日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1244)「象は鼻が長い(三上文法)」は「(論理学としては)役に立たない」。

2022-11-06 10:23:02 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
「(ブログ開設当初からの)これまでの三段論法」である、
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
とは「異なる三段論法」を書くことにする。
(02)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  A
 2  (2)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}          A
1   (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   1UE
 2  (4)   兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z)           2UE
  5 (5)   兎a                           A
 25 (6)      ∃z(耳za&~鼻za&長z)           45MPP
   7(7)         耳ba&~鼻ba&長b            A
   7(8)             ~鼻ba&長b            7&E
   7(9)           ~(鼻ba∨~長b)           8ド・モルガンの法則
   7(ア)          ~(~鼻ba→~長b)           9含意の定義
   7(イ)        ∃z~(~鼻za→~長z)           アEI
 25 (ウ)        ∃z~(~鼻za→~長z)           67イEE
 25 (エ)        ~∀z(~鼻za→~長z)           ウ量化子の関係
 25 (オ)     ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  エ∨I
 25 (カ)    ~{∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} オ、ド・モルガンの法則
125 (キ)  ~象a                           3カMTT
12  (ク)   兎a→~象a                       5キCP
12  (ケ)∀x(兎x→~象x)                      クUI
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなわち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、xの鼻ではなく、zは長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎ならば、xは象ではない)。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)象は鼻が長い。       然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが、長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても「妥当」である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
「換言」すると、
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=② でなければ、
(ⅰ)象は鼻が長い。       然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが、長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(06)
「象は鼻が長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
 象は 鼻が長い
 主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)。
従って、
(06)により、
(07)
「三上文法」に於いては、
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(07)により、
(08)
「三上章、日本語の論理、1963年」は、
① 象は鼻が長い。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「日本語」を、「論理的に、分析をしてゐる」といふわけではない。



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