魔法昔話として最も古い話で、心臓または命がどこかに隠されているので、相手はこの者を殺すことができないという話。
なとなんと紀元前13世紀のバータ昔話に同じモチーフがでてくるというから古い。
身体の一部が、分離されているという発想は、日本の昔話には見られない特徴です。
・からだに心臓のない巨人(世界むかし話15 北欧 ソリア・モリア城/瀬田 貞二 訳/ほるぷ出版/1979年初版)
北欧の話で、トロルかと思ったら、訳は“巨人”とシンプル。
長い話の中には、途中経過がなかなかわかりにくいものもあるが、この話は比較的わかりやすい。
上6人の兄たちが、自分の嫁を探すにいって、それぞれ相手を見つけてかえってるくる途中、巨人に石に変えられてしまう。
ここで、末の王子が、兄たち探すに行く展開。
途中、大ガラス、サケ、オオカミを助け、後半には、この助けをかりて、無事に上の王子たちを救い出す。
王子たちを助け出すのは、遠くにある湖の島の教会の井戸に泳いでいるというアヒルのたまごにある、巨人の心臓をこなごなにする必要があって、これを聞きだすのに、なぜか巨人のところにいるお姫さまの力をかりることに。
このお姫さまがなぜ、そこにいるかにはふれられていないのが、昔話らしいところか。
・心臓のない男(世界むかし話7ドイツ メドヴィの居酒屋/矢川 澄子 訳/ほるぷ出版/1977年初版)
「からだに心臓のない巨人」と同じ話型で、七人の兄弟、末の弟が石になった兄たちを救う。
助けを借りるのは、赤いお牛、イノシシ、グライフ鳥。
心臓は教会のなかをとびまわっている小鳥の心臓となっています。
・漁師の息子(子どもに贈る昔ばなし13 桃もぎ兄弟/小澤昔ばなし研究所/20127年初版)
デンマークの話。魔法使いにとらわれた乙女と貧しい漁師。
この魔法使いの心臓は、鳩のたまごの中にあり、その鳩はきつねのはらの中に、きつねは熊のはらの中と、三重にまもられています。
ここで漁師の助けになるのは、熊、鷲、犬に変わることができる変幻自在の術。
魔法使いの心臓を額に投げつけないと、魔法使いは亡くならないが、漁師が手に入れた心臓をもって、魔法使いの部屋に向かうところで、「おれの心臓がやってくる。おれの心臓がやってくる。何打か気分が悪くなってきた」という魔法使いの言葉が真に迫ってくる。
前段の入り方も昔話らしくて楽しい。
・氷の心(ラング世界童話集3 みどりいろの童話集/西村醇子 監修/東京創元社/2008年初版)
姫の心をどこかにかくしてしまった妖精。
この心は氷の山にある氷の宮殿の玉座の上の雪のクッションにおかれたダイヤモンドのなかに。
この”心”を取り戻すマニキン(ちび助)、実は王子の冒険が展開されます。
話すとしたら1時間はかかりそうなラング集におさめられた話。
主人公を助けてくれるものに注目したい話。
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