日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1217)「日本語」で考へた場合の「弱選言(両立的選言)」と「強選言(排他的選言)」。

2022-07-22 19:34:54 | 論理

(01)
① P∨Q=PとQの、少なくとも、一方は「真」である
② P▽Q=PとQの、「真・偽」は、一致しない
に於いて、
① は「弱選言(両立的選言)」である。
② は「強選言(排他的選言)」である。
然るに、
(02)
① Pが「偽」であって、その上、Qも「偽」であるならば、(PとQの、少なくとも一方は「真」である)といふことには、ならないし、
② Pが「偽」であって、その上、Qも「偽」であるとしても(PとQの「真・偽」は一致しない)といふことには、ならない
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P∨Q であって、尚且つ、Pが「偽」であるならば、Qは「真」であって、
② P▽Q であって、尚且つ、Pが「偽」であるならば、Qは「真」である。
然るに、
(04)
① P∨Q,~P├ Q
② P▽Q,~P├ Q
といふ「連式」は、
① P∨Q であって、尚且つ、Pは「偽」である。故に、Qは「真」である。
② P▽Q であって、尚且つ、Pは「偽」である。故に、Qは「真」である。
といふ「意味」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① P∨Q,~P├ Q
② P▽Q,~P├ Q
といふ「推論(選言三段論法)」は、両方とも、「妥当」である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
①「(両立的)選言三段論法」は「妥当」であって、
②「(排他的)選言三段論法」も「妥当」である。
然るに、
(01)により、
(07)
① P∨Q=PとQの、少なくとも、一方は「真」である
② P▽Q=PとQの、「真・偽」は、一致しない
といふことからすれば、、
① であれば、「Pは真、Qも真」であることは、「許容」され、
② であれば、「Pは真、Qも真」であることは、「許容」されない
従って、
(07)により、
(08)
① P∨Q,P├ ~Q
② P▽Q,P├ ~Q
といふ「連式」に於いて、
① は「妥当」ではないが、
② は「妥当」である。


(1216)「強選言(排他的選言)」と「弱選言(両立的選言)」と「選言三段論法」(Ⅲ)。

2022-07-22 16:18:14 | 論理

(01)
(ⅰ)
1  (1) ~(P⇔Q)         A
1  (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.⇔
1  (3) ~(P→Q)∨~(Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~(P→Q)         A
 4 (5)~(~P∨Q)         4含意の定義
 4 (6) (P&~Q)         5ド・モルガンの法則
 4 (7) (P&~Q)∨(Q&~P)  6∨I
  8(8)        ~(Q→P)  A
  8(9)       ~(~Q∨P)  8含意の定義
  8(ア)        (Q&~P)  9ド・モルガンの法則
  8(イ) (P&~Q)∨(Q&~P)  ア∨I
1  (ウ) (P&~Q)∨(Q&~P)  1478イ∨E
(ⅱ)
1  (1) (P&~Q)∨(Q&~P)  A
 2 (2) (P&~Q)         A
 2 (3)~(~P∨Q)         2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~(P→Q)         3含意の定義
 2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P)  4∨I
  6(6)        (Q&~P)  A
  6(7)       ~(~Q∨P)  6ド・モルガンの法則
  6(8)        ~(Q→P)  7含意の定義
  6(9) ~(P→Q)∨~(Q→P)  8∨I
1  (ア) ~(P→Q)∨~(Q→P)  12569∨E
1  (イ)~{(P→Q)& (Q→P)} ア、ド・モルガンの法則
1  (ウ) ~(P⇔Q)         イDf.⇔
従って、
(01)により、
(02)
① ~(P⇔ Q)
②  (P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
①=② である。
(03)
(ⅱ)
1  (1)(P&~Q)∨(Q&~P) A
 2 (2) P&~Q         A
 2 (3) P            2&E
 2 (4) P∨ Q         3∨I
 2 (5)   ~Q         2&E
 2 (6)~P∨~Q         5∨I
 2 (7)~(P&Q)        6ド・モルガンの法則
 2 (8) (P∨Q)&~(P&Q) 47&I
  9(9)       (Q&~P) A
  9(ア)        Q     9&E
  9(イ)      P∨Q     ア∨I
  9(ウ)          ~P  9&E
  9(エ)       ~P∨~Q  ウ∨I
  9(オ)       ~(P&Q) エ、ド・モルガンの法則
  9(カ) (P∨Q)&~(P&Q) イオ&I
1  (キ) (P∨Q)&~(P&Q) 1289カ∨E
(ⅲ)
1    (1) (P∨Q)&~(P&Q) A
1    (2)  P∨Q         1&E
1    (3)       ~(P&Q) 1&E
 4   (4)         P    A
  5  (5)           Q  A
 45  (6)         P&Q  45&I
145  (7) ~(P&Q)&(P&Q) 36&I
14   (8)          ~Q  57RAA
1    (9)        P→~Q  48CP
   ア (ア)  P           A
1  ア (イ)          ~Q  9アMPP
1  ア (ウ) (P&~Q)       アイ&I
1  ア (エ)(P&~Q)∨(Q&~P) ウ∨I
    オ(オ)    Q         A
    オ(カ)  ~~Q         オDN
1   オ(キ)       ~P     9カMPP
1   オ(ク)    Q&~P      オキ&I
1   オ(ケ)(P&~Q)∨(Q&~P) ク∨I
1    (コ)(P&~Q)∨(Q&~P) 1アエオケ∨E
従って、
(03)により、
(04)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
③(P∨  Q)&~(P&Q)
に於いて、
②=③ である。
(05)
(ⅲ)
1  (1)  (P∨ Q)&~(P&Q)  A
1  (2)   P∨ Q          1&E
1  (3)~~(P∨ Q)         2DN
1  (4)~(~P&~Q)         3ド・モルガンの法則
 5 (5)  ~P             A
  6(6)     ~Q          A
 56(7) (~P&~Q)         56&I
156(8)~(~P&~Q)&(~P&~Q) 37&I
15 (9)    ~~Q          68DN
15 (ア)      Q          9DN
1  (イ)  ~P→ Q          5アCP
1  (ウ)         ~(P&Q)  1&E
1  (エ)         ~P∨~Q   ウ、ド・モルガンの法則
1  (オ)          P→~Q   エ含意の定義
1  (カ)  (~P→Q)&(P→~Q)  イオ&I
(ⅳ)
1  (1)  (~P→Q)&(P→~Q)  A
1  (2)   ~P→Q          1&E
1  (3)  ~~P∨Q          2含意の定義
1  (4)    P∨Q          3DN
1  (5)          P→~Q   1&E
1  (6)         ~P∨~Q   5含意の定義
1  (7)        ~(P& Q)  6ド・モルガンの法則
1  (8)   (P∨Q)&~(P&Q)  47&I
従って、
(05)により、
(06)
③(P∨ Q)&~(P&Q)
④(~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)(06)により、
(07)
① ~(P⇔ Q)
②  (P&~Q)∨(Q&~P)
③  (P∨ Q)&~(P&Q)
④  (~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、すなはち、
①(PとQの「真偽」が一致する)ことはない。
②(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
③(Pか、またはQである)が、(Pであって、Qである)といふことはない。
④(PでないならばQであり)、(Pであるならば、Qでない)。
に於いて、
①=②=③=④である。
然るに、
(08)
日本語の接続詞「あるいは」には、両立的選言(選言)と排他的選言(選言)の二つの意味があることに注意してほしい。

 ― 中略 ―
論理学の「・・・あるいは・・・」は両立的選言に取り決めてある。それは論理学の体系がよりシンプルなものになるからである。
とりわけ、∨を両立的選言の方に決めておけば、
排他的選言の方は∨と&と~によって簡単に表現できる―(P∨Q)&~(P&Q)―。
選言記号∨に対応する日本語には、「または」「もしくは」「・・・か・・・」などがある。
(昭和堂入門選書25、論理学の基礎、1994年、11頁改)
従って、
(07)(08)により、
(09)
① ~(P⇔ Q)
②  (P&~Q)∨(Q&~P)
③  (P∨ Q)&~(P&Q)
④  (~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、すなはち、
①(PとQの「真偽」が一致する)ことはない。
②(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
③(Pか、またはQである)が、(Pであって、Qである)といふことはない。
④(PでないならばQであり)、(Pであるならば、Qでない)。
に於いて、
① は「排他的選言(選言)」であって、
② も「排他的選言(選言)」であって、
③ も「排他的選言(選言)」であって、
④ も「排他的選言(選言)」である。
然るに、
(10)
「P∨Q」は、「両立的選言(選言)」であって、
「P▽Q」は、「排他的選言(選言)」であるとする。
従って、
(09)(10)により、
(11)
(ⅰ)
1 (1)  P▽Q         A
1 (2)(~P→Q)&(P→~Q) 1Df.▽
1 (3) ~P→Q         2&E
 2(4) ~P           A
12(5)    Q         34MPP
(ⅱ)
1 (1)  P∨Q A
1 (2)~~P∨Q 1DN
1 (3) ~P→Q 2含意の定義
 4(4) ~P   A
14(5)    Q 34MPP
従って、
(11)により、
(12)
① P▽Q,~P├ Q
② P∨Q,~P├ Q
といふ「推論」は、両方とも、「妥当」である。
然るに、
(13)
① P▽Q,P├ ~Q
② P∨Q,P├ ~Q
に於いて、
① は、「選言三段論法」であって、
② も、「選言三段論法」である。
従って、
(08)(09)(13)により、
(14)
①「(排他的)選言三段論法」は「妥当」であって、
②「(両立的)選言三段論法」も「妥当」である。
然るに、
(15)
日常的な言語では、「AまたはB」という言葉は、AとBが両方真となる包含的論理和(inclusive disjunction, or)と、
いずれか一方が真でいずれか一方が偽となる排他的論理和(exclusive disjunction, xor)が区別されていないことがあります。
選言三段論法が妥当となるときは、後者、排他的論理和として「または」を使っているときに限られることがわかりますね。
(趣味の数学)
従って、、
(08)(15)により、
(16)
選言三段論法が妥当となるときは、後者排他的論理和(選言)として「または」を使っているときに限られることがわかりますね。
といふ「説明」は、「マチガイ」である。
(17)
① ~(P⇔ Q)
②  (P&~Q)∨(Q&~P)
③  (P∨ Q)&~(P&Q)
④  (~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、すなはち、
①(PとQの「真偽」が一致する)ことはない。
②(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
③(Pか、またはQである)が、(Pであって、Qである)といふことはない。
④(PでないならばQであり)、(Pであるならば、Qでない)。
といふ「(4通リの排他的選言の定義)」に於いて、
① は「真理値表」を見れば、確かに、さうであって、「排他的選言」の「意味」からすれば、
② が「1番、分かり易い」ものの、「命題計算」の際には、
④ が「1番、扱い易い」。