イチからつくるホウキ/宮原克人・編 堀川理万子・絵/農山漁村文化協会/2024年
絵本がなかったら箒のことを考えることもなかったかも。いま箒は、落ち葉掃除など外用だけ。少し前までは座敷帚がありましたいつのまにか なくなりました。
掃除機があるのに、いまさら箒とは?と思いながら、「道を掃くときは電気がないじゃないか」、「小石を吸い込んだら故障の原因になる」といわれ、ぎゃふん。
箒は、こわれて捨てても自然に帰る素材だから環境にやさしいし、電気もつかわず、そのつもりになれば工夫してつくることもできるすぐれもの。
小学校四年生の四人組が、お寺の和尚さんから話を聞いたり、自分たちで調べたりして、箒を作ることで暮らしを見直きっかけを見つけていきます。
いま日本の箒はそのほとんどが外国産、それでも少ないながら箒づくりをしている人も紹介され、また茨城や栃木、山形などの産地も紹介されています。
箒の材料は、ホウキモロコシが主ですが、稲わらササ、タケ、シュロなどで作ることができます。材料も外国からの輸入がおおいといいますが、ホウキトウモロコシを栽培し箒づくりしている人も紹介されていますが、一本の箒を作るのに10平方メートルぐらいの畑が必要というのも大変。
和尚さんが、「ひとつひとつていねいに隅々までそうじすることで心の雑念が消え、気持ちが澄み渡っていくんだ。ひたすらそうじすることは座禅をしているときの無の心に通じる」と言っているのですが、掃除ロボットや電気掃除機ではそういきません。