“…で なんだか ドリス・レッシングの方がなぜか気になりだして手元に用意してみたが、ページ進まない。。。”
本は進まなかった。映画ならどうだろう。借りることにした。
「夕映えの道」
ドリス・レッシング原作ではロンドンが舞台とのことだが、映画では パリ。20区。ルトレ通り。
主人公イザベルが近くのドラッグストアで 偶然知り合った 一人暮らしの老女、マド。
処方箋を手に レジの薬剤師に詰め寄っていた、マド。
本人はアスピリンを処方してもらったつもりなのにValiumになっている、
そのヴァリウムとフリガナのついている映画字幕の日本語が「鎮静剤」になっていて
…Plus que morte Oubliée.
のところで 「鎮静剤」という言葉に出会ったばかりの私としては、
こちら側の巡り合わせに 少し驚いた。
マドの頑なさに
会ったこともない mori mariばあさん に遭遇しているような既視感が揺らめき、
それじゃあ私は イザベルか小島千加子か…、
勝手に盛り上がりながら 静かな映画に ひきこまれていった。
DVDに付いていた監督インタビューでは
この作品がデジタルビデオカメラ撮影であることに質問がまとめられていた。
監督の手もとに置かれたそのデジカメ、
何だかうちにあるのと同じものに見えたけれど、こんなに味わい深い作品一本作れてしまうんだな。
イザベル役は 当初 ナタリー・バイ だったとのこと。
わっ、「緑色の部屋」。
あちこちで わっわっと驚きながら 再生したのでありました。
(出発点は独語なのに 寄り道先は すっかり仏語であります(・o・)。)