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人工知能(AI)とカウンセリング   №247

2016-11-21 15:32:42 | 日記
 3ヶ月ほど前、東京大学医科学研究所が、スーパーコンピュータ「ワトソン」を使って白血病患者の病名を突き止め、治療方法をかえた結果、容態が回復してきたというニュースがありました。「ワトソン」は膨大な情報から、解決策を導き出す能力があり、東大ではガン研究に関する2000万件以上の医学論文と1500万件の抗ガン剤情報を学習させ、診断や治療に役立てる研究を進めているということです。
 また、先日の日経新聞「AIと世界」という特集の中に、中国の建立1千年を超す名刹で、参拝客の悩みに答える僧侶型ロボットが人気を博しているという記事がありました。僧侶型ロボットには、歴代の高僧の膨大な説法データを読み込ませ、それらを解析して信徒の悩みに答えるという。ロボットを開発した僧侶は「宗教とAIは矛盾しない」といっています。
 人工知能が進歩し、「働くだけのロボット」から「感情を持ったロボット」の開発が進んでいます。「ドーパミン」、「セロトニン」などの感情ホルモンを数値化し、それを整理し、「喜び」、「安心」、「怒り」、「不安」などに分類し、相手の声の調子や話の内容などから感情を識別し話しをあわせていくロボットが開発されつつあるということです。
 人工知能が病名を診断し、薬を処方してくれれば、診断するだけの「内科医」は不要にになり、「外科医」だけが必要になるということも言われています。人工知能を搭載した人型ロボットが心の悩みに応えてくれたら、カウンセラーも精神科医も不要になるのでしょうか。
 私たちの悩みには、職場や学校の人間関係、夫婦間の問題、子育ての問題等共通するものが多くあります。しかし、それらの悩みの発生やそれに耐える力や対応の仕方、こう在りたいという気持ちは人によって様々です。将棋や囲碁ではありませんので、誰にとっても最適な「解」というものはありません。
 トルストイの名作アンナ・カレーニナはこんな書き出しで始まります。「幸福な家庭というのはどの家庭も似たようなものであるが、不幸な家庭というものはその不幸の在り方も様々である。」
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