音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

「認知予備脳」について

2020-06-03 16:27:01 | 研究関連
6月に入り、闇の中で蛙の合唱が聞こえ始めるとともに
田舎の庭に紫陽花が咲き始めて梅雨入り前の季節を感じます

研究ゼミで「認知予備脳」に関する内容が出てきました。
最近は認知予備能に関する研究が多くなっている印象を持ちます

認知予備脳の定義としては、
「脳に生じた病理学的な変化に抵抗する認知機能の予備能力のこと。
つまり、多少脳が障害されても症状を出さずにいられるための力のこと」
(J-ADNI 研究に記載)

アルツハイマー病の発症を遅延させる効果があると考えられる因子のひとつである
「認知予備脳」が具体的にどのような状態を示しているのかは殆ど分かっていない
2011年に研究報告された以下の論文を紹介します。

中でも、3ページ目の図1(認知症を患う20年近く以前からアミロイドβが
蓄積し始めていることを示しています)を是非見ていただきたいです。

*『長寿医療研究開発費 2011年度 総括研究報告』
                   国立長寿医療研究センター 中村昭範
 https://www.ncgg.go.jp/ncgg-kenkyu/documents/23/23xx-36.pdf

さらに、最近の研究として以下の論文を紹介します。
*『神経心理学 第34号巻第2号 2018 ‘認知症と認知予備脳’』
                   東京女子医科大学脳神経内科 吉澤浩志
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/neuropsychology/34/2/34_17029/_pdf/-char/ja

ネットで公開されていますので、今後の認知症の予防と
非薬物療法の可能性についてご一緒に考えていただく機会になりましたら幸いです
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