日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(198)「選言導入の規則(∨I)」は「不自然」ではない(ⅴ)。

2019-04-26 18:26:13 | 論理

―「先ほどの記事(197)」の「続き」を書きます。―
(27)
1(1)ソクラテスは人間である。 A
1(2)ソクラテスは人間であるか、または、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。 1∨I
といふ「推論」を、「不自然」であると、思ふのであれば、
1(2)の左には、
1 しかない。
といふことは、
1の行 は、 「真 」であるが、
1の行 以外の「真偽」は、
1の行 に「依存」する。
といふことを、「意味」してゐる。
といふことを、「教へられてゐない」か、「忘れてゐる」の、どちらかである。
従って、
(27)により、
(28)
1(1)ソクラテスは人間である。 A
1(2)ソクラテスは人間であるか、または、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。 1選言導入の規則
であれば、
1(2)ソクラテスは人間である
までが、「確実」に「」であり、
1(2)                 豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。
といふ「部分」に関しては、「」であるかどうか、分からない
といふ、ことになる。
従って、
(28)により、
(29)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
に於いて、
1(2)の左には、
1 しかない。
といふことは、
1の行 は、 「真 」であるが、
1の行 以外の「真偽」は、
1の行 に「依存」する。
といふことからすれば、
1(1)ソクラテスは人間である。 A
1(2)ソクラテスは人間であるか、または、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、初めから
1(1)    ソクラテスは人間である。 A
1(2)従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。 1選言導入の規則
といふ「意味」であった。といふことになる。
従って、
(29)により、
(30)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨
1(3)P∨Q∨R 1∨
1(4)P∨Q∨R∨S 1∨
1(5)P∨Q∨R∨S∨T 1∨
1(6)P∨Q∨R∨S∨T∨U 1∨
といふ具合に、「いくらでも、無限に、選言肢を加へること」が出来、尚且つ、「これらの選言枝」は、「」であっても、「」であっても、かまはない
然るに、
(31)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
 (〃)PであるならばPである。 は、トートロジーである。
cf.
トートロジー(tautology)
文法的には同じ語の無意味な反復をいうが,論理学では,経験的知識の内容とはかかわりなく,必然的に真として成立する命題,ないしその関数関係をいう。
(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説)
然るに、
(32)
1(1) P       A
1(2) P∨~P    ∨I
1(3)~P∨ P    2交換法則
1(4) P→ P    3含意の定義
 (5) P→(P→P) 14CP
 (〃)Pであるならば(PであるならばPである)。 は、トートロジーである。
従って、
(31)(32)により、
(33)
①         PであるならばPである。
② Pであるならば(PであるならばPである)。
に於いて、
① は、トートロジーであり、
② も、トートロジーであるが、
② を「証明」するためには、「選言導入の規則(∨I)」を、「必要」とする。
然るに、
(34)
(ⅰ)
1  (1)P∨Q A
 2 (2)P   A
 2 (3)Q∨P 2∨I
  4(4)  Q A
  4(5)Q∨P 2∨I
1  (6)Q∨P 12345∨E
(ⅱ)
1  (1)Q∨P A
 2 (2)Q   A
 2 (3)P∨Q 2∨I
  4(4)  P A
  4(5)P∨Q 2∨I
1  (6)P∨Q 12345∨E
従って、
(34)により、
(35)
③ P∨Q
④ Q∨P
に於いて、すなはち、
③ Pであるか、Qである。
④ Qであるか、Pである。
に於いて、
③=④ である。
といふ「交換法則」を「照明」するためにも、「選言導入の規則(∨I)」を、「必要」とする。
cf.
③ 1+2=3
④ 2+1=3
然るに、
(36)
(ⅰ)
1    (1)P∨(Q∨R) A
 2   (2)P       A
 2   (3)P∨R     2∨I
 2   (4)Q∨(P∨R) 3∨I
  5  (5)   Q∨R  A
   6 (6)   Q    A
   6 (7)Q∨(P∨R) 6∨I
    8(8)     R  A
    8(9)   P∨R  8∨I
    8(ア)Q∨(P∨R) 9∨I
  5  (イ)Q∨(P∨R) 5678ア∨E
1    (ウ)Q∨(P∨R) 1245イ∨E
(ⅱ)
1    (1)Q∨(P∨R) A
 2   (2)Q       A
 2   (3)Q∨R     2∨I
 2   (4)P∨(Q∨R) 3∨I
  5  (5)   P∨R  A
   6 (6)   P    A
   6 (7)P∨(Q∨R) 6∨I
    8(8)     R  A
    8(9)   Q∨R  8∨I
    8(ア)P∨(Q∨R) 9∨I
  5  (イ)P∨(Q∨R) 5678ア∨E
1    (ウ)P∨(Q∨R) 1245イ∨E
従って、
(36)により、
(37)
⑤ P∨(Q∨R)
⑥ Q∨(P∨R)
に於いて、すなはち、
⑤ Pであるか(Qであるか、Rである)。
⑥ Qであるか(Pであるか、Rである)。
に於いて、
⑤=⑥ である。
といふ「交換法則」を「照明」するためにも、「選言導入の規則(∨I)」を、「必要」とする。
cf.
⑤ 1+(2+3)=6
⑥ 2+(1+3)=6
(38)
(ⅰ)
1  (1) P&(Q∨R)    A
1  (2) P          1&E
1  (3) Q∨R        1&E
 4 (4) Q          A
14 (5) P&Q        24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
  7(7)   R        A
1 7(8)       P&R  27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1  (ア)(P&Q)∨(P&R) 34679EE
(ⅱ)
1  (1)(P&Q)∨(P&R) A
 2 (2)(P&Q)       A
 2 (3) P          2&E
 2 (4)   Q        2&E
 2 (5)    Q∨R     4∨I
 2 (6) P&(Q∨R)    35&I
  7(7)      (P&R) A
  7(8)       P    7&E
  7(9)         R  7&E
  7(ア)       Q∨R  9∨I
  7(イ) P&(Q∨R)    8ア&I
1  (ウ) P&(Q∨R)    1267イEE
従って、
(38)により、
(39)
⑦  P&(Q∨R)
⑧ (P&Q)∨(P&R)
に於いて、すなはち、
⑦  Pであって(Qであるか、Rである)。
⑧(PであってQである)か、(PであってRである)。
といふ「分配法則」を「照明」するためにも、「選言導入の規則(∨I)」を、「必要」とする。
cf.
⑦ 2×(3+4)   =14
⑧(2×3)+(2×4)=14
従って、
(33)~(39)により、
(40)
「選言導入の規則(∨I)」を認めなければ、「自然演繹(Natural deduction)」は、成り立たない。
cf.
自然演繹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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自然演繹(しぜんえんえき、英: Natural deduction)は、「自然な」ものとしての論理的推論の形式的モデルを提供する証明理論の手法であり、哲学的論理学の用語である。
従って、
(29)(40)により、
(41)
例へば、
1(1)    ソクラテスは人間である。 A
1(2)従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。
 1選言導入の規則
といふ、「選言導入の規則(∨I)」を認めなければ、「自然演繹(Natural deduction)」そのものが、成り立たない。
従って、
(28)(41)により、
(42)
1(1)ソクラテスは人間である。 A
1(2)ソクラテスは人間であるか、または、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。 1選言導入の規則
といふ「選言導入の規則(∨I)」に対して、「疑念」を持ってゐるのであれば、「自然演繹(Natural deduction)」自体に、
疑念」を持ったまま、例へば、
1    (1)P∨(Q∨R) A
 2   (2)P       A
 2   (3)P∨R     2∨I
 2   (4)Q∨(P∨R) 3∨I
  5  (5)   Q∨R  A
   6 (6)   Q    A
   6 (7)Q∨(P∨R) 6∨I
    8(8)     R  A
    8(9)   P∨R  8∨I
    8(ア)Q∨(P∨R) 9∨I
  5  (イ)Q∨(P∨R) 5678ア∨E
1    (ウ)Q∨(P∨R) 1245イ∨E
といふ「計算(Proposition calculation)」を、行ってゐることになる。
cf.
⑤ 10円∨(2百円∨3千円)=3千2百十円
2百円∨(10円∨3千円)=3千2百十円
然るに、
(43)
幸いなことに、今や、私自身は、「選言導入の規則(∨I)」に対して、「何らの、疑念」も、持ってはゐない。
(44)
1(1)    ソクラテスは人間である。 A
1(2)従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。
 1選言導入の規則
といふ「推論(inference)」は、どう考へても、「自然(Natural)」であり、「妥当(valid)」である。

(197)「選言導入の規則(∨I)」は「不思議」ではない(Ⅳ)。

2019-04-26 12:53:17 | 論理

(01)
1 (1)P   A
 2(2)P→Q A
12(3)  Q 12MPP
といふ「推論」は、
すなはち、
1 (1)Pである。     と「仮定」する。
 2(2)PならばQである。 と「仮定」する。
12(3)    Qである。 12MPP
といふ「推論」は、
  (1)が「真」であって、
  (2)も「真」であれば、必然的に、
  (3)は「真」である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(02)
① P(真)→Q(真)
② P(真)→Q(偽)
に於いて、
① は、「真」であるが、
② は、「偽」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
たしかに、
1 (1)P   A
 2(2)P→Q A
12(3)  Q 12MPP
に於いて、
  (1)が「真」であって、
  (2)も「真」であれば、必然的に、
  (3)は「真」である。
然るに、
(04)
1(1) P        A
1(2) P∨Q      1∨I
 (3) P→(P∨Q)  12CP
 (4)~P∨(P∨Q)  3含意の定義
 (5)(~P∨P)∨Q  結合法則
(05)
1(1)P         A
1(2)P∨~Q      1∨I
 (3)P→(P∨~Q)  12CP
 (4)~P∨P∨~Q   3含意の定義
 (5)(~P∨P)∨~Q 結合法則
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ P→(P∨ Q)=Pであるならば(Pであるか、Qである)。
④ P→(P∨~Q)=Pであるならば(Pであるか、Qでない)。
に於いて、
③ は、「常に真(トートロジー)」であって、
④ も、「常に真(トートロジー)」である。
然るに、
(07)
③ Pであるならば(Pであるか、Qである)。
④ Pであるならば(Pであるか、Qでない)。
に於いて、
③ は、「常に真(トートロジー)」であって、それと同時に、
④ も、「常に真(トートロジー)」である。
といふことは、
④ Pであるならば(Pであるか、Qである)が、Qであるかどうかは、「不明」である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1(1)P       A
1(2)P∨Q     1∨I
1(3)P&(P∨Q) 12&I
(ⅱ)
1(1)P&(P∨Q) A
1(2)P       1&E
従って、
(09)
(ⅰ)P
(ⅱ)P&(P∨Q)
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
従って、
(09)により、
(10)
⑤ P⇔P&(P∨Q)
⑤ Pならば、そのときに限って、Pであって(Pであるか、Qである)。
然るに、
(11)
⑤ P⇔P&(P∨Q) は、
⑤ 真⇔真&(真∨真) だけでなく、
⑤ 真⇔真&(真∨) であっても、「真」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
⑤ Pであるならば、そのときに限って、Pであって(Pであるか、Qである)が、Qであるかどうかは、「不明」である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1  (1)P       A
1  (2)P∨(P&Q) 1∨I
(ⅱ)
1  (1)P∨(P&Q) A
 2 (2)P       A
  3(3)   P&Q  1&E
  3(4)   P    3&E
1  (5)P       12234∨E
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)P
(ⅱ)P∨(P&Q)
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
従って、
(14)により、
(15)
⑥ P⇔P∨(P&Q)
⑥ Pであるならば、そのときに限って、Pであるか(Pであって、Qである)。
然るに、
(16)
⑥ P⇔P∨(P&Q) は、
⑥ 真⇔真∨(真&真) だけでなく、
⑥ 真⇔真∨(真&) であっても、「真」である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
⑥ Pであるならば、そのときに限って、Pであるか(Pであって、Qである)が、Qであるかどうかは、「不明」である。
従って、
(04)(07)(12)(17)により、
(18)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1選言導入の規則
であるとして、すなはち、
1(1)Pである。       と「仮定」すると、それだけで、
1(2)Pであるか、Qである。 としても、
④ Pであるならば(Pであるか、Qである)が、Qであるかどうかは、「不明」である。
⑤ Pであるならば、そのときに限って、Pであって(Pであるか、Qである)が、Qであるかどうかは、「不明」である。
⑥ Pであるならば、そのときに限って、Pであるか(Pであって、Qである)が、Qであるかどうかは、「不明」である。
といふ、ことになる。
従って、
(19)
1(1)Pである。       と「仮定」すると、それだけで、
1(2)Pであるか、Qである。 としても、Pではあるが、Qであるかどうかは、「不明」である。
とするのが、「選言導入の規則(∨I)」である。といふ、ことになる。
然るに、
(20)
この規則は、推論の中で意識されることがおおよそないといえます。「彼女は背が高い」という主張をPとしましょう。すると、このPから「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」が導けます。この場合、主張Qは「彼女は美人だ」に対応しています。しかし、「彼女は背が高い」がわかっているのに、わざわざ、「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とつなげる場面は普通の会話ではあまりないでしょう。数学の証明でも、これが使われる場面はほとんど見かけないような気がします(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、156頁)。
然るに、
(21)
「彼女は背が高い または 彼女は美人だ。」といふ会話は、ともかく、
「彼女は背が高い が、彼女が美人であるかどうかは分からない。」といふ会話であれば、「普通」である。
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
1(1)Pである。       と「仮定」すると、それだけで、
1(2)Pであるか、Qである。 としても、Pではあるが、Qであるかどうかは、「不明」である。
とする、「選言導入の規則(∨I)」は、「少しも、不自然」ではない。
(23)
(ⅰ)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
に於ける。
1(2)P∨Q 1∨I
に於いて、
1(2)の左には、
1 しかない。
然るに、
(23)により、
(24)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I
に於いて、
1(2)の左には、
1 しかない。
といふことは、
1の行 は、 「真 」であるが、
1の行 以外の「真偽」は、
1の行 に「依存」する。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(25)
1(1)Socrates is a man. A
1(2)Socrates is a man or pigs are flying in formation over the English Channel. 1∨I
に於ける、
1の行 とは、
1(1)ソクラテスは人間である。 A
である。
従って、
(24)(25)により、
(26)
1(2)ソクラテスは人間であるか、または、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。 1∨I
といふ「命題」が「真」であったとしても、「豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるか、どうかは分からない。」
従って、
(24)(25)(26)により、
(27)
1(1)ソクラテスは人間である。 A
1(2)ソクラテスは人間であるか、または、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。 1∨I
といふ「推論」を、「不自然」であると、思ふのであれば、
1(2)の左には、
1 しかない。
といふことは、
1の行 は、 「真 」であるが、
1の行 以外の「真偽」は、
1の行 に「依存」する。
といふことを、「教へられてゐない」か、「忘れてゐる」の、どちらかである。