21日、3年ぶりに6ブロックの7校による連合運動会(陸上競技の記録会)が開催されました。綾瀬小学校の校庭に500人を超える6年生が集まりました。子どもたちの気持ちと担任はじめ7校の全教員の気持ちは同じです。とにかく実施できて本当に良かった!その一言です。
大谷田小では先月下旬から約4週間、この日に向けて練習してきました。かつては朝練や放課後練などをびっしり組んで臨んでいましたが、今は様々な事情により体育の時間に集中して行うのみという学校がほとんどです。本校もそうでした。ただ体育の授業で行うとなると授業中ですから教員の手は担任だけとなってしまいます。2学級しかない本校にとっては5種目の練習を同時に平行して行うのは安全面で少々不安でした。そこで担任が練習日程を組む際、できるだけ6時間目になるよう調整にまわりました。5時間で下校する学年の担任や専科教員が練習に駆けつけることができるからでした。
実際、私も2回ほど何か手伝えるかと思い、校庭や体育館へ行ってみました。体育館に2人、校庭には担任を含めて5人の教員が指導にあたっていて、その中で子どもたちは力一杯練習に励んでいました。一方、天気は必ずしも当日のように味方はしてくれませんでした。雨天も多く、私の記憶では少なくとも2回は体育館での基礎練しかできない日がありました。また寒暖差も大きく体調を崩してしまう子もいました。このように道は決して平坦ではありませんでした。それでも、今年は連合という名のとおり7校が集まり記録会ができることを皆で喜び信じて、一人一人が自己記録更新を目指して取り組んできました。
綾瀬小へ向かって学校を出発する6年生はとてもリラックスしていました。「行って来ま〜す!」と校舎に向かって元気に声を上げ大きく手を振っていました。朝の集会で全校児童から激励を受けていましたので(姿は見えませんが)教室で学習中の下級生や先生方に決意と感謝の気持ちが自然と出たのだろうと思いました。
会場に着き他6校を目にするとさすがに緊張感が高まっていく様子がうかがえました。個人的にスポーツをしていて大会などの出場経験のある子を除けば、多くの子どもたちにとっては、入学以来、学校生活では決して経験することのない特別な雰囲気です。緊張や不安も無理ないことでしょう。他校の知り合いや役員として来ている大谷田小の先生を見つけると安心したように(自身を安心させようと)手を振っていました。
開会式では綾瀬小と東綾瀬小の児童が代表で思いを述べました。こうした場での大役で競技以上に緊張したと思いますが2人とも大変立派な挨拶でした。7校の子どもたちからも自然と大きな拍手が起きました。
さて競技ですが、まず3種目が同時にスタートしました。走り幅跳びは校庭隅にある砂場で、ハードル走は校庭トラックで、走り高跳びは体育館でした。応援席に待機する子どもたちからよく見えるのはトラックでのハードル走なので、各校とも仲間の応援を一生懸命にしていました。これも連合ならではの風景でした。
コバルトブルー(東綾瀬)、スカイブルー(東加平)、黄(長門)、ミントグリーン(綾瀬)、緑(東渕江)、深紅(北三谷)の中に、大谷田小の紺色&白ラインのユニフォームを探しながら私も見て回りました。
校庭隅の幅跳びエリアへ行ってみると予想以上の緊張感でした。踏切板まで助走していく20mの両側に同じ種目の子どもたちがずらり列になって待機しているのです。左右からたくさんの視線を浴びながら一人ずつ跳躍していきます。トラック種目と違いすぐ横ですから、これは相当な圧だろうと思いました。
体育館の高跳びの様子を見ました。当然ですが、選手と教員だけですから声援もなく静まり返り、校庭とは全く違う緊張感がありました。しかもこの種目はバーが残るか落ちるか、その場で明暗がはっきりしてしまう種目でもあります。子どもたちの集中の妨げにならないようにと、移動や立ち位置にも大変配慮しました。当初、この種目も校庭で行う案がありました。高跳びだけ別会場というのはどうだろうかと。仲間の技を見ることもできず、仲間からの声援を受けることもありませんので。しかし、最終的に、校長と役員が会場となる校庭で実際に採寸して場を作ってみて、安全を優先し体育館で行うこととなりました。
トラックではその後、100m走、女子800m走、男子1000m走と続きました。事前に各校が子どもたちのタイムを申告し走力の近い子たちでレースも組まれていましたので、どのレースでも競い合う様子が見られました。タイムレースであり勝ち負けではないのですが、共に走る相手がいるから必死です。結果として好記録にもつながったのではないかと思います。もちろん緊張のあまり力が入り過ぎてしまって普段の力が出せなかったという子もいたと思います。ひょっとするとその方が多いのかもしれません。しかし、そうしたことも大事な経験として今後に生かしていくことでしょう。プロ野球4球団で監督を務めた野村克也さんの名言に「失敗と書いて成長と読む」というのがありますが、子どもたちの今に失敗はありません。あるのは成長だけですから。
5つの個人種目が終わり、全員が応援席に戻ったところで唯一の団体戦、リレーが始まりました。トラックは6コースまでしかないため7校7チームが3チームと4チームに分かれてのレースとなりました。女子は長門小、綾瀬小、大谷田小の3チームで、男子は東加平小、綾瀬小、東渕江小、大谷田小の4チームで対戦しました。
コースアウト(失格)しないギリギリ内側を走り、バトンテイクもゾーンをギリギリまで生かして(ラインを出てしまったらやはり失格ですので)少しでも速度を落とさないように皆チャレンジしていました。さすが各校代表の6人ですから迫力ある試合でした。大谷田小の結果は男女とも3位入賞はできませんでしたが、バトンミスのないチームワークで最後まであきらめずに全力で走り抜きました。思わず胸が熱くなりました。
今回、6年生の安全対策のために役員以外の教員は会場に入ることができませんでした。各校の役員のみで運営されましたので、その分、会場校である綾瀬小学校の先生方には多大なご協力をいただきました。無事にこの会を終えることができたことを深く感謝いたします。
また、保護者の皆さんには綾瀬小周辺の歩道や歩道橋での参観も控えていただくよう事前にお願いしました。皆さんのご理解・ご協力により会場校近隣の方にご迷惑をかけずに、トラブルもなく会を運営することができました。感謝いたします。ありがとうございました。
【校長:菅原】