日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1320)「トートロジー」と「法的三段論法」。

2023-06-17 15:57:16 | 論理

(01)
① 同一律。すなはち、
① P→P。すなはち、
① Pであるならば、Pである。
といふ「命題」は、「同語反復(トートロジー)」であって、「恒真命題(トートロジー)」である。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1  (1)  P→ P   A
 2 (2)  P&~P   A
 2 (3)  P      2&E
12 (4)     P   13MPP
 2 (5)    ~P   2&E
12 (6)  P&~P   45&I
1  (7)~(P&~P)  26RAA
(ⅱ)
1  (1)~(P&~P)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~P   A
 23(4)  P&~P   23&I
123(5)~(P&~P)&
       (P&~P)  14&I
12 (6)   ~~P   35RAA
12 (7)     P   6DN
1  (8)  P→ P   2CP
(03)
(ⅱ)
1   (1) ~(P&~P)  A
 2  (2) ~(P∨~P)  A
  3 (3)     ~P   A
  3 (4)   P∨~P   3∨I
 23 (5) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  14&I
 2  (6)    ~~P   35RAA
 2  (7)      P   6DN
   8(8)   P      A
   8(9)   P∨~P   8∨I
 2 8(ア) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  28&I
 2  (イ)  ~P      8アRAA
 2  (ウ)   P&~P   7イ&I
12  (エ) ~(P&~P)&
         (P&~P)  1ウ&I
1   (オ)~~(P∨~P)  2エRAA
    (カ)   P∨~P   オDN
(ⅲ)
1   (1)  P∨~P  A
 2  (2)  P&~P  A
  3 (3)  P     A
 2  (4)    ~P  2&E
 23 (5)  P&~P  34&I
  3 (6)~(P&~P) 25RAA
   7(7)    ~P  A
 2  (8)  P     2&E
 2 7(9)  P&~P  78&I
   7(ア)~(P&~P) 29RAA
1   (イ)~(P&~P) 1367ア∨E
従って、
(02)(03)により、
(04)
①   P→ P
② ~(P&~P)
③   P∨~P
に於いて、すなはち、
① Pであるならば、Pである。
②(Pであって、Pでない)といふことはない。
③ Pであるか、または、Pでない。
①=②=③ である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
①   P→ P
② ~(P&~P)
③   P∨~P
に於いて、3つとも、
①「トートロジー同語反復・恒真命題)」。
②「トートロジー同語反復・恒真命題)」。
③「トートロジー同語反復・恒真命題)」。
である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
(ⅱ)
1(1)  P&~P  A
 (2)~(P&~P) 11RAA
(ⅲ)
1 (1) ~(P∨~P)  A
 2(2)   P      A
 2(3)   P∨~P   2∨I
12(4) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  13&I
1 (5)  ~P      24RAA
1 (6)   P∨~P   5∨I
1 (7) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  12&I
  (8)~~(P∨~P)  17RAA
  (9)   P∨~P   8DN
従って、
(07)
①├   P→ P
②├ ~(P&~P)
③├   P∨~P
といふ「証明可能な連式」、すなはち、
①├ 同一律
②├ 矛盾
③├ 排中律
に於いて、これらは、3つとも、
① 仮定(assumptions)の数がである所の、証明可能(provable)な連式(sequent)の結論(conclusion)。
② 仮定(assumptions)の数がである所の、証明可能(provable)な連式(sequent)の結論(conclusion)。
③ 仮定(assumptions)の数がである所の、証明可能(provable)な連式(sequent)の結論(conclusion)。
である。
従って、
(07)により、
(08)
トートロジー同語反復・恒真命題)」とは、
「仮定の数がである所の、証明可能な連式の結論」である。
従って、
(08)により、
(09)
「仮定の数がである所の、証明可能な連式の結論」は、
トートロジー同語反復・恒真命題)」ではない。
然るに、
(10)
(ⅳ)
1 (1)P→Q A
 2(2)P   A
12(3)  Q 12MPP
従って、
(10)により、
(11)
④ P→Q,P├ Q
に於いて、
④ Q は、
④「仮定の数がである所の、証明可能な連式の結論」であって、
④「仮定の数がである所の、証明可能な連式の結論」ではない。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
①├   P→ P
②├ ~(P&~P)
③├   P∨~P
④ P→Q,P├ Q
といふ「証明可能な連式」、すなはち、
① 同一律
矛盾
③ 排中律
モーダスポネンス
に於いて、
だけが、「トートロジー同語反復・恒真命題)」ではない
然るに、
(13)
(ⅴ)
1 (1) P→Q              A
 2(2) P                A
12(3)   Q              12
1 (4) P→Q              23CP
  (5)(P→Q)→(P→Q)       14CP
  (〃)(PならばQ)ならば(PならばQ) 14CP
従って、
(13)により、
(14)
④   P→Q,P├ Q
⑤├(P→Q)→(P→Q)
に於いて、
④ ならば、⑤ である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
①├   P→ P
②├ ~(P&~P)
③├   P∨~P
④ P→Q,P├ Q
⑤├(P→Q)→(P→Q)
といふ「証明可能な連式」、すなはち、
① 同一律
矛盾
③ 排中律
モーダスポネンス
⑤ 同一律
に於いて、
だけが、「トートロジー同語反復・恒真命題)」ではないにしても、
④ ならば、
⑤「同一律(同語反復)」である。
然るに、
(16)
(ⅰ)窃かに君の車に駕する者は罪として刖せらる。
(ⅱ)窃かに君の車に駕す。故に、
(ⅲ)罪として刖せらる。
といふやうな「推論」を、「法的三段論法」とする。
然るに、
(17)
P=窃かに君の車に駕す。
Q=罪として刖せらる。
とするならば、
(ⅰ)窃かに君の車に駕する者は罪として刖せらる。
(ⅱ)窃かに君の車に駕す。故に、
(ⅲ)罪として刖せらる。
といふやうな「推論」は、
(ⅰ)P→Q
(ⅱ)P├
(ⅲ)Q
に、他ならない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
(ⅰ)窃かに君の車に駕する者は罪として刖せらる。
(ⅱ)窃かに君の車に駕す。故に、
(ⅲ)罪として刖せらる。
といふ「法的三段論法」は、
④ P→Q,P├ Q
であるところの、
モーダスポネンス(modus ponens)
である。
従って、
(15)(18)により、
(19)
「法律家」が所謂、「法的三段論法」といふのは、 「論理学者」が所謂、「モーダスポネンス」に他ならない。
従って、
(19)により、
(20)
法的三段論法」に従って、「判決」が下される以上、
「法律家」は、「論理学」を、無視しては、ならない。
然るに、
(21)
(ⅰ)
1     (1)   P&~P       A
      (2) ~(P&~P)      11RAA
      (3) ~(P&~P)∨ Q   2∨I
 4    (4)  (P&~P)&~Q   A
  5   (5) ~(P&~P)      A
 4    (6)  (P&~P)      4&E
 45   (7) ~(P&~P)&
           (P&~P)      56&I
  5   (8)~{(P&~P)&~Q}  47RAA
    9  (9)          Q   A
 4    (ア)         ~Q   4&E
 4 9  (イ)       Q&~Q   9ア&I
   9  (ウ)~{(P&~P)&~Q}  4イRAA
      (オ)~{(P&~P)&~Q}  3589ウ
    カ (カ)  (P&~P)      A
     キ(キ)         ~Q   A
    カキ(ク)  (P&~P)&~Q   カキ&I
    カキ(ケ)~{(P&~P)&~Q}&
           (P&~P)&~Q   オク&I
    カ (ケ)        ~~Q   キケRAA
    カ (コ)          Q   ケDN
      (サ)  (P&~P)→ Q   カコCP
(ⅱ)
1     (1)   P&~P       A
      (2) ~(P&~P)      11RAA
      (3) ~(P&~P)∨~Q   2∨I
 4    (4)  (P&~P)& Q   A
  5   (5) ~(P&~P)      A
 4    (6)  (P&~P)      4&E
 45   (7) ~(P&~P)&
           (P&~P)      56&I
  5   (8)~{(P&~P)& Q}  47RAA
    9  (9)         ~Q   A
 4    (ア)          Q   4&E
 4 9  (イ)       ~Q&Q   9ア&I
   9  (ウ)~{(P&~P)& Q}  4イRAA
      (オ)~{(P&~P)& Q}  3589ウ
    カ (カ)  (P&~P)      A
     キ(キ)          Q   A
    カキ(ク)  (P&~P)& Q   カキ&I
    カキ(ケ)~{(P&~P)& Q}&
           (P&~P)& Q   オク&I
    カ (ケ)         ~Q   キケRAA
    カ (コ)         ~Q   ケDN
      (サ)  (P&~P)→~Q   カコCP
従って、
(08)(21)により、
(22)
①├(P&~P)→ Q
②├(P&~P)→~Q
に於いて、
① は「トートロジー恒真式)」であって、同時に、
② も「トートロジー恒真式)」である。
従って、
(22)により、
(23)
①(矛盾)が「真」であるならば、Qは「」であって、
②(矛盾)が「真」であるならば、Qは「」である。
然るに、
(24)
であって、である」といふことは、「有り得ない」。
従って、
(19)(23)(24)により、
(24)
「同じ法的問題に人によって異なる答えが出されること」があるとすれば、
「どちらか一方」が、
①├(矛盾)→ Q
②├(矛盾)→~Q
といふ「トートロジー」を「主張」してゐる。
従って、
(24)により、
(25)
「同じ法的問題に人によって異なる答えが出されること」があるとすれば、
少なくとも、どちらか一方の主張」が、「矛盾」してゐる。
従って、
(01)~(25)により、
(26)
「論理的」には、
法的判断の正しさと真理の整合説、そして問答
早瀬 勝明 (甲南大学)
法的な問題に正しい答えはあるか。法的三段論法は機械的形式的に唯一の結論を導くわけ
ではなく、同じ法的問題に人によって異なる答えが出されることは、よく知られた事実で
ある。複数の答えが提出されたとき、いずれかが正しいのか。それとも、複数の答えが出
てくる法的問題に正しい答えなどなく、どれが正しいのかと問うこと自体が間違いなのか。
といふ「問ひかけ」は、「成立」しない。
(27)
「複数の矛盾した答え」が「導出」されるとすれば、「論理的」には、
少なくとも、どちらか一方の主張」が「矛盾」してゐる。
といふことは、「疑ふ余地が無い」。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿