先日、映画を見てきたのでその感想を書きたいと思います。
なんの映画かといえば、『ナイトミュージアム2』。
わたしがもうハコモノ大好きの、旅行に行けば博物館や資料館の類を見なければ気が済まないというのは、けっこう書いているとも思うのですが。
第一作の感想は、別の映画と合わせてみたということもあり、短く終わったのですが、今回は熱心に書いてみようと思います。
ナイト ミュージアム2 - goo 映画
あらすじ等は、上を見ていただくとして、わたしはわたしが気に入った小ネタなどを書きたいと思います。
今回の舞台は、世界最大の博物館、スミソニアン博物館群。
デザイン博物館から西洋美術館。歴史、自然、科学、航空宇宙、民俗などの博物館など、実に19に及ぶ博物館・研究センターが立ち並んでいるそうです。
一度、行ってみたいですけど、キャプションを読んで楽しむ人間であるわたしとしては、果たして楽しむことができるのかが心配です。展示品を見るだけでは、やはり楽しみも半減だと思うんですよねぇ。
そんな博物館群。収蔵品の数、実に1億4200万点にも及ぶということで、そのすべてに命が吹き込まれるのですから大騒ぎですね。
個人的に面白かった部分は、今回はじめて判明した絵画や写真、パネルに命が吹き込まれるとどうなるか、という場面。
リキテンスタイン(1923~1997)の『泣く女』はほたほたと涙を流し、ウッド(1891~1942)の『アメリカン・ゴシック』の老夫婦は刺又を取り上げられて困惑。ホッパー(1882~1967)の『ナイトホークス』は、主人公を追って来た悪い兵隊を恐れて逃げ出す始末です。
どれも「美の巨人たち」に取り上げられたような、一流の画家ばかりですね。
悪役の一人であるアル・カポネ(1899~1947)とその一味は、元は白黒の写真パネルです。だから、命をもらっても白黒。ちなみに、俳優の方も「元は写真パネルだったことを意識して演技した」といってます。
写真といえば、大事そうで、実はそうでもなさそうな鍵を握っているアイゼンスタッド(1898~1995)の『勝利のキス』。時代の空気を切り取る芸術とは、よくいったものです。
小落ち的に語られるモトローラのネタは、実際には名前が違うので、ネタはネタではないかということです。
前作では立体作品といえば、蝋人形ばかりで彫刻はコロンブス像ぐらいだったと思うのですが、今回はロダン(1840~1917)の『考える(だけの)人』〈()内は、ネタです〉やドガ(1834~1917)の『踊り子』などが動き出します。ぽよんぽよんと歩くのは、ジェフ・クーンズ(1955~)の『バルーン・ドッグ』でしょうか。
圧巻なのは、リンカーン像ですね。作品中、黄金の石版に継ぐ強さを誇ります。そして、肝心なところは(ヒントを与えた上で)主人公に任せていってしまうというのは、大統領共通の性格なのでしょうか。
個人的には、ロックウェルの作品が一瞬でも出てきたのがよかったですねぇ。
アメリカ人にしかわからないネタも出てきましたが、アメリア・イヤハート(1897~1937)だってわたしは知りませんでしたよ。聞いたことはあったかも知れませんが…。
そのイヤハートに敬意を払うのが、アメリカ空軍初の黒人部隊「タスキーギ・エアメン」ですが、まぁわかりませんよね。位置づけとしては…日本でいう二宮忠八(1866~1936)? チガウカー。
あと、地味なんですが、わたしだけ大受けしたところがあって、それはライト兄弟の二人が、史上初めて有人動力飛行を成し遂げた「ライトフライヤー号」にのって急ぐ主人公たちを見送りながら、宇宙食をもりもり食べていたシーンです。
ね、地味でしょう。だれも注目しないようなところに目が向いてしまうんですよねぇ。
全体的には、面白くまとまっていたと思います。
歴史にも興味をそそられることは間違いないでしょう。うーん、こういうものを作ってみたい気もしますが、いかんせん想像力が…見ているだけに限りますかねー。