日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1245)「兎は耳が長い」の「述語論理(Ⅰ・Ⅱ)」。

2022-11-06 16:58:02 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(Ⅰ)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
1  6  (キ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
 2 6  (ク)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
1  6  (ケ)                    ~鼻ba→~長b   キUE
 2 6  (コ)                    耳ba→~鼻ba   クUE
 2 6 オ(サ)                        ~鼻ba   カコMPP
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
然るに、
(02)
(Ⅱ)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  A
 2  (2)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}          A
1   (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   1UE
 2  (4)   兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z)           2UE
  5 (5)   兎a                           A
 25 (6)      ∃z(耳za&~鼻za&長z)           45MPP
   7(7)         耳ba&~鼻ba&長b            A
   7(8)             ~鼻ba&長b            7&E
   7(9)           ~(鼻ba∨~長b)           8ド・モルガンの法則
   7(ア)          ~(~鼻ba→~長b)           9含意の定義
   7(イ)        ∃z~(~鼻za→~長z)           アEI
 25 (ウ)        ∃z~(~鼻za→~長z)           67イEE
 25 (エ)        ~∀z(~鼻za→~長z)           ウ量化子の関係
 25 (オ)     ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  エ∨I
 25 (カ)    ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} オ、ド・モルガンの法則
125 (キ)  ~象a                           3カMTT
12  (ク)   兎a→~象a                       5キCP
12  (ケ)∀x(兎x→~象x)                      クUI
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。
であるならば、すなはち、
① すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは(長くて、xの耳であり)、すべてのzについて(zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない)}。
② すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、xの鼻ではなく、zは長い)}。
であるならば、
① よりも、
② の方が、「簡単で、分かりやすい」。
(04)
命題計算」の「練習問題」を解いてたためか、
(ⅰ)  ∃z(耳za&~鼻za&長z)
(ⅱ)~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}
に於いて、
(ⅰ)からは、
(ⅱ)が得られる。
といふことに「気付くこと」が出来、それならば、
① ∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}
に於いて、
① でなくとも、
② で「十分」であると思ひ立って、
(Ⅰ)を、(Ⅱ)に「書き直した」。
といふ「次第」である。
(05)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなわち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、xの鼻ではなく、zは長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎ならば、xは象ではない)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(06)
(ⅰ)象は、鼻と耳が長い。然るに、
(ⅱ)ピーターの耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)ピーターは象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」ではない
(何故なら、ピーターの耳だけでなく、象の耳も、鼻ではない。)
然るに、
(07)
(ⅰ)象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)ピーターの耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)ピーターは象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① 象は、鼻長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
③ 象は、鼻は長く、鼻以外も長い。
に於いて、
①=② であって、
①=③ ではない


(1244)「象は鼻が長い(三上文法)」は「(論理学としては)役に立たない」。

2022-11-06 10:23:02 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
「(ブログ開設当初からの)これまでの三段論法」である、
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
とは「異なる三段論法」を書くことにする。
(02)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  A
 2  (2)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}          A
1   (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   1UE
 2  (4)   兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z)           2UE
  5 (5)   兎a                           A
 25 (6)      ∃z(耳za&~鼻za&長z)           45MPP
   7(7)         耳ba&~鼻ba&長b            A
   7(8)             ~鼻ba&長b            7&E
   7(9)           ~(鼻ba∨~長b)           8ド・モルガンの法則
   7(ア)          ~(~鼻ba→~長b)           9含意の定義
   7(イ)        ∃z~(~鼻za→~長z)           アEI
 25 (ウ)        ∃z~(~鼻za→~長z)           67イEE
 25 (エ)        ~∀z(~鼻za→~長z)           ウ量化子の関係
 25 (オ)     ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  エ∨I
 25 (カ)    ~{∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} オ、ド・モルガンの法則
125 (キ)  ~象a                           3カMTT
12  (ク)   兎a→~象a                       5キCP
12  (ケ)∀x(兎x→~象x)                      クUI
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなわち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、xの鼻ではなく、zは長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎ならば、xは象ではない)。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)象は鼻が長い。       然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが、長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても「妥当」である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
「換言」すると、
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=② でなければ、
(ⅰ)象は鼻が長い。       然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが、長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(06)
「象は鼻が長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
 象は 鼻が長い
 主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)。
従って、
(06)により、
(07)
「三上文法」に於いては、
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(07)により、
(08)
「三上章、日本語の論理、1963年」は、
① 象は鼻が長い。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「日本語」を、「論理的に、分析をしてゐる」といふわけではない。