どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

リジーと雲

2023年04月03日 | 絵本(外国)

   リジーと雲/テリー・ファン&エリック・ファン・作 増子久美・訳/化学同人/2023年

 

 リジーが雲を育てたいと思ったのは、どうしてだろうと想像しましたが結論はでませんでした。花や植物を育てるのではなく雲です。

 雲売り場には、オウムやウサギ、サカナやゾウの雲もありましたが、リジーが選んだのは、よくみかける普通の雲。

 リジーは、雲にミロと名前をつけました。それが雲のお世話の一番目の仕事?でした。それからは毎日の水やり。ただあげすぎには注意です。いきなり雨を降らすこともあったり、急に気分が変わることもあるのです。

 ミロに水やりをしていると、おかえしに花や植物に 水をかけてくれました。風船のようなミロを散歩にもつれていきます。

 ミロがだんだん大きくなったある夜、ミロは、部屋の中に 大雨をふらせてしまいます。

 「雲のお世話の仕方」には、「ぜったい せまいところに とじこめないでください」とあったのです。リジーは、ミロを 空に浮かべてあげるときがきたことに、気がつきます。そしてリジーは、ミロを空にはなしてあげます。

 それから 空に雲がうかんでいるのをみると、リジーは、ミロのことを 思うのです。

 

 子どもはいつか親のもとを離れていきます。そんなことを思いました。それにしても雲を育てるなどという作家の想像力には いつもながら感心します。

 晴れた日に雲はみられませんから、灰色っぽい基調の絵にも納得です。


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