どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

自分よっかおそろしかもん・・鹿児島

2023年06月26日 | 昔話(九州・沖縄)

         鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年

 

 日本の昔話では、オオカミより雨漏りが怖いというのが一般的ですが、イノシシがでてきて、イノシシより 雷さまが怖いという話。

 

 ある晩、いなびかりがして、かみなりがどんどんなりだし、じさんとばさんは、ふとんのなかにくるまって、小さくなっておった。さらに、カヤでつくった家の壁にガサッ ガサッとつかかるもんがあった。ばさんが雨戸の隙間から、そーっと見るとイノシシの親子が、壁をやぶって家の中に入ろうとしているので、ばさんは 大慌て。ところが、じさんは、「おれは、イノシシより、雷さまが何倍もおそろしかが。」と、ふとか声で答えると、イノシシのほうが驚いて、逃げていってしまった。

 ばさんがじさんに、「じいさんのひとことでイノシシがにげていったが、じさんな頭がよかかなあ。あたや、みなおしもしたがお」というと、じさんは、「それほどでもなかど、ばあさん」と、こたえるあたりが ほほえましい。


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