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権利を奪われた悲しみ~自死の遺族~

2012-06-22 14:23:19 | インポート
 愛する人と死別しながら、その悲しみを人前で語れない性質の悲しみがあります。「権利を奪われた悲嘆」とか「非公認の悲嘆」とかいわれています。「自死」により死別した遺族の人たちの悲しみもその一つでしょう。(グリーフカウンセリングでは「自殺」という言い方をしません。)共感されにくく、偏見や差別の対象になるかもしれないことが悲しみを抑制させてしまうからです。
 残された人たちは、深い喪失感を経験するだけでなく、恥や恐れ、拒絶、怒り、後悔や罪悪感などいくつもの、いわば負の遺産を背負い込んでしまいます。
 どうして気づいてやれなかったのだろうかという、罪悪感に襲われます。自殺を防ぐために何か自分がすべきこと、できることがあったのではないかという思いに責めさいなまれたりします。また、自分の罪悪感を他者に投影し、その死が誰か特定の人にあるかのように思い込み、その人を非難することで、自身の過失の感覚を防衛することもあります。
 死別した相手に対する怒りの感情もわきます。なぜ、自分にこんな思いをさせて死んでいってしまったのだろう。あまりに身勝手ではないか、と自分が拒絶されたような気持ちになり、死者に怒りを向けると同時に、きっと自分のことを愛していなかったに違いないと思ったりします。
父や母の自死を経験した子どもは、自分にもそうした傾向が遺伝しているのではないか、という恐れをだいたりします。
 一方で、あれは「自死」ではなく、「事故」だったのだと事実をゆがめて自分の気持ちを納得させるため、事実から目をそらす傾向もあるといわれています。
 こうした複雑な感情に揺れる遺族に対して、どのように接したらよいのでしょうか。。本人がその体験を率直に話せるように援助することが大切ですが、いきなり話しかけたり、「いつまでくよくよしているの」とせめたりしいことです。本人が話す気持ちになるまで、ゆっくりと、自然に、穏やかに落ち着いた態度で接することが必要です。頑張ろうとか、気持ちはわかりますとか、気休めをいうのは慎まなければなりません。

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