日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1280)「象は鼻が長い」の「述語論理」の「説明」(其のX)。

2023-04-13 16:46:16 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
1      (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2     (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}         A
  3    (3) ∃x(象x&兎x)                      A
1      (4)    象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2     (5)    兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z)          2UE
   6   (6)    象a&兎a                       A
   6   (7)    象a                          6&E
   6   (8)       兎a                       6&E
1  6   (9)                  ∀z(~鼻za→~長z)  47MPP
1  6   (ア)                     ~鼻ba→~長b   9UI
 2 6   (イ)       ∃z(耳za&~鼻za&長z)          58MPP
    ウ  (ウ)          耳ba&~鼻ba&長b           A
    ウ  (エ)              ~鼻ba              ウ&E
    ウ  (オ)                   長b           ウ&E
1  6ウ  (カ)                          ~長b   アエMPP
1  6ウ  (キ)                   長b&~長b       オカ&I
12 6   (ク)                   長b&~長b       イウキEE
123    (ケ)                   長b&~長b       36クEE
12     (コ)~∃x(象x&兎x)                      3ケRAA
12     (サ)∀x~(象x&兎x)                      コ量化子の関係
12     (シ)  ~(象a&兎a)                      サUE
     ス (ス)    象a                          A
      セ(セ)       兎a                       A
     スセ(ソ)    象a&兎a                       スセ&I
12   スセ(タ)  ~(象a&兎a)&(象a&兎a)              シソ&I
12   ス (チ)      ~兎a                       セタRAA
12     (ツ)   象a→~兎a                       スチCP
12     (テ)∀x(象x→~兎x)                      ツUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、鼻ではなく、長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(05)
① 象は鼻長く、
② 兎は耳長く、
③ 馬は顔長い。
従って、
(05)により、
(06)
(象、兎、馬}であれば、
① 象が鼻が長く(、象以外の鼻は長くない)。
② 兎が耳が長く(、兎以外の鼻は長くない)。
③ 馬が顔が長く(、馬以外の顔は長くない)。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ABである。
② AはBであり、A以外はBでない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② A以外はBでない
はAである。
に於いて、
②=③ は「対偶(contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① ABである。
② AはBであり、A以外はBでない
③ AはBであり、はAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
と言はずに、敢へて、
① ABである。
と言ふのであれば、
はAである。
といふ、ことになる。
従って、
(10)により、
(11)
③ 私は大野です。
と言はずに、敢へて、
① 私大野です。
と言ふのであれば、
大野は私です。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)
(3) 未知既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
 私大野です。
これは、「大野さんどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は
 大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 私大野です(私以外は大野ではない)。
大野は私です(私以外は大野ではない)。
といふことと、「既知未知」とは、「関係」が無い



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