日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1213)「天下英雄唯君与我」の「述語論理」。

2022-07-19 15:37:10 | 漢文・述語論理

(01)
k=君
w=我
h=彼
であるとして、
1  (1)英雄k&英雄w&∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)} A
1  (2)英雄k&英雄w                     1&E
1  (3)        ∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)} 1&E
1  (4)           英雄h→(h=k)∨(h=w)  1UE
 5 (5)               (h≠k)&(h≠w)  A
 5 (6)             ~{(h=k)∨(h=w)} 6ド・モルガンの法則
15 (7)          ~英雄h              46MTT
1  (8)          (h≠k)&(h≠w)→~英雄h  57CP
  9(9)          (h≠k)&(h≠w)       A
1 9(ア)                      ~英雄h  89MPP
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)英雄k&英雄w&∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)}。然るに、
(ⅱ)(h≠k)&(h≠w)。従って、
(ⅲ)~英雄h。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)君は英雄であり、私も英雄であり、すべてのxについて{xが英雄であるならば、(xは君である)か(xは私である)」。然るに、
(ⅱ)彼は君ではなく、彼は私でもない。従って、
(ⅲ)彼は英雄でない。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)}。
② 英雄唯君与我(英雄は、ただ君と我のみ)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1    (1) ∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)}  A
 2   (2) ∃x(英雄x&(x≠k)&(x≠w)}  A
1    (3)    英雄a→(a=k)∨(a=w)   1UE
  4  (4)    英雄a&(a≠k)&(a≠w)   A
  4  (5)    英雄a               4&E
1 4  (6)        (a=k)∨(a=w)   35MPP
   7 (7)        (a=k)         A
  4  (8)        (a≠k)         4&E
  47 (9)        (a=k)&(a≠k)   78&I
   7 (ア)  ~{英雄a&(a≠k)&(a≠w)}  49RAA
    イ(イ)              (a=w)   A
  4  (ウ)              (a≠w)   4&E
  4 イ(エ)        (a=w)&(a≠w)   イウ&I
    イ(オ)  ~{英雄a&(a≠k)&(a≠w)}  4エRAA
1 4  (カ)  ~{英雄a&(a≠k)&(a≠w)}  67アイオ∨E
1 4  (キ)   {英雄a&(a≠k)&(a≠w)}&
          ~{英雄a&(a≠k)&(a≠w)}  4キ&I
12   (ク)   {英雄a&(a≠k)&(a≠w)}&
          ~{英雄a&(a≠k)&(a≠w)}  4キ&I
1    (ケ)~∃x{英雄x&(x≠k)&(x≠w)}  2クRAA
(ⅲ)
1 (1)~∃x(英雄x&(x≠k)&(x≠w)}  A
1 (2)∀x~(英雄x&(x≠k)&(x≠w)}  1量化子の関係
1 (3)  ~{英雄a&(a≠k)&(a≠w)}  2UE
1 (4) ~{英雄a&[(a≠k)&(a≠w)]} 3結合法則
1 (5) ~英雄a∨~[(a≠k)&(a≠w)]  4ド・モルガンの法則
1 (6)  英雄a→~[(a≠k)&(a≠w)]  5含意の定義
 7(7)  英雄a                 A
17(8)      ~[(a≠k)&(a≠w)]  67MPP
17(9)        (a=k)∨(a=w)   8ド・モルガンの法則
1 (ア)    英雄a→(a=k)∨(a=w)   79CP
1 (イ) ∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)}  アUI
従って、
(05)により、
(06)
①  ∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)}
③ ~∃x{英雄x&(x≠k)&(x≠w)}
に於いて、
①=③ である。
従って、
(01)(04)(06)により、
(07)
①  ∀x{英雄x→(x=k)∨(x=w)}。
② 英雄唯君与我(英雄は、ただ君と我のみ)。
③ ~∃x{英雄x&(x≠k)&(x≠w)}。
④ 君ではなく、私でもない、英雄であるxは存在しない。
に於いて、
①=②=③=④ である。


(1212)「愛親者不敢惡於人」の「否定」の「述語論理」。

2022-07-19 11:37:56 | 漢文・述語論理

(01)
〔天子章第二〕
子曰、愛親者不敢惡於人。
子し曰く、親を愛する者は、敢へて人を悪まず。
(Web漢文大系)
然るに、
(02)
① 愛親者不敢惡_人。
② 愛親者不敢惡於人。
に於いて、
① ではなく、
② である以上、
① 敢へて人を悪ま_ず(決して、人を憎ま_ない)。
ではなく、
② 敢へて人を悪まれず(決して、人に憎まれない)。
であると、思はれる。
然るに、
(03)
∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)}⇔
すべてのxとyについて(xがyの親であって、yがxを愛するならば、あるzについて(zが人であって、zがyを悪む)といふことはない}。
従って、
(02)(03)により、
(04)
愛親者不敢惡於人。⇔
愛(親)者不[敢惡〔於(人)〕]。⇔
(親)愛者[敢〔(人)於〕惡]不。⇔
親を愛する者は、敢へて人に惡まれず。⇔
∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)}⇔
すべてのxとyについて(xがyの親であって、yがxを愛するならば、あるzについて(zが人であって、zがyを悪む)といふことはない}。
従って、
(04)により、
(05)
愛親者不必不敢惡於人。⇔
愛(親)者不{必不[敢惡〔於(人)〕]}。⇔
(親)愛者{必[敢〔(人)於〕惡]不}不。⇔
親を愛する者は、必ずしも敢へて人に悪まれずんばあらず。⇔
~∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)}⇔
すべてのxとyについて(xがyの親であって、yがxを愛するならば、あるzについて(zが人であって、zがyを悪む)といふことはない}といふわけではない。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1   (1)~∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} A
1   (2)∃x~∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} 1量化子の関係
1   (3)∃x∃y~{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} 2量化子の関係
 4  (4)  ∃y~{(親ay&愛ya)→~∃z(人z&悪zy)} A
  5 (5)    ~{(親ab&愛ba)→~∃z(人z&悪zb)} A
  5 (6)   ~{~(親ab&愛ba)∨~∃z(人z&悪zb)} 5含意の定義
  5 (7)      (親ab&愛ba)& ∃z(人z&悪zb)  6ド・モルガンの法則
  5 (8)      (親ab&愛ba)              7&E
  5 (9)                 ∃z(人z&悪zb)  7&E
   ア(ア)                   (人c&悪cb)  A
  5ア(イ)         (親ab&愛ba)&(人c&悪cb)  8ア&I
  5ア(ウ)      ∃z{(親ab&愛ba)&(人z&悪zb)} イEI
  5 (エ)      ∃z{(親ab&愛ba)&(人z&悪zb)} 5アウ
  5 (オ)    ∃y∃z{(親ay&愛ya)&(人z&悪zy)} エEI
 4  (カ)    ∃y∃z{(親ay&愛ya)&(人z&悪zy)} 45オEI
 4  (キ)  ∃x∃y∃z{(親xy&愛yx)&(人z&悪zy)} カEI
1   (ク)  ∃x∃y∃z{(親xy&愛yx)&(人z&悪zy)} 14キEE
(ⅱ)
1   (1)  ∃x∃y∃z{(親xy&愛yx)&(人z&悪zy)} A
 2  (2)    ∃y∃z{(親ay&愛ya)&(人z&悪zy)} A
  3 (3)      ∃z{(親ab&愛ba)&(人z&悪zb)} A
   4(4)         (親ab&愛ba)&(人c&悪cb)  A
   4(5)         (親ab&愛ba)           4&E
   4(6)                   (人c&悪cb)  4&E
   4(7)                 ∃z(人z&悪zb)  6EI
  3 (8)                 ∃z(人z&悪zb)  347EE
  3 (9)      (親ab&愛ba)& ∃z(人z&悪zb)  48&I
  3 (ア)   ~{~(親ab&愛ba)∨~∃z(人z&悪zb)} 9ド・モルガンの法則
  3 (イ)    ~{(親ab&愛ba)→~∃z(人z&悪zb)} ア含意の定義
  3 (ウ)  ∃y~{(親ay&愛ya)→~∃z(人z&悪zy)} イEI
 2  (エ)  ∃y~{(親ay&愛ya)→~∃z(人z&悪zy)} 23ウEE
 2  (オ)∃x∃y~{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} エEI
1   (カ)∃x∃y~{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} 12オEE
1   (キ)∃x~∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} カ量化子の関係
1   (ク)~∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)} キ量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
① ~∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)}
② ∃x∃y∃z{(親xy&愛yx)&  (人z&悪zy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① 愛親者不必不敢惡一レ人。
② 親を愛する者は、必ずしも敢へて人に悪まれずんばあらず。
③ ∃x∃y∃z{(親xy&愛yx)&(人z&悪zy)}。
④ あるxとyとzについて{xはyの親であり、yはxを愛し、zは人であって、zはyを悪む}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(04)(08)により、
(09)
① 愛親者不敢惡於人。
② 愛親者不必不敢惡於人。
③   ∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪zy)}。
④ ∃x∃y∃z{(親xy&愛yx)&(人z&悪zy)}。
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
然るに、
(10)
① ~∃z(人z&悪z
② ~∃z(人z&悪z)
③ yを憎む人はゐない。
④ yは、人を憎まない。
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(01)(02)(10)により、
(11)
① 愛親者不敢惡於人(動態)。
② 愛親者不敢惡_人(動態)。
であれば、「順番」に、
③ ∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪z)}。
④ ∀x∀y{(親xy&愛yx)→~∃z(人z&悪z)}。
である。