「チャーチルの亡霊」 前田洋平著 文藝春秋
日本人の母を持つクーデンホーフ=カレルギーとウインストン・チャーチルの2人に焦点をあてて、EU成立前のヨーロッパ統一への動きを描いている。
第二次世界大戦後に米ソに飲み込まれることなく大英帝国の復活を目指したチャーチルは、アメリカ、ソ連、英国連邦、欧州の四極化をめざし、国家主権を保ちながらの欧州連合を目指した。一方、クーデンホーフは国家主権を越えた連邦制の欧州統合を目標とした。チャーチルは、言葉巧みにクーデンホーフから人脈などを奪い自らの構想の実現を目指すが、結果として2人とも自らの構想を実現できなかった。
すなわち、戦後のフランスにとって脅威はソ連でなく、国境を接するドイツで、そのためにはドイツを取り込むことが必要不可欠で、シャーマン・プランでフランスが動いたため。
日本人の母を持つクーデンホーフ=カレルギーとウインストン・チャーチルの2人に焦点をあてて、EU成立前のヨーロッパ統一への動きを描いている。
第二次世界大戦後に米ソに飲み込まれることなく大英帝国の復活を目指したチャーチルは、アメリカ、ソ連、英国連邦、欧州の四極化をめざし、国家主権を保ちながらの欧州連合を目指した。一方、クーデンホーフは国家主権を越えた連邦制の欧州統合を目標とした。チャーチルは、言葉巧みにクーデンホーフから人脈などを奪い自らの構想の実現を目指すが、結果として2人とも自らの構想を実現できなかった。
すなわち、戦後のフランスにとって脅威はソ連でなく、国境を接するドイツで、そのためにはドイツを取り込むことが必要不可欠で、シャーマン・プランでフランスが動いたため。