おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

チャーチルの亡霊

2012-08-26 20:55:56 | 国際(欧州・米国)
「チャーチルの亡霊」 前田洋平著 文藝春秋

 日本人の母を持つクーデンホーフ=カレルギーとウインストン・チャーチルの2人に焦点をあてて、EU成立前のヨーロッパ統一への動きを描いている。
 第二次世界大戦後に米ソに飲み込まれることなく大英帝国の復活を目指したチャーチルは、アメリカ、ソ連、英国連邦、欧州の四極化をめざし、国家主権を保ちながらの欧州連合を目指した。一方、クーデンホーフは国家主権を越えた連邦制の欧州統合を目標とした。チャーチルは、言葉巧みにクーデンホーフから人脈などを奪い自らの構想の実現を目指すが、結果として2人とも自らの構想を実現できなかった。
 すなわち、戦後のフランスにとって脅威はソ連でなく、国境を接するドイツで、そのためにはドイツを取り込むことが必要不可欠で、シャーマン・プランでフランスが動いたため。
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リスク、不確実性、そして想定外

2012-08-05 19:31:54 | ビジネス
「リスク、不確実性、そして想定外」 植村修一著 日経プレミア

 ビジネスの世界では日常用語であるリスク管理について、誰もが無意識のうちに日々行っていることから始まり、歴史の出来事など様々な観点・事象からリスクとリスク管理を論じている。
 まとまりに欠ける気もするが、読むのは楽しかった。

 二兎を追うリスク:ミッドウエー海戦で、日本はアメリカ艦隊の撃滅とミッドウエーの攻略とう中途半端な目的
 問題先送りのリスク:ペリー来航までに多くの情報や外国船の来航があったにもかかわらず、幕は府現状維持で対策を先送り
 安全神話のリスク:タイタニック号は沈むことがないという思い込み(氷山への不十分な警戒、不十分な脱出訓練など)
 一発逆転作戦のリスク:ヒトラーのアルデンヌの戦い(負けが込んでくると、非合理的判断のもとで一発逆転を狙う)
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