(01)
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
1 (3) Fa→Ga 1&E
1 (4) Fb→Gb 1&E
1 (5) Fc→Gc 1&E
2(6) Fa 2&E
12(7) Ga 36MPP
2(8) Fb 2&E
12(9) Gb 48MPP
2(ア) Fc 2&E
12(イ) Gc 5アMPP
12(ウ) Ga&Gb 79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 2エCP
従って、
(01)により、
(02)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
①⇒② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1 (1)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) A
2 (2) Fa A
3 (3) Fb A
4(4) Fc A
23 (5) Fa&Fb 23&I
234(6)(Fa&Fb&Fc) 45&イ
1234(7) (Ga&Gb&Gc) 16MPP
123 (8) Fc→(Ga&Gb&Gc) 47CP
12 (9) Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)] 38CP
1 (ア)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} 29CP
(ⅲ)
1 (1)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
2(3) Fa 2&E
2(4) Fb 2&E
2(5) Fc 2&E
12(6) Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)] 13MPP
12(7) Fc→(Ga&Gb&Gc) 46MPP
12(8) (Ga&Gb&Gc) 57MPP
1 (9)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 28CP
従って、
(03)により、
(04)
②(Fa&Fb&Fc) →(Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→ (Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
①⇒② であって、
②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
2(2) Fa A
1 (3) Fa→Ga 1&E
12(4) Ga 23MPP
(ⅱ)
1 (1) Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} A
2(2) Fa A
12(3) {Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} 12MPP
従って、
(06)により、
(07)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc), Fa├ Ga
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]},Fa├ Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]
従って、
(07)により、
(08)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
① の場合は、その上、「Fa(aはFである)」ならば、そのまま、直ちに、「Ga(aはGである)」が、
③ の場合は、その上、「Fa(aはFである)」であったとしても、直ちに、「Ga(aはGである)」といふことには、ならない。
従って、
(08)により、
(09)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(05)(09)により、
(10)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc) →(Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
に於いて、
①⇒② であって、
②=③ であるが、
①=③ ではない。
従って、
(10)により、
(11)
①⇒② であるが、
①=② ではない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
①⇒②(①ならば②である)が、逆に、
②⇒①(②ならば①である)ではない。
然るに、
(13)
{a,b,c}の3つが「変域(ドメイン)」であるならば、
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「述語論理式」に「相当」する。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1 (1) ∀x(Fx→Gx) A
2(2) ∀x(Fx) A
1 (3) Fa→Ga 1UE
2(4) Fa 2UE
12(5) Ga 34MPP
12(6) ∀x(Gx) 5UI
1 (7)∀x(Fx)→∀x(Gx) 26CP
(ⅱ)
1 (1)∀x(Fx)→∀x(Gx) A
2(2) Fa A
2(3)∀x(Fx) 2UI
12(4) ∀x(Gx) 13MPP
12(5) Ga 4UE
1 (6) Fa→Ga 25CP
1 (7)∀x(Fx→Gx) 6UI
然るに、
(14)により、
(15)
2(2) Fa A
2(3)∀x(Fx) 2UI
に関しては、「UI」の「規則」に対する、「違反」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「述語計算」としても、当然、
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∀x(Gx)
に於いて、
①⇒②(①ならば②である)が、逆に、
②⇒①(②ならば①である)ではない。
従って、
(12)(16)により、
(17)
「述語計算」と「同じ結果」になるのだから、
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
1 (3) Fa→Ga 1&E
1 (4) Fb→Gb 1&E
1 (5) Fc→Gc 1&E
2(6) Fa 2&E
12(7) Ga 36MPP
2(8) Fb 2&E
12(9) Gb 48MPP
2(ア) Fc 2&E
12(イ) Gc 5アMPP
12(ウ) Ga&Gb 79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 2エCP
(ⅱ)
1 (1)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) A
2 (2) Fa A
3 (3) Fb A
4(4) Fc A
23 (5) Fa&Fb 23&I
234(6)(Fa&Fb&Fc) 45&イ
1234(7) (Ga&Gb&Gc) 16MPP
123 (8) Fc→(Ga&Gb&Gc) 47CP
12 (9) Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)] 38CP
1 (ア)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} 29CP
(ⅲ)
1 (1)Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]} A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
2(3) Fa 2&E
2(4) Fb 2&E
2(5) Fc 2&E
12(6) Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)] 13MPP
12(7) Fc→(Ga&Gb&Gc) 46MPP
12(8) (Ga&Gb&Gc) 57MPP
1 (9)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 28CP
といふ「計算」は、「不要」であると言へば、「不要」である。
しかしながら、
(18)
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc) →(Ga&Gb&Gc)
③ Fa→{Fb→[Fc→(Ga&Gb&Gc)]}
といふ風に、「書くこと」によって、
②=③ であることが、「明確」になり、その「結果」として、
①⇒② であることが、「明確」になり、
②⇒① でないことが、「明確」になる。
(19)
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」は、幾らか「抽象的」であって、
①(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)→ (Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、十分に「具体的」であって、「分り易い」。
ただし、
(20)
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
1 (3) Fa→Ga 1&E
1 (4) Fb→Gb 1&E
1 (5) Fc→Gc 1&E
2(6) Fa 2&E
12(7) Ga 36MPP
2(8) Fb 2&E
12(9) Gb 48MPP
2(ア) Fc 2&E
12(イ) Gc 5アMPP
12(ウ) Ga&Gb 79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 2エCP
といふ「計算」より、
(ⅰ)
1 (1) ∀x(Fx→Gx) A
2(2) ∀x(Fx) A
1 (3) Fa→Ga 1UE
2(4) Fa 2UE
12(5) Ga 34MPP
12(6) ∀x(Gx) 5UI
1 (7)∀x(Fx)→∀x(Gx) 26CP
といふ「述語計算」の方が、「手間が、掛からない」。
従って、
(20)により、
(21)
「分り易い」からと言って、「毎回・毎回」、
(ⅰ)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
1 (3) Fa→Ga 1&E
1 (4) Fb→Gb 1&E
1 (5) Fc→Gc 1&E
2(6) Fa 2&E
12(7) Ga 36MPP
2(8) Fb 2&E
12(9) Gb 48MPP
2(ア) Fc 2&E
12(イ) Gc 5アMPP
12(ウ) Ga&Gb 79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 2エCP
といふ「計算」を、するわけには、いかない。
(01)
① □(α→β)├ □α→□β
といふ「式」は、「様相論理の式」であって(?)、
①(αならばβであること)は「必然」である。故に、(αであることが「必然」である)あるならば、(βであることも「必然」である)。
といふ「意味」である(?)。
従って、
(01)により、
(02)
① □(Fx→Gx)├ □Fx→□Gx
といふ「様相論理の式」が、有るのであれば、
①(FxならばGxであること)は「必然」である。故に、(Fxであることが「必然」である)あるならば、(Gxであることも「必然」である)。
といふ「意味」に、なるはずである(?)。
然るに、
(03)
①(FxならばGxであること)は「必然」である。故に、(Fxであることが「必然」である)あるならば、(Gxであることも「必然」である)。
といふことは、
② すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。故に、すべてのxについて(xがFである)ならば、すべてのxについて(xがFである)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(04)
② すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。故に。すべてのxについて(xがFである)ならば、すべてのxについて(xがFである)。
といふことは、「述語論理の式」としては、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」になる。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1 (1) ∀x(Fx→Gx) A
2(2) ∀x(Fx) A
1 (3) Fa→Ga 1UE
2(4) Fa 2UE
12(5) Ga 34MPP
12(6) ∀x(Gx) 5UI
1 (7)∀x(Fx)→∀x(Gx) 26CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」は、「述語論理の式」として、「妥当」である。
然るに、
(07)
{a,b,c}の3つが「変域(ドメイン)」であるならば、
② ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx)
といふ「式」は、
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
②(Fa&Fb&Fc)
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(08)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc) A
2(2)(Fa&Fb&Fc) A
1 (3) Fa→Ga 1&E
1 (4) Fb→Gb 1&E
1 (5) Fc→Gc 1&E
2(6) Fa 2&E
12(7) Ga 36MPP
2(8) Fb 2&E
12(9) Gb 48MPP
2(ア) Fc 2&E
12(イ) Gc 5アMPP
12(ウ) Ga&Gb 79&I
12(エ) Ga&Gb&Gc イウ&I
1 (オ)(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc) 2エCP
従って、
(08)により、
(09)
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、「妥当」である。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
{a,b,c}の3つが「変域(ドメイン)」であるならば、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「式」は、
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」に「等しく」、尚且つ、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、2つとも、「妥当」である。
然るに、
(11)
②(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、「含意の定義」と「ド・モルガンの法則」により、
③(~Fa∨~Fb∨~Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(12)
③(~Fa∨~Fb∨~Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」は、
③(~Fa)だけが「真(本当)」であって、
③(Ga&Gb&Gc)が「偽(ウソ)」であっても「真」である。
然るに、
(12)により、
(13)
(ⅲ)
1(1)~Fa A
1(2)~Fa∨Ga 1∨I
1(3) Fa→Ga 2含意の定義
従って、
(13)により、
(14)
③(~Fa) だけが「真」であるならば、
③(Fa→Ga)だけが「真」であって、
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
といふ「3つ」が「3つとも真」になる。といふことは、無い。
従って、
(09)~(14)により、
(15)
②(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)├(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)
③(Fa&Fb&Fc)→(Ga&Gb&Gc)├(Fa→Ga)&(Fb→Gb)&(Fc→Gc)
に於いて、
② は「妥当」であるが、その「逆」である、
③ は「妥当」ではない。
従って、
(10)(15)により、
(16)
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
③ ∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
に於いて、
② は「妥当」であるが、その「逆」である、
③ は「妥当」ではない。
然るに、
(17)
(ⅲ)
1 (1)∀x(Fx)→∀x(Gx) A
2(2) Fa A
2(3)∀x(Fx) 2UI
12(4) ∀x(Gx) 13MPP
12(5) Ga 4UE
1 (6) Fa→Ga 25CP
1 (7)∀x(Fx→Gx) 6UI
然るに、
(17)により、
(18)
2(2) Fa A
2(3)∀x(Fx) 2UI
に関しては、「UI」の「規則」に対する、「違反」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
いづれにせよ、
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
③ ∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
に於いて、
② は「妥当」であるが、その「逆」である、
③ は「妥当」ではない。
然るに、
(20)
〈公理〉
A3.□(α⊃β)⊃ (□Fx⊃□Gx)
(大窪徳行・田畑博敏、論理学の方法、1994年、192頁改)
然るに、
(21)
A3.□(α⊃β)⊃ (□Fx⊃□Gx)
といふ「表記」は、
A3.□(α→β)├ (□α⊃□β)
といふ風に書いても、「同じこと」である。
従って、
(02)(19)(20)(21)により、
(22)
① □(Fx→Gx)├ □Fx→□Gx
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
に於いて、
① は「様相論理の式」であって、「逆は、成立せず」、
② は「述語論理の式」であって、「逆は、成立しない」。
従って、
(20)により、
(21)
① □(Fx→Gx)├ □Fx→□Gx
② ∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
に於ける、
①「様相論理の、□(必然的)」といふ「記号」は、
②「述語論理の、∀(全ての)」といふ「記号」の、「仲間」であると、思はれる。