おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

少子化論

2013-07-15 17:16:31 | 社会
「少子化論」 松田茂樹著 頸草書房

 我が国で少子化対策が開始されて約20年。その間、多くの仮説と対策が講じられてきたが、いっこうに回復しない少子化。筆者は、このような現状に課題認識し、多くの文献調査や諸外国の例との比較をもとに、我が国の少子化対策の問題点と今後の対応案を提示。すごく深堀した問題整理で感動。これぞ大学教授の研究であり、本当に良書。
 
 まず、筆者によれば、仕事と育児の両立に重点を置いた対策(育児休職、保育園整備など)では少子化はとまらないと主張(大多数の女性は育児専念を希望しているため)。少子化の主要因は、非正規社員の増加など雇用環境の劣化による未婚化とデータをもとに主張。これをもとに以下(一部抜粋)のような有益な対策を提言している。
 ・若年層の雇用環境の改善
 ・子育て・教育の経済的負担の軽減
 ・非正規雇用者向けの育休創設
 ・出生率の目標設定(たしかに、そのとおり。目標がなければ、対策の検証もできない)
 

 
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