日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(127)「象は鼻が長い。」の「述語論理」の解説。

2018-12-27 12:27:32 | 「は」と「が」
(01)
1    (1) ∃x(兎x&象x)                      A
1    (〃) ある兎は象である。                      A
 2   (2)    兎a&象a                       A(代表的選言項)
 2   (3)    兎a                          2&E
 2   (4)       象a                       2&E
  5  (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  5  (〃) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
  5  (6)    兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  5UE
 25  (7)       ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  36MPP
 25  (8)   ∃y(耳ya&長y) 7&E
   9 (9)          耳ba&長b                A(代表的選言項)
   9 (ア)          耳ba                   9&E
   9 (イ)              長b                9&E
 25  (ウ)                  ∀z(耳za→~鼻za)  7&E
 25  (エ)                     耳ba→~鼻ba   ウUE
 259 (オ)                         ~鼻ba   アエMPP
    カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
    カ(〃) 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。               A
    カ(キ)    象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  カUE
 2  カ(ク)  ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  4キMPP
 2  カ(ケ)                  ∀z(~鼻za→~長z)  ク&E
 2  カ(コ)                     ~鼻ba→~長b   ケUE
 259カ(サ)                          ~長b   オコMPP
 259カ(シ)              長b&~長b            イサ&I
 259カ(ス)           ∃y(長y&~長y)           シEI
 25 カ(セ)           ∃y(長y&~長y)           89スEE
1 5 カ(ソ)           ∃y(長y&~長y)           12セEE
  5 カ(タ)~∃x(兎x&象x)                      1ソRAA
  5 カ(チ)∀x~(兎x&象x)                      タ量化子の関係
  5 カ(ツ)  ~(兎a&象a)                      チUE
  5 カ(テ)  ~兎a∨~象a                       ツ、ド・モルガンの法則
  5 カ(ト)  ~象a∨~兎a                       テ交換法則
  5 カ(ナ)   象a→~兎a                       ト含意の定義
  5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x)                      ナUI
(02)
{a、b、c}が「変域(domain)」であるとき、
① ∃xFx={Fa∨Fb∨Fc}={FaかFbかFc}
② ∀xFx={Fa&Fb&Fc}={FaでFbでFc}
然るに、
(03)
① ∃xFx={FaFbFc}であるならば、{Fa}だけで、「真(本当)」であり、
② ∀xFx={FaFbFc}であるならば、{Fa}だけで、「偽(ウソ)」である。
従って、
(03)により、
(04)
1 (1)∃xFx              A
 2(2)  Fa              A
1 (3)  Fa              122EE
1 (4)∀xFx              3UI
  (5)∃xFx ならば、∀xFx である。 15CP
といふ「推論」は、「妥当(valid)」ではない。
然るに、
(05)
1 (1)∃xFx              A
 2(2)  Fa              A
1 (3)  Fa              122EE
1 (4)∃xFx              3EI
  (5)∃xFx ならば、∃xFx である。 15CP
といふ「同義語反復」は、「妥当(valid)」である。
同様に、
(06)
1 (1)∃xFx              A
 2(2)  Fa              A
 2(3)∃xFx              2EI
1 (4)∃xFx              123EE
  (5)∃xFx ならば、∃xFx である。 15CP
といふ「同義語反復」も、「妥当(valid)」である。
然るに、
(07)
1 (1)∃xFx A
 2(2)  Fa A
1 (3)  F 123EE
1 (4)∀xFx 3UI
UIの適用は正しい。なぜなら、1は「」を含まないからである。しかし、EEの適用は正しくない。なぜならば、問題になる結論、
ここでは、Fは、「a」をふくんでいるからである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、147頁)
従って、
(02)~(07)により、
(08)
1 (1)∃xFx A
 2(2)  Fa A
1 (3)  Fa 123EE
までは、「妥当(valid)」であるが、
1 (4)∀xFx 3UI
が、加はった時点で、
1 (3)  Fa 123EE
は、「妥当(valid)」ではない。
といふ、ことになる。
従って、
(08)により、
(09)
 2(2)  Fa A
1 (3)  Fa 123EE
といふ「EE」自体は、「妥当(valid)」である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
 259カ(シ)              長b&~長b            イサ&I
 259カ(ス)           ∃y(長y&~長y)           シEI
 25 カ(セ)           ∃y(長y&~長y)           89スEE
1 5 カ(ソ)           ∃y(長y&~長y)           12セEE
といふ「4行」が、「妥当(valid)」である以上、
 259カ(シ)              長b&~長b            イサ&I
 25 カ(ス)              長b&~長b            89シEE
1 5 カ(セ)              長b&~長b            12スEE
といふ「3行」も、「妥当(valid)」である。
然るに、
(11)
いづれにせよ、
1 5 カ(ソ)           ∃y(長y&~長y)           12セEE
1 5 カ(〃)        あるyは、長くて長くない。           12セEE
といふことは、「矛盾」であり、
1 5 カ(セ)              長b&~長b            12スEE
1 5 カ(〃)       任意のbは、長くて長くない。           12スEE
といふことは、「矛盾」である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
1 5 カ(ソ)
といふ「3つの仮定」、すなはち、
1    (1) ∃x(兎x&象x)                      A
  5  (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
    カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「3つの仮定」、すなはち、
1    (1) ある兎は象である。                      A
  5  (5) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
    カ(カ) 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。               A
といふ「3つの仮定」の内の、「1つ」は、「否定」されなければ、ならない。
従って、
(12)により、
(13)
1    (1) ある兎は象である。                      A
  5  (5) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
といふ「2つの仮定」を、「否定しない」のであれば、「背理法(RAA)」により、
1    (1) ある兎は象である。
といふ「仮定」、すなはち、
1    (1) ∃x(兎x&象x)                      A
といふ「仮定」は、「否定」される。
従って、
(13)により、
(14)
1    (1) ∃x(兎x&象x)                      A
1    (1)あるxは、兎であって、象である。                A  
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」であり、                    1ソRAA
  5 カ(タ)~∃x(兎x&象x)                      1ソRAA
  5 カ(〃)あるxが、兎であって、象である。といふことはない。       1ソRAA
といふ「命題」が、「真(本当)」になる。
然るに、
(15)
  5 カ(タ)~∃x(兎x&象x)                      1ソRAA
  5 カ(〃)あるxが、兎であって、である。といふことはない。       1ソRAA
といふことは、
  5 カ(タ)~∃x(兎x&象x)                      1ソRAA
  5 カ(〃)あるxが、であって、兎である。といふことはない。       1ソRAA
といふことである。
然るに、
(16)
  5 カ(タ)~∃x(兎x&象x)                      1ソRAA
  5 カ(〃)あるxが、象であって、兎である。といふことはない。       1ソRAA
といふことは、
  5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x)                      ナUI
  5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。       ナUI
  5 カ(〃)象は兎ではない。                        ナUI
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
  5  (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  5  (〃)すべてのxについて{xが兎ならば、あるyはxの耳であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。 A
    カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
    カ (〃)すべてのxについて{xが象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。 A
といふ風に、「仮定」すると、
  5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x)                      ナUI
  5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。       ナUI
  5 カ(〃)象は兎ではない。                        ナUI
といふ「結論」を、得ることになる。
然るに、
(18)
   9 (イ)              長b                9&E

 259 (オ)                         ~鼻ba   アエMPP

 2  カ(ケ)                  ∀z(~鼻za→~長z)  ク&E
 2  カ(コ)                     ~鼻ba→~長b   ケUE
 259カ(サ)                          ~長b   オコMPP
 259カ(シ)              長b&~長b            イサ&I
であるため、
 2  カ(ケ)                  ∀z(~鼻za→~長z)  ク&E
 2  カ(コ)                     ~鼻ba→~長b   ケUE
を「削除」した場合は、
  5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x)                      ナUI
  5 カ(ニ)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。       ナUI
  5 カ(〃)象は兎ではない。                        ナUI
といふ「結論」を、得ることが、出来ない
然るに、
(19)
1    (1) ∃x(兎x&象x)                      A
1    (〃) ある兎は象である。                      A
 2   (2)    兎a&象a                       A(代表的選言項)
 2   (3)    兎a                          2&E
 2   (4)       象a                       2&E
  5  (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  5  (〃) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
  5  (6)    兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  5UE
 25  (7)        ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 36MPP
 25  (8)   ∃y(耳ya&長y) 7&E
   9 (9)          耳ba&長b                A(代表的選言項)
   9 (ア)          耳ba                   9&E
   9 (イ)              長b                9&E
 25  (ウ)                  ∀z(耳za→~鼻za)  7&E
 25  (エ)                     耳ba→~鼻ba   ウUE
 259 (オ)                         ~鼻ba   アエMPP
    カ(カ) ∀x{象x→           ∀z(~鼻zx→~長z)} A
    カ(〃) 象は    、鼻以外は長くない。               A
    カ(キ)    象a→           ∀z(~鼻za→~長z)  カUE
 2  カ(ク)                  ∀z(~鼻za→~長z)  4キMPP

 2  カ(コ)                     ~鼻ba→~長b   ケUE
 259カ(サ)                          ~長b   オコMPP
 259カ(シ)              長b&~長b            イサ&I
 259カ(ス)           ∃y(長y&~長y)           シEI
 25 カ(セ)           ∃y(長y&~長y)           89スEE
1 5 カ(ソ)           ∃y(長y&~長y)           12セEE
  5 カ(タ)~∃x(兎x&象x)                      1ソRAA
  5 カ(チ)∀x~(兎x&象x)                      タ量化子の関係
  5 カ(ツ)  ~(兎a&象a)                      チUE
  5 カ(テ)  ~兎a∨~象a                       ツ、ド・モルガンの法則
  5 カ(ト)  ~象a∨~兎a                       テ交換法則
  5 カ(ナ)   象a→~兎a                       ト含意の定義
  5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x)                      ナUI
従って、
(19)により、
(20)
    カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「 論理式 」から、    ∃y(鼻yx&長y)
といふ「命題関数」を「削除」したとしても、
  5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x)                      ナUI
  5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。       ナUI
  5 カ(〃)象は兎ではない。                        ナUI
といふ「結論」自体は、「変はらない」。
従って、
(01)~(20)により、
(21)
(Ⅰ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。然るに、
(Ⅱ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。故に、
(Ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論(三段論法)」と、
(Ⅰ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。然るに、
(Ⅱ)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。故に、
(Ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論(三段論法)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
従って、
(21)により、
(22)
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」と、
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は、鼻以外は長くない。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
然るに、
(23)
「日本語」で、
① 象は鼻長い。
といふのであれば、
① 象の「鼻以外」については、「何も述べてゐない」
従って、
(23)により、
(24)
① 象は鼻長い。
といふのであれば、
① 象の「鼻」だけでなく
① 象の「耳」、「長い」のかも知れない
然るに、
(25)
② 象は鼻長い。
といふのであれば、
② 象は「鼻以外」は長くない
といふことになる。
然るに、
(26)
② 象は「鼻以外」は長くない。
といふのであれば、
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない
といふ風に、受け取るのが、「普通」である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② 象は「鼻以外」は長くない
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない
といふ「意味」である。
従って、
(21)(22)(27)により、
(28)
② 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない
といふ「意味」であって、
② 象は「鼻以外」は長くない
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(22)(28)により、
(29)
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は鼻長い。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当(valid)」である。
と認めるのであれば、その一方で、
(Ⅱ)象は鼻が長い。
といふ「日本語」が、
(Ⅱ)象は、    鼻以外は長くない=∀x{象x→           ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅱ)象は、鼻は長く鼻以外は長くない=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「意味」ではないと、することは、出来ない


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