おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

新興国経済総崩れ

2013-10-26 07:52:15 | 経済学
「新興国経済総崩れ」 中原圭介著 徳間書店

 一冊の本でBRICsなどの新興国の経済に加え、日米欧の経済に解説しており、どうしても総花的な印象。
 一党独裁の限界がきつつある中国(内乱の危険性)、シュエール革命により没落する資源大国ロシアとブラジル、カースト制度により優秀な人材の国外流出が止まらないインドなどの解説がつづく。

 アメリカが世界の工場となり「アメリカ一極」時代がくるという主張や、デフレを肯定しアベノミックスに否定的なのはなかなか面白い。
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鉞子(えつこ) 世界を魅了した「武士の娘」の生涯

2013-10-24 19:05:17 | 歴史(明治以降)
「鉞子(えつこ) 世界を魅了した「武士の娘」の生涯」 内田義雄著 講談社

 1925年にアメリカで出版されたベストセラーになった「a daughter of the SAMURAI」の筆者「杉本鉞子」の生涯を描いた一冊。幕末維新に翻弄された父(長岡藩の家老として明治政府への恭順を説くが裏切り者とされる)、兄が決めたアメリカ在住の日本人との結婚、夫の急死、コロンビア大学で和服を着て講師、太平洋戦争に対する葛藤、など時代・戦争に翻弄された人生の中で、日本人として、武士の娘として、強い信念をもって生きた杉本鉞子に感動。
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家康公の時計

2013-10-20 18:22:10 | 歴史
「家康公の時計」 落合偉洲著 平凡社

 何となくタイトルに引かれて読んでみたが、知らないことが多く、新しい発見があった。
 徳川家康の遺体は日光東照宮にあるものだと思っていたが、実は静岡県の久能山東照宮にある。筆者はそこの宮司で、本書は久能山東照宮に伝わる西洋時計を国宝にしようと奮闘する実話。時計の秘密が徐々に明らかになり、推理小説のように読めた。

 本書によれば、「家康公の時計」は、1611年にスペイン国王から家康の贈られたもので、ほとんどの部品が当時のまま(時計は使用とともに部品が損耗し、交換することから、400年もの前にままで残っていることは世界でもきわめてまれ)。大英博物館が鑑定し、「世界的に珍しく貴重。当時として最高の技術でつくられた傑作」と評価。

 なお、それでも国宝になれない。手続きと文化庁という官僚組織相手には一筋縄ではいかないこともよくわかる。
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住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち

2013-10-14 14:18:09 | 国際(欧州・米国)
「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」 川口マーン恵美著 講談社

 筆者はドイツに30年以上も在住する日本人。自らの体験を基にしたドイツと日本の比較をした一冊(タイトルに直接結びつく記述はないが)。

 身近な生活を通じた両国の比較かと思っていたが、第1章が筆者の尖閣諸島への旅から始まるので、びっくり。ただし、筆者の自国と関わりのない他国の領土問題ほど、他国にとてって興味のない問題はない。軍事力に裏打ちされた実行支配した者が勝つ、という主張は、国際社会の事実として同感。

 その他、日本の鉄道サービスの凄さや、給食も部活もないドイツの教育制度などが記載されているが、面白く読めた。


 なお、フランス万歳で終わる「最後の授業」。ドイツに母国フランスを占領されたアルザス地方の悲しみを描いた本と受け止めていたが、筆者によれば、アルザス地方は長らくドイツが支配していた地域で、フランスが支配していた時期もフランス語の授業は外国語。かなり政治的な本とのこと(初めて知った。なんで日本で有名?)
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韓国 反日感情の正体

2013-10-06 17:40:37 | 国際(アジア)
「韓国 反日感情の正体」 黒田勝弘著 角川学芸出版

 韓国在住30年で産経新聞の記者である筆者。実体験に基づき、韓国の反日感情を記述しており、大変興味深く読めた。

 筆者によれば、反日感情は満たされない「民族的自尊心」によるもので、これは、植民地支配を自らの力で打破したのではなく、8月15日に突然植民地から解放され対日戦勝国になれなかったことが原因。すわなち、永遠に満たさないもの。
 そこで、歴史を事実として検証・受け入れるのではなく、「あるべき歴史」に向けて「歴史を立て直す」ということになる。

 「反日無罪」の情治国家であり、日韓関係の改善は簡単にはいかないことがよくわかる。
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