作品展の紹介も今日が最終回となりました。3年生の作品を楽しみにしていた方には大変お待たせしました。3年も力作ぞろいで、感心のしっぱなしでした。6点ほど紹介します。
3年生は理科で昆虫の学習をしてきました。夏休み前に教室でチョウも飼育していました。そうした学習が影響しているのかもしれませんが、虫や生き物をテーマにした作品がたくさんありました。その中から、まず3点ほど紹介します。
1つ目は「クワガタとカブトムシ」です。子どもたちにも、かつて子どもだった大人たちにも、クワガタやカブトは人気です。私も子どもの頃は友達とよく森へ捕まえに行きました。ミヤマやノコを取った時はうれしくて跳び上がりながら帰ったものでした。そう言えば、人生で一度だけオオクワを取ったことも思い出しました。
この作品を見ていて、もうたまらなく好きなんだろうなぁと思いました。クワガタやカブトのためなら、どんな苦労も苦にならない、そんな作品。この夏のすべてをかけたのではとも思いました。クワガタとカブト、それぞれ20種類くらいについて調べていました。また、イベント会場で一本の木にたくさんのカブトがしがみついている脇で、うれしそうにしている本人の写真もありました。
虫シリーズの2点目は、ダンゴムシについての研究です。ダンゴムシは大谷田小の校庭にもたくさんいますし、子どもたちと一緒につかまえたことが何度もありました。しかし、習性については分かっていませんでした。この子の研究によると、ダンゴムシは壁に当たると、右左右左へ交互に進む習性があるのだそうです。その習性をもとに、実験装置を使って見事にゴールへたどり着くダンゴムシが何匹いるか調べたようです。
虫シリーズ3点目は、自宅の敷地内にどんな虫がいるのかを調べてまとめたものです。虫にはそれぞれ棲家とするふさわしい環境があります。面白いと思ったのが、敷地内を特徴的なエリアに分けて、エリア毎に見つけた虫を整理しまとめたのです。
じつは私も先日、自宅玄関前で大きな幼虫が地面を歩いているのに出くわしました。この作品を見ていて、私が見た幼虫と同じでした。あれはセセリガの幼虫だったのですね。おかげでスッキリしました。気になっていましたので。それにしても私が住んでいる郊外や田舎なら分かりますが、自宅敷地内にショウリョウバッタがいるなんて、びっくりしました。広い公園や河川敷など自然がまだまだ豊かだとは思っていましたが。
テーマは変わって4点目です。これは家族みんなで力を合わせた実践研究です。タイトルは「二人オリンピック」です。
いったい何だろうと思ってノートを開けて読んでみると、ちょうど東京2020オリンピックが閉幕した頃から、親子でいくつかの種目についてチャレンジして記録を取り続けているのです。オリンピックがきっかけになったアイデア抜群の研究です。競技種目は、例えば「腕立て伏せ」「腹筋」とか。ページをめくっていくと、初日は圧倒的にお父さんにかなわなかった「腕立て伏せ」の記録も日を追う毎に、子どもの記録がよくなっていくのです。
お母さんもインタビュアーとして活躍しています。競技の記録だけでなく、毎日、インタビューコーナーもあり、そこに記録していくようになっています。じつに楽しい実践研究です。8月8日からスタートして、31日まで記録は続きます。
最終日のインタビューではノート1ページ分の回答をインタビュアーから求められていました。また、最後の最後には、共に競技を続けてきたライバルでもあるお父さんからライバルであった子どもへの温かいメッセージも添えられてありました。家族で楽しく取り組み、それが作品に、この夏の思い出になってしまう。我が子が小学生の時にこの作品に出合いたかったです。
5点目は「あつ森で学んだ魚の特徴」です。大型の本にまとめた作品なのですが、これが、驚きの本なのです。表紙が強烈なインパクト!水がタプタプしている表紙なのです。ジップロックで水が漏れないようにした袋状の表紙になっていました。驚きの工夫です。開いてみると、折りたたんだ巨大な魚が登場!魚について、あつ森で学んだことを書いていることは間違いないのですが、本そのものが仕掛け本のようになっていて、とにかく楽しく読める作品です。
3年生の最後は「地図記号の調査」です。社会科で子どもたちは地図記号を学習しました。その発展学習です。足立区の地図を調べ、どんな地図記号がどれくらいあるかを洗い出しています。そして、自転車に乗って、実際に現地まで行って、その物を確認してノートにまとめていったレポートでした。
上の写真は、記録の一部です。小学校や高校、病院、区役所、博物館、消防署など、たくさんの場所を訪ねています。珍しいところでは「えんとつ」。煙突と言えば工場かな〜と思いましたが、工場であれば工場の地図記号があります。実際に訪ねた先は清掃工場だったようです。たしかに今は区内で煙突と言えば、清掃工場が一番、有名かもしれません。また、もう1つ、「記念碑」というのも珍しい記号です。花畑の区画整理事業の記念碑を訪ねています。清掃工場の保木間、竹の塚といい、記念碑の花畑といい、かなり広範囲を調べていることにも、びっくりしました。
地図記号をきっかけにした調べ学習ですが、3年が社会科で学習する足立区の様子もすっかり勉強できてしまったのではないでしょうか。
作品展の紹介は以上です。2週間、たっぷりと見せていただきました。ここに紹介しきれなかったすべての作品に、子どもたちが夢中になって取り組む様子、時間をかけて粘り強く頑張る様子を想像し感動することばかりでした。
また、私も2人の子の親としてずっと前ですが、夏休みの作品作りに関わったことを鮮明に覚えていますので、作品を見ながら保護者の皆さんのことも想像しました。サポートの仕方、関わり方は、それぞれに違うと思いますが、皆さんにとって、かけがえのないお子さんとの夏の思い出になったのではないでしょうか。
最後になりますが、じつは私も毎年、夏の自由研究をしています。提出先も発表機会もありませんでしたが、子どもたちの作品にたくさん感動させてもらううちに、よし私も!と思いました。学校だより10月号で触れたいと思います。
【学校長:菅原】