日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(950)∃x∀y(愛xy)⇒ ∀y∃x(愛xy)

2021-08-06 12:58:50 | 論理

(01)
ある人αは、個人である。
然るに、
(02)
ある人αは、すべての男性を愛し、尚且つ、
ある人αは、すべての女性を愛してゐる。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ある人αといふ人(個人)は、すべての人(すべての男性と女性)を愛す。
然るに、
(04)
① ある人αといふ人(個人)が、すべての人(すべての男性と女性)を愛す。
といふのであれば、
② すべての人(すべての男性と女性)は、ある人(α)によって、愛されてゐる。
然るに、
(05)
ある人βは、すべての男性だけを愛し、
ある人γは、すべての女性だけを愛す。
といふのであれば、この場合も、
② すべての人(すべての男性と女性)は、ある人(βかγ)によって愛されてゐる。
然るに、
(06)
ある人βは、すべての男性だけを愛し、
ある人γは、すべての女性だけを愛す。
といふのであれば、
βは、すべての人(すべての男女)を愛してゐる。といふわけではないし、
γも、すべての人(すべての男女)を愛してゐる。といふわけではない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② すべての人(すべての男性と女性)が、ある人によって愛されてゐる。
といふことが「真(本当)」であるからといって、
① ある、1人の人が、すべての人(すべての男性と女性)を愛してゐる。
とは、限らない。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① ある人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、ある人によって愛されてゐる。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(09)
{変域}を、{人間}とするならば、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「論理式」は、
① ある人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、ある人によって愛されてゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(11)
{変域}を、{a、b、c}とするならば、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式は、
①(Faa&Fab&Fac)∨(Fba&Fbb&Fbc)∨(Fca&Fcb&Fcc)
②(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
といふ「論理式」に、「展開」出来る。
然るに、
(12)
「&」の「意味(働き)」と、
「∨」の「意味(働き)」からすれば、
①(Faa&Fab&Fac)∨(Fba&Fbb&Fbc)∨(Fca&Fcb&Fcc)
②(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
に於いて、たしかに、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことは、「一目瞭然」である。
従って、
(01)~(12)により、
(13)
① ある人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、ある人によって愛されてゐる。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことを、「理解」してゐる「人間の脳」の中には、
①(Faa&Fab&Fac)∨(Fba&Fbb&Fbc)∨(Fca&Fcb&Fcc)
②(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
といふ「論理式」が、「格納」されてゐる。
といふことは、「本当」である?!?


(949)「量化子の順番」について。

2021-08-05 17:42:25 | 論理

(01)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
  m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
  a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
  x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
  F,G,H,・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
従って、
(01)により、
(02)
{変域}を、{人間}とするならば、
xは、「誰か(someone)」であって、
yも、「誰か(someone)」であって、
zも、「誰か(someone)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 愛xy=xはyを愛す。
② 愛yx=yはxを愛す。
誰か誰かを愛す。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
{変域}を、{人間}とするならば、
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
は、それぞれ、
① ある人は、ある人を愛す。
② ある人は、ある人によって愛される
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1  (1)∃x∃y(愛xy) A
 2 (2)  ∃y(愛ay) A
  3(3)     愛ab  A
  3(4)  ∃x(愛xb) 3EI
 2 (5)  ∃x(愛xb) 234EE
 2 (6)∃y∃x(愛xy) 5EI
1  (7)∃y∃x(愛xy) 126EE
(ⅱ)
1  (1)∃y∃x(愛xy) A
 2 (2)  ∃x(愛xb) A
  3(3)    (愛ab) A
  3(4)  ∃y(愛ay) 3EI
 2 (5)  ∃y(愛ay) 234EE
 2 (6)∃x∃y(愛xy) 5EI
1  (7)∃x∃y(愛xy) 126EE
従って、
(05)により、
(06)
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ある人は、ある人を愛す。
② ある人は、ある人によって愛される
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
「論理的」には、
① Somebody loves somebody.
② Somebody is loved by somebody.
に於いて、「(能動態・受動態の)区別」は、無い。
然るに、
(09)
(ⅲ)
1 (1)∃x∀y(愛xy) A
 2(2)  ∀y(愛ay) A
 2(3)     愛ab  2UE
  2(4)  ∃x(愛xb) 3EI
 2(5)∀y∃x(愛xy) 4UI
1 (6)∀y∃x(愛xy) 125EE
(ⅳ)
1 (1)∀y∃x(愛xy) A
1 (2)  ∃x(愛xb) 1UE
 )     愛a  A
 3(4)  ∀y(愛a) UI(は、反則なので、無効である。)
 3(5)∃x∀y(愛xy) 4EI
1 (6)∃x∀y(愛xy) 135EE
従って、
(09)により、
(10)
③ ∃x∀y(愛xy)
④ ∀y∃x(愛xy)
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない
従って、
(10)により、
(11)
③ ある人は、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人によって愛される。
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない
従って、
(06)(11)により、
(12)
① ∃x∃(愛xy)
② ∃∃x(愛xy)
に於いては、
①=② であるが、
③ ∃x∀(愛xy)
④ ∀∃x(愛xy)
に於いては、
③=④ ではない


(948)述語論理、固有名、任意の名前。

2021-08-02 12:57:31 | 論理

(01)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
  m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
  a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
  x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
  F,G,H,・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
然るに、
(02)
100 Fm,∀x(Fx→Gx)├ Gm
1 (1)   Fm     A
 2(2)∀x(Fx→Gx) A
 2(3)   Fm→Gm  2UE
12(4)      Gm  13MPP
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、134頁)
然るに、
(03)
たとえば、100の証明はまたつぎの連式の証明であると考えてよい。
    Fa,∀y(Fy→Gy)├ Ga
ここでは「m」は「a」によって、「x」は「y」によって置き換えられている。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、198頁)
従って、
(02)(03)により、
(04)
① F,∀x(Fx→Gx)├ G
② F,∀y(Fy→Gy)├ G
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
  ,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
  ,b,c,・・・・・
でいふ所の、「固有名詞」と、「任意の名前」の「区別」は、「曖昧で、分かりにくい。」
然るに、
(06)
練習問題
1 次の連式の妥当性を証明せよ。
(a)Fa ┤├ ∀x(x=a→Fx)
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、214頁)
然るに、
(07)
(ⅰ)
1  (1)  Fa          A
 2 (2) ~∀x(x=a→ Fx) A
 2 (3) ∃x~(x=a→ Fx) 2量化子の関係
  4(4)   ~(a=a→ Fa) A
  4(5)   ~(a≠a∨ Fa) 4含意の定義
  4(6)     a=a&~Fa  5ド・モルガンの法則
  4(7)         ~Fa  6&E
 2 (8)         ~Fa  247EE
12 (9)      Fa&~Fa  18&I
1  (ア) ~~∀x(x=a→Fx) 29RAA
1  (イ)   ∀x(x=a→Fx) 1DN
      (ウ)Fa→∀x(x=a→Fx) 1イCP
(ⅱ)
1(1)∀x(x=a→Fx)    A
1(2)   a=a→Fa     1UE
1(3)   a=a        =I
1(4)           Fa 23MPP
 (5)∀x(x=a→Fx)→Fa 14CP
従って、
(06)(07)により、
(08)
① Fa→∀x(x=a→Fx)
② ∀x(x=a→Fx)→Fa
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
①「任意のaが、Fである。」といふことは、
②「いかなるxであっても、xがaであるならば、xはFである。」といふことに、「等しい」。
然るに、
(10)
①「任意のaが、Fである。」といふことは、
②「いかなるxであっても、xがaであるならば、xはFである。」といふことに、「等しい」。
といふことであるならば、「曖昧で、分かりにくい。」といふことは、無い。