おかずさんの読書

ビジネス・歴史を中心に読んだ本の感想を記載

資本主義の終焉と歴史の危機

2014-08-30 14:16:20 | 経済学
「資本主義の終焉と歴史の危機」

 現在の経済の状況と資本主義の歴史を巧に織り交ぜ、未来を予想。筆者の主張が全面的に正しいのかどうは私には判断できないが、筆者の分析のとおり資本主義の歴史は動いており面白い。
 筆者によれば、資本主義とは、「中心」が「周辺」を搾取する仕組みであり、周辺が消えれば、新たな周辺が必要。
 この考え方にたち、新興国の成長により、国家間の格差が縮小した現在は、国内に富裕層と貧困層という格差が必然的に生じると分析。この結果は、民主主義と資本主義の利害の相反をもたらす(これまで、資本主義と民主主義はセットと考えていた私には新鮮な驚き)。

 筆者によれば、資本主義は行き詰っており、いずれ終わる。ただ、その先にどんなシステムがあるのかはわからないとしている。
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ダントツ経営

2014-08-25 21:31:40 | ビジネス(企業)
「ダントツ経営」 坂根正弘著 日本経済新聞出版社

 筆者はコマツの相談役。
 社長時代のITバブル崩壊等による赤字決算への対応、会長時代のリーマンショックへの対応など、実際の経営危機に経営者としてどのように対応したのかがよくわかる。
 社員の15%削減、生産拠点の統合(2工場の閉鎖)、生産ラインの合理化(混流生産)など、緊急対策として目新しいものはないが、やりきる力がすごい。本書の中で「改革は痛みを伴うものだが、そこから逃げずに関係者を説得し改革を実行するのがリーダーの役目」という言葉があるが、まさにそのとおり。

 また、中国市場への進出で成功している理由も色々と述べられているが、会社の本気度を社員に示すことが必要で、新入社員の研修科目を英語から中国語に変更したことなども興味深く読んだ。

 筆者は、アメリカ企業との合弁会社のCCOとして、アメリカに3年半滞在しているが、日米の企業の長所・短所を分析しており、なるほどと納得。日本の企業の自前主義は、仕事の標準化によるコストダウンとならない(汎用品のシステムで十分なものもある)。
日本の企業の強みはミドルクラスだが、逆に部分最適になる問題もあり、全体最適は経営者の役割など。
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銀翼のイカロス

2014-08-24 18:06:27 | ビジネス(小説)
「銀翼のイカロス」 池井戸潤著 ダイヤモンド社

 半沢直樹シリーズの最新作。臨場感たっぷりで面白い。読みだしたら最後までとまらない。
 JALの破綻をモデルに描いた本作は、これまでからさらにスケールアップして、相手は有力政治家、大臣など。これらを情報を丹念に拾い、倍返し。
 早く次作が読みたい。
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