9月8日、今朝も校門の前に立って子どもたちを迎えました。以前は私の他にもう一人の専科教員が挨拶指導に立っていたのですが、校内での学級担任のフォローや授業準備に専念するよう伝え、6月頃から校門前は私一人になりました。しかし、そこに心強い応援が加わりました。夏休み直前のブログですでにお伝えしましたが、6年生の子どもたちが毎朝交代で校門前に立ち、挨拶運動を始めたのです。休み明けの今もその活動は継続しています。
今朝、地域の方が6年生の活動を見て、素晴らしいですね!と私に声をかけてくださいました。6年担任が挨拶を話題に子どもたちに投げかけたところ、子どもたちから、挨拶運動をやろうと声が上がり、交代で活動しているのですとお応えしました。素敵な6年生ですね〜とさらに褒めてくださいました。子どもたちを褒めていただき、朝から私はもうルンルン気分でした。
さて、今日はその6年生の学習を1時間見ました。6年1組の社会科の学習の様子をお伝えします。
「平安時代の新しい文化」についての学習でした。どのような文化がこの頃生まれたのかを調べることが今日のめあてでした。まず担任と一緒に子どもたちは教科書の2ページ分をゆっくり丁寧に音読しました。今日の学習の重要な資料でもあります。続いて、今度は一人一人が自分のペースで同じところを再度読みました。声に出して2回読みましたので、大体の内容はつかめたことでしょう。担任からの発問は「新しい文化が生まれたとありますが、具体的にはどんな文化でしょうか?」でした。まずは各自、教科書等を資料にして解決していきました。次に隣席の小グループでそれらを共有し、まとめ、グループ毎に全体へ発表するという流れでした。自力解決(個)からグループでの共有・協議(小集団)、比較・検討(全体学習)という授業の王道です。
社会科では社会的な見方・考え方が大切です。社会的な見方・考え方とは・・・ 例えば、分布、地域、範囲(位置や空間的な広がり)、起源、変化、継承(時期や時間の経過)、工夫、関わり、協力(事象や人々の相互関係)などの視点から調べていく、見ていくこと。それが社会的見方です。
考え方とは、違いや共通点の有無など、比較・分類したり総合したり、地域の人々や国民の生活と関連付けたりする方法で、考えたり選択・判断したりすることです。
さて、子どもたちからはたくさんの具体的な文化が発表されました。かな文字、七夕行事、大和絵など。これらは2度読んだ教科書の本文にも出ているので、すぐに分かったことでしょう。感心したのは、前の時間に学習した「貴族のくらし」を思い出し、そこから和歌や蹴鞠(けまり)等を答えるグループがあったことでした。
これらの多くは遣唐使(中国への留学生)を通して日本に伝わった中国文化を基に生まれたものであることを担任は子どもたちに確認していました。
この授業で私が何より驚いたのが最後の最後、まとめの段でした。担任がササッと書いてしまうのではなく、子どもたちに学習のまとめを考えてノートに書くよう時間をとりました。いったいどんなまとめになるのか、正直予想もつきませんでした。なぜなら、この時間のめあては「どんな文化があるか」で、その答えはもうすでにノートにしっかり書けているからです。
担任は一生懸命に子どもたちを回ってノートを確認していました。私もどんなふうに子どもたちがまとめているのか気になって見て回りました。なんと、、、遣唐使が廃止されたために日本らしい文化が生まれた。貴族らしい文化。貴族の生活から生まれた。この頃生まれた文化は今でも続いている。といった意味合いの文が書かれてありました。
先ほど、社会科では社会的な見方・考え方が大切であることを書きました。起源、変化、継承、工夫などの視点をなんと子どもたちはしっかり心得ていました。遣唐使廃止という変化が新しい文化を生むことになったこと。新しいとは言え、それらは中国文化を源にした工夫であること。文化は人々の生活から生まれ、さらに工夫され発展、継承されていくということ。さすが6年生です。
授業後に「いつも今日みたいにまとめは自分で考えて書いているの?」と子どもたちに尋ねたところ、少し前からそうなってきたと教えてくれました。担任にも話しかけてみましたが、子どもたちのまとめに感心していました。
【校長:菅原】