○ 「祇園精舎の鐘の声、諸行無情の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す。奢れる者は久からず、ただ春の夜の夢の如し。猛き人々もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。」
○ 私は、10年以上前から、毎晩ベッドの中で一晩中ラジオをつけています。ベッドに入ってから朝までNHKラジオ第一放送を選局ていますが、それは11時過ぎから翌朝5時までの「ラジオ深夜便」という番組を聞くためです。夜中に目が覚めると、随時、聞いています。
○ この番組の内容は、曜日や時間帯によって大凡のジャンルが決まっていますが、ニュースはもちろんのこと海外や国内各地への電話インタビュー、文芸・芸能、音楽等々です。私がいつも目を覚ます午前4時台に放送される「こころの時代」は、それぞれの分野で道を究めた方々の話が放送されますので、私の人生観に多くの示唆を与えてくれます。10年ほど前に13回に亘って放送された花山勝友さんの「般若心経に学ぶ」という講話は、テープに採って何回も繰り返し聞き、今では私のバイブルになっています。
○ この番組の司会は、一人のアナウンサーがオールナイトで担当されますが、このアナウンサーを「アンカー」と呼んでいます。「アンカー」とうのは我々海の人間は「錨」のことを言いますが、一人のアナウンサーが一晩中固定されているために、このように呼ぶのかもしれません。それぞれのアンカーはNHKのベテランアナウンサーのようで、2週間に一回ずつ決まった曜日を担当されます。
○ この番組を聞いている人々は1000万人を超えているともいわれ、時々、各地で行われる「ラジを深夜便の集い」には各地から多くの視聴者が集まり、それぞれのアンカーのファンは遠くの府県からも参加されるようです。私も宇田川清江さんのファンで、公務員時代に休暇を取って彼女を「追っかけ」て行ったことがあります。もちろん少しお話もしました。
○ 昨年からは「ラジオ深夜便のうた」が毎晩放送されます。毎月一曲程度新しい曲が出されるようですが、2007年に出された8曲のCDがラジオ深夜便年鑑2007につているというので、市内の書店で探しましたが見当たらず、4月に旅行中の宮崎市でやっと見つけました。私が自ら購入した初めてのCDです。
○ この番組は私に多くの感動を与えてくれます。それぞれのアンカーの豊かなパーソナリティーにふれ、各地の情報を提供される方々の話にも奥深い内容に富んだ哲学を見つけることができます。メダカを飼育して哲学を求めていますが、私の生き方は深夜のうちに学習する部分も多いことは確かです。
○ 昨夜は参議院選挙 の開票速報のため、ラジオ深夜便はお休みでした。しかし、開票速報を聞いていると、日本の国民が何を考え、一票に自分の思いを込めたかが見えてきました。年金、憲法、防衛、政治資金等々の政治目標はあっても、国民の心を読む能力が欠如した為政者こそ、毎晩、ラジオ深夜便「心の時代」を聞いてほしいと思います。
(沙羅双樹の写真はインターネット植物図鑑から、ラジオ深夜便関係の写真はNHKのラジオ深夜便年鑑から借用しました。)