心理カウンセリング ウィル

ご相談はホームページの予約申し込みフォームからお願いします。
 

10代の反抗期にどう対処するか №248

2016-11-27 10:06:27 | 日記
 なぜ、いくら起こしても朝なかなか起きてこないのか?
 なぜ、ゲームやスマホに熱中してやめられないのか?
 なぜ、たばこや酒、薬物が成人よりも10代の脳に危険なのか?
 なぜ、衝動的な行動をコントロールできないのか?
 なぜ、やさしかった子が、突然暴力を振るうようになるか?
 なぜ、「うるせー、ハババア」と信じられないような口をきくようになるのか?
 これまでは素直だった子どもが、豹変するのが思春期です。暴言を吐いたり、タバコや酒に手を出したり、衝動的にものを壊したりする。注意をすると「ウザい」とか「死ね」と言われ、「自分の子育てや人生は何だったのか」と途方にくれ、「何が間違っていたのか」、と自分を責める。そんな苦しい思いをしている方も多いことでしょう。
 それは子育てが間違っていたからではなく、原因は脳の成長過程でおこるものだと言うのが、アメリカ・ペンシルべニア大学教授ジェンセン博士です。彼女はその著書「10代の脳」~反抗期と思春期の子どもにどう対処するか~(文芸春秋社刊)で、脳の発達過程のアンバランスにあると言っています。10代は脳が新しいことを覚える学習能力の黄金期であるが、感情を司る部分や、リスクを推し量り行動をコントロールする部分はまだ未成熟である。そのため、脳を制御しきれず、キレやすい、中毒になりやすい、我慢がきかない、といった思春期特有の問題が起きるというのが、彼女の主張です。
 前頭野が損傷を受けると、➀外界に対して無関心、無頓着になる。②注意力がなくなり、反応性が乏しくなる。③状況を理解したり、推理したりすることが困難になる。④時と場所をわきまえない浅はかな言動が多くなる。⑤我慢ができなくなり、己の感情のままに行動するなどの症状があらわれるといいます。つまり、前頭野が十分に発達しない場合にも似たような状態になる恐れがあるということです。
 では、どう対処すればよいのか。詳しくは、本書を読んでいただけばわかりますが、児童精神科医の渡辺久子さんは、この本の解説の中で、「思春期にもう一度育てなおすつもりで、親が子どもを受け止めること。親の受け止める姿勢ができると子どもは本音を表出し始める。」と言っています。
 そして、「親への試し行動の脅しにのるな。」とも言っています。「思春期の子どもは、寂しく孤独になる瞬間、ふと見捨てられ不安を親にぶつけてためす。そこで親がおどおどすると子どもの激情はエスカレートする。攻撃的言動に振り回されないよう、父親、母親、教師、医師等が連携し、子どもの自己破壊的な不安や怒りを鎮め、その苦しみを受け止めること。」とアドバイスしています。
 簡単なことではありませんが、逃げずに真摯に受け止めて向き合うことが大切なのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする