堅壮院メダカ庵

百姓生活やメダカ飼育についての日々の記録です。

年輪ー16 「PLO」

2007-03-30 | 自然と共生

○ 毎年、春になると「PLO通P1040781_1」という冊子が送られてきます。この本は、北海道大学水産学部浮游生物学研究室関係者の交歓のための連絡誌ですが、毎年一回発行され、今回は第57号です。PLOとはPlanktorogy(浮游生物学)、Limnology(陸水学)、Oceanography(海洋学)の頭文字をとったもので、パレスチナ解放機構とは関係はありません。私が学生時代に発行されたものは第12号でしたから、それ以来半世紀近い年輪を重ねて来たことになります。今回は、私が指導を受けた教授が考案されたプランクトン採集器具の図面集もいただきました。Img161

この「PLO通信」の内容は、研究室の一年間の活動日誌、元北海道帝国大学農学部Img167水産学科時代にこの研究室を卒業された大先輩から現在の学生まで、浮游生物学研究室に所属した約350名のPLO会員名簿、それらの方々からの近況を伝える寄稿文が収録されています。私も毎年拙文を出していますが、今年は「林住期」という題で寄稿しました。私の名簿順位は62番目ですが、物故の会員もおれらますので、かなり古い会員になりました。毎年発行される「PLO通信」のお陰で、この研究室の出身者は堅い絆で結ばれています。

○ 「浮游生物Oithona」というのは一般に「プランクトン」と言われている水棲生物で、魚介類の餌として知られていますが、原生生物植物から動物まで多様な生物が含まれますので、単に魚の餌だけでなく、生物の生態系地球環境維持等に様々な役割を果たしています。私も学生時代にこの研究室に所属していましたが、この時には、カムチャッカの沖まで大学の練習船でプランクトンを採集しに行き、「P1070361北太平洋の動物プランクトン」をテーマに卒業論文を書きました。私は現在、専業農家ですが、たくさんのPLO会員の方々は、内外で活躍しておられます。

○ 私がご指導頂いた当時の教授が、このPLOの発起人です。世界的なプランクトン学者でしたが、研究はもとより多くのプランクトンを採集する器具の考案もされ、生物学の研究室は海底からプランクトンを採集するネットを作る工房でもありました。さらに絵画もお上手で、たくさんの絵を残されています。また、授は学生のご指導にも熱心で、私のような成績の悪い学生でも、学生時代、卒業後を通じて  とても親切にしていただきました。

卒業に当たって就職を探しましたが、たまたま毎日新聞記者の試験に合格しました。70倍以上の難関を突破した訳ですが、教授は私に新聞記者になるのを考え直すように助言Img160され、当時の北海道新聞の論説主幹に会ってジャーナリストの実態を聞くようにとコンタクトをとって頂きました。その結果が今の私であることを思うと、PLOのメンバーであったことが、私の人生を決定したことになります。 

 (プランクトンの写真は、東大海洋研のホームページから借用しました。研究室のシンボルマークのデザインと一番下の絵は教授の描かれたものです。)


年輪ー15 「カタクリの花」

2007-03-28 | 自然と共生

○ 我が家の大P1090100きな行事の一つである庭の剪定は昨日で終わりました。今日の午前中、剪定された木の枝葉を片付けました。庭掃除ばかりしていると、何となく悟りの境地を覚えます。庭全体がサP1090120ッパリした感じになり、これで気持ち良くを迎えることが出来ます。

○ 今日は暖かくなりました。太陽も照っていますのでカタクリの花を見に行きました。私P1090131のベンツで舞鶴自P1090122動車道を丹波市氷上町にむかいましたが、車内は暑いのでエヤコンは冷房にして走りました。

○ カタクリ群生地は谷間の清住という地区の山の斜面にあります。桜のそめい吉野が咲く頃に花をひらくそうですが、気温が17℃以上日照があることが条件のようです。道路に設置されている電光温度P1090108計は17~19℃でしたが、山の中はそれほど温度が上がってないと見えて、カタクリの花はまばらに咲いてP1090133いる程度でした。近くの桜はまだ咲いていませんので、少し早すぎたようでした。カタクリは、早春の一時期だけ地上に顔を出し、夏は夏眠している植物で、今が旬のイカナゴに似ています。カタクリの花言葉は「初恋」だそうです。

○ この群生地の近くに達身寺というお寺が有ります。阿弥陀如来が本尊のお寺ですが、平安P1090114時代から鎌P1090136倉時代の木彫りの仏像がたくさん納められてることで有名です。かつてこれらの仏像を拝観したことがありますが、この地域には多くの仏師がおられ、格式の高いお寺であったと聞いたことがあります。お寺の本堂は茅葺きの素朴な建物ですが、境内に仏像を納める立派な宝物殿があり、丹波の正倉院とも言われています。門前に大きなクスノキが有りました。

○ 帰る途中にP1090125、同じ町内にある某宗教団体墓地に立ち寄りました。この墓地はその宗教団P1090139体の西日本地区の墓地公園で、聞くところによると10万基以上の墓石が有るとのことですが、同じ形の墓石が整然と並んでいました。随所に桜が植えられていますが、まだ花は開いておりませんでした。

       


年輪ー14 「古木」

2007-03-26 | 自然と共生
  • P1090082○ 一昨日の夜か昨日の朝にかけて、久し振りにが降りました。かP1090064なり乾燥していましたので、山の木々もこの雨を活力として元気に芽吹くことでしょう。農村に住む私にとっても恵みの雨です。孫の待つ土筆もかなり頭を出してきました。

○ 庭木の剪定は今日も続いています。造園屋さんが切り落とした枝や葉をかき集めて、ゴミ焼き場に運ぶのが私の仕事です。我が家には「老木」と言ってもよいような木が数本あります。樅の木は何回も紹介していますが、地上1㍍での周囲が4.2㍍あります。既にの部分は枯れて空洞P1090085なってP1090062おり、その中に人間が4・5人入れるほどの太さです。「年」が有りませんので樹齢は解りません。

○ 他にもう一本柿の木があります。この木もP1090084部分はなく、形成層の部分だけで生きています。私の集落では見かけない種類のですが、サッパリとした美味しい実を付けます。これらの木の代が気になりますが、誰に相談しても明確な解答をしてもらえません。家の建物が元禄時代のようですので、それと同等と推測しても良いと思っています。

○ 雨上がりの昨日の午前中P1090066_1、近くにある「山田錦の館」に立ち寄ました。私の家の周辺は酒米の元米としての「山田錦」の産地ですが、それを象徴する施設として設置されたものP1090074で、この施設の建設には私もかなりの協力をしました。日本酒のPRをすることが目的ですが、地域の野菜の販売、温泉の入浴施設などもありますので、足湯も大変繁盛しています。照葉樹林の食文化や地域農業の促進に繋がれば嬉しいことです。       


年輪ー13 「庭木剪定」

2007-03-24 | 自然と共生

P1090059 ○ 一昨日から造園業者の方に来て頂き、庭木の剪定をしてもらっています。毎年お願いしている業者ですが、たくさん庭木がありますので4・5日かP1090035かります。

P1090037我が家のには古い大きなの木がありますので、我が家の庭だけに使う専用の長いハシゴを準備して頂いているそうです。

○ 私は、我が家のを「里山」のような雰囲気にしたいと思っており、現に、の木がたくさんあり、フキミョウガも採れます。カラスもありますし、アライグマなどの鳥類もやって来るです。そのためにはジャングルのようにP1090047木々が繁茂していても良いのですが、はその家を管理する者の人格を表しますP1090042ので、余りにも淫らな状態にしておく訳にもいきません。

○ 昨日は剪定された枝を片づけながら、耕耘メダカの掃除をしました。また、ニンジンほうれん草の種を播き、少しずつですが白菜、サラダ菜、レタスの苗も植ました。ツクシ採りをP1090045したいと言っているので畦道を見にP1090043行きました。たくさん頭を出していますが まだ小さいようで、来週あたりには採れるようになるのではないかと思われました。

○ 昨日の午後は、造園屋さんの孫達メダカを見にきてくれました。子供達がメダカを見て遊んでくれるのはとても嬉しい ことです。

   


年輪ー12 「倉敷」

2007-03-22 | 自然と共生

○ 彼岸の中P1090006_1日を過ぎた今日は、暖かいとの天気予報でしたので、兼ねてから一度行ってみたいと思っていた倉敷に行きました。家を出て山陽自動車道で2時間足らずで到着しました。倉敷Img165_1いうと女性芸術に憧憬が深い人々が訪れる所とのイメージが強く、無粋な私にはコンセプトが違います。

○ 市営駐車P1090017_1場に車を入れ、取りあえず倉敷川の辺を歩いてみました。白壁の施設やクラシックな商店が川に向かって並んでおり、川沿いの柳も僅かに芽っを出していました。川を遡り大原美術館の前まで行きましたので入館しました。いままでに幾つかの絵画展覧会はみましたが、美しい風景画裸婦の絵は興味Img166_2が持てますが、抽象画になるとその価値は理解できません。

視力も弱いのP1090013_1で入り口で音声ガイドを借用しました。かなり離れたところから見ていても様になります。ルオー、モネ、ゴーギャン、ルノワール、ピサロ、コロー。マネ、ロートレック、ミレー、ホドラー、モディリアーニユトリロ、ピカソ等々の絵が並んでいます。聞き覚えのある画家の作品で、音声ガイドを聞いていると何となく一人前に観賞しているP1090014ような気になってきました。

グレコの「受胎告知」は、特別の一室に展示されており、部屋の中央に椅子も置いてありました。椅子に座って音声ガイドを繰り返し聞いているとこの絵の価値が何となく解るような気持ちになりました。昼を過ぎているのも忘れて3時間近くもこの美術館の中に居した。

○ 大原美術館を出て、手打ちうどんままかり寿司を食べました。他の美術館などもたくさんありましたが、世界的な名画を観たわけですから、P1090009_1私の素朴な脳裏にそのまま名画のイメージを残したままで帰ることにしました。街並みを更に散策して帰途につきました。P1090016_1

○ なるほど、倉敷雰囲気は一見の価値がありました。しかし、大原美術館に代表される文化施設は充実しているようですが、自然景観や産業から派生する食文化、さらにはP1090020_1地域全体で観光客を持てなす体制が完備することによって、情報発信力は一層強化されるのではないかと感じました。

(グレコの「受胎告知」とモネの「睡蓮」の絵は、美術館で購入した絵はがきを転写しました。)