日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1047)「述語論理」の「よくある間違い」についての「難解な証明」。

2022-03-08 18:46:41 | 論理

(01)
「すべてのフランス人は寛大である」は一種の条件文として適切に記号化されるので、これに同化してしまって、
「幾らかのフランス人は寛大である」を、正しく「∃x(Fx&Gx)」と記号化するかわりに、
「∃x(Fx→Gx)」とするのは、よくある間違いである。しかし、「∃x(Fx→Gx)」は、
「それがフランス人であるならば、寛大であるようなものが存在する」ことを主張するのであって、
「これは、かりにフランス人が存在しない」としても「」であろう。しかるに、
「幾らかのフランス人は寛大である」はそうではない。
(E.j.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、123・124頁)
然るに、
(02)
1(1)~∃x(Fx)        A
1(2)∀x(~Fx)        1量化子の関係
1(3)   ~Fa         1UE
1(4)∃x(~Fx)        2EI
1(5)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) 3∨I
従って、
(02)により、
(03)
① ~∃x(Fx)├ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
といふ「連式」は「妥当」である。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1    (1)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) A
 2   (2)∃x(~Fx)        A
  3  (3)   ~Fa         A
  3  (4)   ~Fa∨Ga      3∨I
  3  (5)    Fa→Ga      4含意の定義
  3  (6) ∃x(Fx→Gx)     3EI
 2   (7) ∃x(Fx→Gx)     236EE
   8 (8)        ∃x(Gx) A
    9(9)           Ga  A
    9(ア)       ~Fa∨Ga  9∨I
    9(イ)        Fa→Ga  ア含意の定義
    9(ウ)     ∃x(Fx→Gx) イEI
  8  (エ)     ∃x(Fx→Gx) 89ウEE
1    (オ)     ∃x(Fx→Gx) 1278エ∨E
(ⅲ)
1    (1) ∃x(Fx→Gx)     A
 2   (2)    Fa→Ga      A
  3  (3) ∀x(Fx)        A
  3  (4)    Fa         3UE
 23  (5)       Ga      A
 23  (6)    ∃x(Gx)     5EI
 2   (7) ∀x(Fx)→∃x(Gx) 36CP
 2   (8)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 7含意の定義
   9 (9)~∀x(Fx)        A
   9 (ア)∃x(~Fx)        9含意の定義
   9 (イ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) ア∨I
    ウ(ウ)        ∃x(Gx) A
    ウ(エ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) ウ∨I
 2   (オ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) 29イウエ∨E
1    (カ)∃x(~Fx)∨∃x(Gx) 12オEE
従って、
(04)により、
(05)
② ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
③ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① ~∃x(Fx)├ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ~∃x(Fx)├ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は「妥当」である。
従って、
(06)により、
(07)
① ~∃x(Fx)├ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ~∃x(Fx)├ ∃x(Fx→Gx)
といふ「連式」は、両方とも「妥当」である。
従って、
(01)(07)により、
(08)
② ~∃x(Fx)├ ∃x(Fx→Gx)
といふ「連式」、すなはち、
フランス人であるxは存在しない。故に、∃x(Fx→Gx)
といふ「連式」は、「妥当」である。
従って、
(01)(08)により、
(09)
「∃x(Fx→Gx)」とするのは、よくある間違いである。しかし、「∃x(Fx→Gx)」は、
「それがフランス人であるならば、寛大であるようなものが存在する」ことを主張するのであって、
「これは、かりにフランス人が存在しない」としても「」であろう。
といふ、『E.J.レモンの説明』は、確かに、「正しい」。
然るに、
(10)
① ~∃x(Fx)├ ∃x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ~∃x(Fx)├ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=② である。
といふことは、「述語論理」を学び始めたばかりの初学者には「理解できない」。
然るに、
(11)
証明」とは、「相手にも分かるように、説明すること」である。
従って、
(02)~(11)により、
(12)
「∃x(Fx→Gx)」に関する、
「以上のやうな説明」は、「証明」であるとは、言へない(!?)。