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「人事も経理も中国へ」

2007-09-04 12:05:22 | 散歩写真
日本のホワイトカラーは、先進国の中では生産性が低い。生産性向上に努めることが必要であるとよく言われる。しかし具体的に生産性を高めるとは、どういうことなのかが分からなかった。

しかしその一つの有効な手段が、中国へのアウトソーシングであることを見せつけられた。3日のNHKスペシャル「人事も経理も中国へ」を見たからである。その中では、通販会社ニッセンの総務課が、定型化できる仕事を、中国・大連の会社にアウトソーシングさせていく過程が描かれていた。具体的には各部署が使う車のリース管理の仕事であった。

印象に残ったのは二つ。ニッセンの経営側は、このアウトソーシングを社員の首切りには繋げないと言明した。もっともアウトソーシングすれば、労働の単価は780円/時間ですむ。これに対して日本人が同じ仕事をすると5500円/時間になる。経営側は、社員に対して5500円/時間の仕事を探せと求める。それは遠回しではあるが、日本人の首切りにつながるであろう。番組では2015年までに40万人分のホワイトカラーの仕事が中国に移ると予測されていた。

また二つめは、実際にアウトソーシングを迫られたニッセン総務のエースである「ミスター総務」氏の表情の変化である。彼は初めは経営側の要求に憮然としていたが、実際中国人の仕事ぶりやその意気込みを見て表情が明るくなっていく。おそらく仕事をまかせても大丈夫だろうという確信が得られたのと、アウトソーシングの必然性を納得できたと言うことなのであろう。そして彼は個人情報管理の仕事に自己の方向性を見いだそうとする。

中国へのホワイトカラーの仕事の流出は、コストベネフィットの観点からして仕方ないとは思う。しかしそのうち多くの仕事のアウトソーシングが進むとともに、中国側の人材不足などのために、人件費が高騰するとともにトラブルが続出するのではないかと、憎まれ口をたたくことくらいしかできない。
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