO等から構成)が作成した報告書によると、皮肉なことに事故後に自ら村に戻った住民の方が、より放射能の影響を受けていない地域に移住した住民よりも心理的な状態が良かったという。
(ただし、肉体的な状態についてはこの報告書では触れられていないので、元の場所に戻る方が総合的にみて健康を損ねる可能性は否定されていない。)
その理由について報告書では触れられていないが、おそらくは知らない土地で過ごすストレスが健康に悪影響を与えたのではないだろうか。
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と述べている。
健康被害を防ぐための警戒区域の立ち入り規制という今回の政府の対策も、どこか一面的でステレオタイプな反応に過ぎないようにも思われてくる。