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「異常な人」と「正常な人」との境目は?

2012-11-06 17:30:52 | インポート
 正常な性格の持ち主とはどんな人でしょうか。「健康」というのが「病気でないこと」といわれるように、「正常な人」とは「異常」ではない人のことです。強いていえば、その人のもつ性格の傾向が他人との関係性を大きく損なわず、円滑な人間関係を営むことができる人とでもいえば良いのでしょうか。
 では、病的な性格とか異常な性格というのは、どのように定義されるのでしょうか。その人の考え方や行動が日常生活や社会生活に著しく困難をきたし、家族や仲間、職場の人達等との関係に軋轢やトラブルを起こす人といえるでしょうか。
 ただ、「病的な性格」といった場合と「普通」との線引きは案外難しそうです。日常生活に大きな破綻がなく他人に迷惑をかけない限り、端から見れば「病的」とも思える趣味や仕事への没頭も許容範囲となります。
 しかし、「異常な性格」と「普通」には少し距離がありそうです。つまり、「異常」といった場合には、多かれ少なかれ周囲との何らかの軋轢が生じていることが多いのではないでしょうか。
  「人格障害」については、精神疾患に関するガイドラインDSM-Ⅳで「その人の属する文化から期待されるもの(共通認識や常識)から、著しく偏った内的体験及び行動の持続的様式が、認知や感情、対人関係、衝動の抑制の2つ以上に継続的にみられること。また、その考え方や行動パターンに柔軟性がなく、社会的、職業的、または他の重要な領域において著しく苦痛を感じたり、トラブルを引き起こしていること。その始まりが少なくとも青年期または小児期早期にまでさかのぼることができること」等と全般的な診断基準を示しています。
  ここで、「異常」と「正常」の境目となるキーワードは、「その人の属する文化から期待されるもの」という言葉です。時代や文化が違えば価値基準や判断基準も異なり、「異常」が「正常」になることもあるのです。


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